告別にはまだ早い ~遺言執行人リリー~(1): ボニータ・コミックス (ボニータコミックス)

著者 :
  • 秋田書店
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253264211

感想・レビュー・書評

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  • D・キッサン先生の最新作
    こういう言い方は失礼かもしれないが、D・キッサン先生の作品って、不思議と躊躇なく買えちゃう
    他の作品も面白いから、ってのもあるんだが、作品ごとに様々な顔を見せてくれるんだよな、D・キッサン先生って
    この『告別にはまだ早い~遺言執行人リリー~』でも、今までになかった顔を見せてくれている
    カメレオンや百面相って表現に届くほどではないにしろ、少なくとも、読み手を飽きさせないだけの数は持っている
    作品の内容を上手く説明できない悔しさを味合わせてくれるのも、D・キッサン先生の作品らしさで、この作品にもある
    シンプルに言えば、ジャンルはオカルトなんだけど、怖さやおぞましさはなく、むしろ、心が温まる系の不可思議さ
    人の縁を描くのが上手い、と唸らされるのは毎度だが、この『告別にはまだ早い』は生きている者と死んでいった者の間にあった、小さくも深い所まで刺さっているトゲを抜き、絆を強く結び直してくれるストーリーなので、余計に、そう感じたのは私だけじゃあるまい
    あくまで、私個人の印象によるお勧めだが、三三先生の『獣の形の女の子』や、逢坂八代先生の『瑠璃宮夢幻古物店』のストーリーが好きな人は、この味にも良い刺激を感じられるんじゃないだろうか
    どの作品も心に響くが、やはり、掴みとしてバッチリな第一話である「完璧な遺言」はグッと来る
    一話目にして、読み手の心を揺さぶれるのは、D・キッサン先生に実力がある証拠だ
    周囲が望み、先祖に恥じぬよう、完璧な生き方をしてきた人間が、唯一、完璧な自分でいなくていい場所と恩人のために、遺したい、受け取って貰いたい、そんな望みを運ぶ、実に素敵なことだ
    この台詞を引用に選んだのは、一理あるな、と思ったので
    体を大切にする、それ自体は良い事だ。しかし、大事にし過ぎて、挑戦せず、変化も求めないと、心は錆び、魂は朽ちる
    自暴自棄はダメだが、ちょっとくらいはギリギリを攻めた方が、人生は楽しい
    それに、何事にもチャレンジできる高齢者ってのは、何気にカッコいいよな
    ある意味、次を信じるジィさん、バァさんの方が、若者より輝いてる
    そういう年の取り方をした人間になりたい。そんで、リリーとエーヴに遺言を託さずに済むような、心残りのない人生を締めくくりたいが、難しいかなぁ

  • 死後に残す遺言を執行するリリーとエーヴ。
    「死なない程度に呪いを楽しむクラブ」の話がとても良かった。
    死や遺言、呪いというワードが出てくるけれど、まったく怖くなくほっこりする。
    続きも楽しみ。

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