微分・積分30講 (数学30講シリーズ 1)

著者 :
  • 朝倉書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784254114768

作品紹介・あらすじ

この本は、微積分の解説書ではなく、微積分という、日常使いなれない新しい言語になれ親しませるための、いわば初学者向けの語学の入門書のようなものである。

感想・レビュー・書評

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    学外からのアクセス方法は
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    を参照してください。

  • 本書は、高校数学の内容から出発して、それを少し深い視点から見直しつつ、大学の微積分の入り口まで連れていってくれる。

    第1~5講 ・・・ 直線の方程式や2次関数のグラフを振り返る。
    第6~15講 ・・・ 数学Ⅱで習う3次関数の微分から始まり、数学Ⅲで習う有理関数・三角関数・指数対数関数の微分、そして合成関数や逆関数の微分法を押さえながら逆三角関数まで扱う。
    第16~21講 ・・・ 微分の逆演算としての不定積分と、グラフの面積を求める方法としての定積分、そしてその二者を結びつける微積分の基本定理を丁寧に解説する。更に積分計算の例として、円の面積と球の体積の公式を導出する。
    第22~30講 ・・・ ここから大学数学の内容に入っていく。まずε‐δ論法を紹介して極限と連続性を定義する。そこから、最大値・最小値の定理を前提として、ロルの定理→平均値の定理→テイラーの定理→テイラー展開まで進んでいく。

    本書の説明は、直観的な分りやすさと数学的な厳密性との間のバランスがとてもよくとれており、どちらか一方に偏りすぎていない(前者に偏れば、内容が薄く微積分の本質を伝え切れないであろうし、後者に偏れば微積分の具体的なイメージを描けず何をやっているのか分からなくなってしまう)。意欲的な高校生、専門書の抽象的な記述に挫折してしまった大学生、少し深く数学を学び直したい社会人、こうした人たち向け。

    本文や各講末のTeaTimeには、様々な概念の背景や定理が含意していることについて、謂わば著者の"生の表現"で説明を加えてくれている個所が幾つもあり、そこでは単なる教科書的な記述だけでは見えづらい数学の奥深さに触れることができる。個人的には、微積分の基本定理、ロルの定理、テイラー展開についての解説が理解の助けになった。

  • 厳密な証明や論理は抜きにして、大学の数学を俯瞰的に解説するシリーズの第1巻。非数学系の初学者にとって学び始めの良い第一歩になる。ただ、この第1巻に関しては導入が初歩的過ぎて高校である程度数学をやっていれば前半は読み飛ばしていいだろう。実際に大学の数学らしくなってくるのは20講から25講以降であると感じた。内容は例え話や簡単な証明を挟んでいて取っつきやすい。

  • [ 内容 ]
    この本は、微積分の解説書ではなく、微積分という、日常使いなれない新しい言語になれ親しませるための、いわば初学者向けの語学の入門書のようなものである。

    [ 目次 ]
    数と数直線
    数直線と実数
    座標と直線の式
    2次関数とグラフ
    2次関数の最大、最小
    3次関数
    三角関数
    指数関数と対数関数
    不定積分
    グラフのつくる図形の面積〔ほか〕

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 分かりやすいが、少し物足りない。数理ファイナンスを勉強する第一歩として解き進めた。

  • 図書館で借りた。

    微分・積分の入門書。
    参考書と通俗的な解説書の中間に位置するものかもしれない。

    ε-δ論法の話題が出たときに、「読者は、証明の大体の輪郭を理解すればよいのであって、むしろここでは、’近づく’という感覚的なものが、ε-δ式の定式化を通して、数学の加法とか乗法の演算に、いかになじんでくるかに意をはらってほしいのである」と書いていた。
    ここまで書いてもらえるととても気楽に読める気がした。

    高校の微積分よりもほんの少しだけ先に進める内容なので、そこらの解説書では簡単に書きすぎているし、参考書みたいにガリガリ問題を解きたい訳ではない、という人が読むのにはちょうど良いように思う。

  • 基本的。重積分はない。全部解くのに予備知識もいらないし時間もそれほどかからないので完全に忘れてしまった場合に有効かも。

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著者プロフィール

1930年,新潟市生まれ。東京大学大学院数学系修士課程修了。東京工業大学名誉教授。著書に『無限のなかの数学』,『数の大航海』,『現代数学への招待』,『数学30講シリーズ』(全10巻),『数学が生まれる物語』(全6巻),『大人のための数学』(全7巻)など多数。

「2022年 『数学史入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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