- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255012414
作品紹介・あらすじ
「生命」「進化」とは何か。
生物学者・福岡伸一が、 ダーウィンの足跡をたどり、生命の本質に迫る。
絶海の孤島で繰り広げられる大自然の営みと進化の不思議を、
ユーモア溢れる文章と美しい写真で描き出す、ガラパゴス航海記。
「生命とは何か」を追求し続け、「生命は変わらないために、変わり続けている」という福岡伸一(生物学者)が、進化論の島・ガラパゴス諸島フィールドワークの中から、新たなる生命観を導き出す。
絶海の孤島に生息する奇妙な生物たちはどこから来たのか? 特殊な進化を遂げたのはなぜか? なぜ生物たちは人間を恐れないのか? 陸と海に分かれて生息するようになったイグアナ、飛ぶための羽を諦めたコバネウ……ガラパゴスの生物たちの謎を解き明かす。島の大自然を全身で感じながら、“進化の現場”と、その驚くべき生命の姿を生き生きと克明に綴った紀行ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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朝日新聞朝刊に連載の『ドリトル先生ガラパゴスを救う』を読んでると楽しめる。ちょっとガラパゴスに着くまでの記述が長いかな。
ガラパゴスの生物が人間を恐れずにむしろ興味を持つのは、
狭いニッチの棲み分けで食うか食われるかとは違う共存の仕方、自分の生存に自由の多い、余裕があるからではないか、
ガラパゴスこそが最も進化した形ではとの指摘には考えさせられます。 -
生命の余裕と好奇心。生命の本来の姿。
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なんとなく、自分向きの本ではないなあという感覚だったので、気軽に流し読みしてしまった。
収録されている写真はどれも素晴らしく、添えられている文章も洒脱で読みやすい。
私には向いていなかったが、きっと多くの人に愛される本だろうと思った。 -
ガラパゴスに行く前にどうしても読みたかった本。冒頭の導入部分(ガラパコスに行きたい、とレンズの焦点)何度読んでもグッとこころを掴まれる。特にようこそ先輩のくだりが大好き。子どもたちと一緒に授業を追体験しているような。ぼくたちはどんどん変わっていいし、というあたりで泣きそうになる。社会通念やいろんな"あるべき"に捉われている人に読んでほしい。身体中に新鮮で気持ちよい風が吹き抜けるような気持ちになる本。
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昔訪れたガラパゴス諸島を懐かしめた。
ただ、せっかく、ダーウィンと同じ航路をとって、
ダーウィンが何を考えたのか、を探る、
という当初目的は、達していないように思う。
ガラパゴスにいって書いたエッセイ、という感じ -
京都大学の伝統は、今西錦司的フィールドワークが流儀なのかと思っていたのだが、この人は違うようだ。トイレに紙を流さないことぐらいで、大騒ぎするなんて、少し世界を旅したらどうかと思う。多くのところでそうだし、日本の山小屋もこのやり方だ。都市生活にどっぷりの人が、ナチュラリストなどというのはいかがなものかと思うぞ。
生命は、自発的な利他性だとはいうものの、ニッチのないこの世界に明日はあるのか?という思いを強くする。
この人の本はほぼ読んでいるが、この旅行記は、イマイチ。本を作るために、出版社から金を出してもらって旅に出れるなんて、皮肉でなく、うらやましい。さすが、ベストセラー作家だ。 -
昆虫少年だったという筆者の、ダーウィンと同じ航路でガラパゴスに行きたいという夢の強さ。いろいろあったようだが、晴れて夢がかなった筆者の幸運を祝いたい。
船のコックがすばらしかったそうで描写にずいぶんページをさいている。コックだけでなく、雑用係、通訳、ネイチャーガイド、船長、副船長、それから筆者と日本人カメラマン、それぞれが作業分担を完璧にこなしていて、誰一人欠けてもこの探検旅行は成り立たなかったと思える。
生物学者である筆者の文才にびっくり。ダーウィンの書いたものを引用したり、。景色の描写を読んだらそこに写真が欲しいのだが、それはなくてがっかり。
そもそもガラパゴスが1つの島でなく島嶼群だということさえ知らなかったが、ガラケーなどというときのガラパゴスのイメージが進化のどん詰まりであるのに対し、実際はそうではなく。南米大陸などと比べても火山の噴火でできたガラパゴス諸島は新しく、進化の最先端で現在進行中だということにも驚いた.
それから、鳥がやけに近づいてきたりしたのを、好奇心でやっているに違いないと感じるところが、科学者らしくないようにも思ったが、やはり現地に行った人の正直な感覚なのだと思う。 -
ガラパゴスの興味深い生態系が紹介されている