新装版 ペーパームービー

著者 :
  • 朝日出版社
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本棚登録 : 192
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784255012544

作品紹介・あらすじ

父に内田裕也、母に樹木希林という「ハゲシイ」環境で育った著者。夫、本木雅弘との出会いやユニークな留学経歴等「メクルメク日々」を描く。野の花のようにノーブルなリアルテイルズ。

感想・レビュー・書評

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  • 内田也哉子さんが19歳のときに書いたエッセイ。四半世紀前の若い頃、「あとがき」から読みとれる30代、そして現在…ずっと変わらず飾り気のない真っ直ぐな人なんだなぁと感じました。

    小学6年の時それまで通ったインターナショナルスクールから公立小学校に移って戸惑う也哉子さんに、母・樹木希林さんが掛けた言葉。「自分に起こる大半のことは、自分に原因があるんだからね…自分が変われば、周りも変わってくるの。だから相手に何かを求めるんじゃなくて、自分が変わる様に努力するの。わかる?」

    うーん、すごいな。子どもというより、一人の人間として尊重し対峙している。

  • 言わずと知れた、樹木希林と内田裕也の一人娘で、19歳で本木雅弘と結婚した内田也哉子さん。
     彼女が19歳の時に書いたエッセイ。かわいらしさの中にも、しっかりとした考えがあり、自分でこうしたい、とはっきりと決め、進んでいく。
     「ややこ、自分に起こる大半のことは、自分に原因があるんだからね。自分が変われば、周りも変わってくるの。だから相手に何かを求めるんじゃなくて、自分が変わるように努力するの。わかる?」インターナショナルスクールから、日本の小学6年生に編入し、どーにもこーにも居心地の悪さを感じていた時の母からのコメント。
     「勿論、遠い先のことだろうし、こんなことを今言うのも変かもしれないけど・・・もし、いつかややちゃんが、結婚したいなと思う時期が来たら、選択肢の中に入れといて」17歳で27歳の彼からの提案。まだお付き合いもしていなかった。
     あとがきには「かけがえのない三人の友達というか、家族のことを、少しだけでも何かの形で残せたらいいなあ、と思いながら書きました」「私はとても恵まれている。きっと前世でとてもいいことをしたんだ」という。
     この朗らかさにニコニコしながら読んでしまう。

  • 19歳という、子どもと大人の間の人間だけが味わえる絶妙な感性がただただ素晴らしい。みずみずしい文章、それでいて様々な経験で身に付いたであろう達観している姿勢、初めての恋に心揺れ動く初々しさ……エッセイであり、かつ映画や小説のような鮮やかな情景が描かれ、気がついたらあっという間にあとがきでした。
    決して主張が強いわけではないけれど、かといって世間に埋もれてしまうわけでもない……きっと彼女自身の魅力とカリスマ性が彼女を輝かせ、多くの人を惹き付けているのではないかなあと。「自分は恵まれている」と何度も述べられていましたが、それに気づけること、そして感謝できることは素敵で有難いことだと思うのです。
    彼女のような女性に、娘に妻に、母になりたいと思えるロールモデルを見つけられた嬉しい1冊でした。

    新作もはやく読みたいです

  • かなり好きな本だ!言葉遣いなのか、也哉子さんの感覚なのか、真夜中の不安の話、2人の出会いと結婚の話(表情の表現の仕方とか)、愛は差別からの話、安心して眠れる。と終わる文章、あとは子育て観。好きです!

  • 少し前にラジオ番組で紹介されていたので。新装版ではなく1996年出版の単行本を図書館で借りて読む。

  • 内田也哉子さんの、19歳の時のエッセイ。
    1996年発売時も話題になったし良く売れたもの。

    これ今読むと、「あ、自然なバイリンガルの人の文章」ってわかりますね。昔はわからなかったわ。
    言葉の使い方や例え方、英語圏の匂いがする。
    「瑞々しい」という言葉がぴったりな、19歳の也哉子さんの感性。複雑な家庭の中での柔らかいまなざし。読むと少し自分もゆるめるような。

    で、新装版の素敵なところは、
    1996最初の単行本、2007文庫版、2021新装版あとがき、と、全て収録されているところ。
    これさすが朝日出版社さんだわ、と思うのだけど、
    それぞれ、その時の也哉子さんの近況、文体を掲載することで、一人の女性の人生がうかがえる作りになっているのです。

    また10数年たってから、初老の也哉子さんの書き下ろしが入った版が発売されると素敵ね。

  • 時は止まらないしみんな死ぬまで生きていくんだなって 也哉子さんの人生これからもまた本にしていってほしい

  • 何かと話題の夫婦の間に生まれた也哉子さんの本。ほとんどが19歳のときのエッセイで優しい語り口だなと思いました。少女らしく素直でかわいい文です。ラストいくつかは色々経験を経た大人の女性の生き方がわかる文になっていました。実際、親のお葬式の際の弔辞があまりに見事で、かっこいい女性だなと思ってます。

  • 19歳の時の文章はみずみずしく、
    45歳になっての3度目のあとがきは、見事に成熟した也哉子さんの文章になっている。

    感性豊かでしっかりとした芯を持ちながら、表現力が優れててお話がとても上手な今の也哉子さんはとても魅力的だ。小さい頃から苦労はあったけれど周りに感謝を忘れず、自分は恵まれてるという。

    これからも色々な表現活動を行なって欲しい。
    プロフィールのマサヒロさんが撮られたであろう写真がとてもとても素敵。

  • 自分の19歳当時と比較にならない19歳でした。
    自分で物を考えられるように育てられた方だと思いました。
    伴侶に選んだモッくんもやはりすごい。

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著者プロフィール

ゲスト/内田 也哉子(ウチダ ヤヤコ):1976年東京都生まれ。樹木希林と内田裕也の一人娘として生まれる。夫は俳優の本木雅弘。三児の母。エッセイ、翻訳、作詞、ナレーションのほか、音楽ユニット〝sigh boat〞としても活動。著書に『新装版 ペーパームービー』(朝日出版社)、『9月1日 母からのバトン』(樹木希林との共著/ポプラ社)、『なんで家族を続けるの?』(中野信子との共著/文春新書)、翻訳書に『たいせつなこと』(フレーベル館)、『点 きみとぼくはここにいる』(講談社)、『うみ』(岩波書店)など。

「2023年 『梅おばあちゃんの贈りもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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