- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784257900719
感想・レビュー・書評
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1話完結の「いたい刺いたくない刺」と「ページワン」がとても良かった。表題作の「バナナブレッドのプディング」と「夏の終わりのト短調」は読みづらかった。大島作品は今のところ個人的に1話完結が面白く読める気がする。
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どの話も自分をつかめない混乱を描いている。登場人物みんなの気持ちになって、自分がばらばらになってしまうような心細い気持ちになった。かつて大島弓子のマンガに手を出せなかったのは、自分には受け止めきれないだろうという予感があったのかもしれない。
男の子たちがいじらしいほど男の子だ。70年代の男子は大変だったろうな。 -
「夏の終わりのト短調」
「バナナブレッドのプディング」
と心理描写が巧みなものが印象に残った -
<いたい棘 いたくない棘>
P54
あのとき 彼が死ななかったことで ぼくのかけはおわった
とにかく彼は彼女を愛し
ぼくは有刺鉄線の中の小さな森を見るたび
心がきしきし音を立てたが
その痛みも うき子嬢とつきあうようになってから しだいにうすらぎ
秋になると 小さな森は買い手がついて たくさんの住宅がたつらしく
きれいに地ならしされてしまった -
*1986*いたい刺いたくない刺/夏のおわりのト短調/バナナブレッドのプディング/シンジラレネーション/ページワン:など集録。悩める人のためのマンガ。