精神看護学[1] 精神看護の基礎 第6版 (系統看護学講座(専門分野))
- 医学書院 (2021年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260042130
作品紹介・あらすじ
・本巻では、精神看護の基礎として、現代社会におけるメンタルヘルスや精神医療の現状、精神保健・精神看護のニーズ、人間の心を理解するために必要な理論、集団の心理のとらえ方、主要な精神障害とその治療、精神障害と医療の歴史、精神障害に関連する主要な法律を学びます。
・精神看護の実践においては、人間の心や人間関係についての深い理解が欠かせません。単なる知識の提供ではない系統的な解説により、学生に“深い理解”の基盤を育むことができるでしょう。
・学生が具体的なイメージをもちやすいよう、随所に、事例やエピソードを盛り込んでいます。通常、なかなか想像しにくい精神症状や精神疾患についても、多くの事例を掲載しており、効果的な学習が行えます。
・第6版では、近年のわが国の精神科医療の動向をふまえ、精神の障害をもつ人が地域で暮らすことを当たり前の前提とし、地域でのケアをより重視した改訂を行いました。また、第3章では、近年の脳神経科学の研究成果を多く取り入れたほか、第5章や第6章では、精神疾患や精神療法、精神科薬物療法の説明がさらにわかりやすくなるよう、看護の視点や事例を加えるなどの工夫を行いました。
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感想・レビュー・書評
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【書誌情報】
『精神看護の基礎 第6版』
シリーズ 系統看護学講座-専門分野
著:武井 麻子
発行 2021年02月
判型:B5
頁:416
ISBN 978-4-260-04213-0
定価 2,530円 (本体2,300円+税)
・本巻では、精神看護の基礎として、現代社会におけるメンタルヘルスや精神医療の現状、精神保健・精神看護のニーズ、人間の心を理解するために必要な理論、集団の心理のとらえ方、主要な精神障害とその治療、精神障害と医療の歴史、精神障害に関連する主要な法律を学びます。
・精神看護の実践においては、人間の心や人間関係についての深い理解が欠かせません。単なる知識の提供ではない系統的な解説により、学生に“深い理解”の基盤を育むことができるでしょう。
・学生が具体的なイメージをもちやすいよう、随所に、事例やエピソードを盛り込んでいます。通常、なかなか想像しにくい精神症状や精神疾患についても、多くの事例を掲載しており、効果的な学習が行えます。
・第6版では、近年のわが国の精神科医療の動向をふまえ、精神の障害をもつ人が地域で暮らすことを当たり前の前提とし、地域でのケアをより重視した改訂を行いました。また、第3章では、近年の脳神経科学の研究成果を多く取り入れたほか、第5章や第6章では、精神疾患や精神療法、精神科薬物療法の説明がさらにわかりやすくなるよう、看護の視点や事例を加えるなどの工夫を行いました。
[https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/107551]
【目次】
第1章 精神看護学で学ぶこと
A 精神看護学とはなにか
1 精神看護学の名称が示すもの
2 精神看護学の基本的な考え方
3 精神看護学で学ぶこと
B 精神障害をもつ人の病いの体験と精神看護
1 想像を絶する苦痛に満ちた病いの体験
2 現実の苦痛と病いの苦痛
3 精神障害者がかかえる「現実の問題」と生きにくさ
4 「生きにくさ」と人間の葛藤
5 病いの苦しみと環境の不寛容
6 治癒から回復へ
C 「心のケア」と日本社会
1 災害と「心のケア」
2 日本における自殺問題とメンタルヘルス
3 地域医療の主要課題としての精神疾患
D 精神看護の課題
1 世界的な課題としてのメンタルヘルス
2 世界からみた日本の精神科医療の課題
3 多様化する精神科医療のニーズ
4 入院治療から,地域生活の支援へ
E この本で伝えたいこと
第2章 精神保健の考え方
A 精神の健康とは
1 「ふつう」というものさし
2 統一した診断基準の必要性
3 精神の健康と障害の3つの側面
4 精神の健康の基準
B 心身の健康に及ぼすストレスの影響
1 生体システムとしてのストレス反応
2 ストレスの社会文化的側面
3 精神保健における危機というとらえ方
4 ストレスに対応する個人のなかの力
C 心的外傷(トラウマ)と回復
1 心的外傷(トラウマ)体験と生存者(サバイバー)の心理
2 日常生活のなかのトラウマ
3 非道処遇が子どもの成長・発達に及ぼす影響
4 トラウマによるストレス反応の特徴と脳神経学の知見
5 トラウマと問題行動
6 回復への道
7 「安全である」と感じることの重要性
8 ストレスをしなやかにはねかえす力――レジリエンス
D 精神障害というとらえ方
1 「疾患」か「障害」か
2 精神障害者の法律的定義
3 疾患モデルと障害モデル
4 国際生活機能分類(ICF)の考え方
5 精神保健における3つの予防概念
第3章 心のはたらきと人格の形成
A 心のはたらき
1 意識と認知機能
2 感情
3 学習と行動
4 知能
5 心の理論
6 心理的特性をはかる検査
B 心のしくみと人格の発達
1 人格と気質
2 意識と無意識――精神分析と精神力動理論
3 よい乳房・わるい乳房――対象関係論
4 ライフサイクルとアイデンティティ――エリクソンの漸成的発達理論
5 愛着と心の安全の基地――ボウルビーの愛着理論
6 自己愛と自己対象体験――コフートの自己心理学
7 「甘え」理論
第4章 関係のなかの人間
A システムとしての人間関係
1 システムとはなにか
2 二者間における2つの関係パターン
B 全体としての家族
1 家族と精神の健康
2 家族の関係性とコミュニケーションに関する研究
3 家族システムという考え方
4 家族のストレスと感情表出
C 人間と集団
1 集団と個人
2 グループの活用――なぜグループなのか
3 全体としてのグループ
4 組織をグループとしてみる――組織のダイナミクスと職場の人間関係
第5章 精神科疾患のあらわれ方
A 精神を病むことと生きること
1 「病いの経験」の理解への手がかり――疾患と病い
2 さまざまな病気の説明の仕方をさぐる
3 看護と精神医学の広がり
B 精神症状論と状態像――理解への手がかり
1 症状とはなにか
2 さまざまな精神症状
C 精神障害の診断と分類
1 診断と疾病分類
2 統合失調症
3 気分[感情]障害〔双極性障害および関連障害群,抑うつ障害群〕
4 神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害
5 精神作用物質使用による精神および行動の障害
6 各発達段階であらわれやすい精神障害・心的不調
7 その他
第6章 精神科での治療
A 精神科における治療
B 精神療法
1 個人療法
2 集団精神療法
3 家族療法
C 薬物療法
1 精神科治療における薬物療法の意義
2 向精神薬とその種類
3 看護師による服薬へのかかわり
D 電気けいれん療法その他
1 電気けいれん療法(ECT)
2 その他の身体療法
E 環境療法・社会療法
1 環境療法・社会療法の歴史
2 治療共同体の実践
3 日本における社会療法の歴史
4 作業療法(OT)
5 精神科リハビリテーション
第7章 社会のなかの精神障害
A 精神障害と治療の歴史
1 精神障害と宗教治療
2 岩倉保養所とゲールコロニー
3 ギリシャ時代の精神医学――ヒポクラテスからガレノスまで
4 アラビア医学と中世以降の魔女裁判
5 ピネル,エスキロールと,フランスにおける近代精神医学の夜明け
6 モラル療法と精神病者の人権擁護運動
7 モラル療法から近代精神医学へ
8 クレペリン,ブロイラー,そして統合失調症
9 ショック療法と積極的身体療法
10 病院精神医学から地域・社会精神医学へ――社会療法の流れ
B 日本における精神医学・精神医療の流れ
1 第二次世界大戦までの精神障害者の処遇
2 呉秀三の松沢病院改革と精神科看護
3 戦後日本の精神保健福祉
4 1980年代以降の人権擁護に関する動き
5 2000年以降の長期入院者の地域移行の動き
6 精神障害者にも対応した地域包括ケアシステム
C 精神障害と文化――多様性と普遍性
1 国際化と地球規模の人々の移動
2 文化的感受性と文化的能力
3 文化接触や文化変容と精神医学的問題
4 特定の文化と結びついた精神障害
5 精神障害の診断は世界的な普遍性をもつのだろうか
6 移民や移住者のメンタルヘルス
D 精神障害と社会学
1 逸脱とスティグマ――社会的烙印
2 精神病院の社会学的研究
3 ソーシャルインクルージョン――新たな福祉社会への道
E 精神障害と法制度
1 精神看護における法律
2 精神科領域で必要な法律と制度
3 法律・制度における課題
F おもな精神保健医療福祉対策とその動向
1 自殺対策
2 依存症対策
3 認知症対策
4 その他の健康問題への対策
資料1 精神保健ケアに関する法:基本10原則
資料2 平均在院日数の数え方
資料3 精神医療史年表
索引
Column・NOTE
「障害」の表記
ストレスとは
自由と能動性を奪われる体験と死
喪失と悲嘆
非道処遇(マルトリートメント)
コミュニティという言葉の意味するもの
高次脳機能障害
ミラーニューロンと同調
映画「インサイド・ヘッド」が伝えるもの
学習性無力感
アール─ブリュット(生の芸術)
テンプル=グランディンと東田直樹
ユング心理学(分析心理学)
退行は必ずしもわるいことではない
「内容─容器」モデル
アダルトチルドレン(AC)
反社会的傾向と希望
適応・不適応
メンタライゼーション
自己対象体験と自己対象
医療の場の「甘え」
一般システム理論
ソシオメトリー
『プリズン・サークル』
兵士のおしゃべりグループから生まれた心的外傷からの回復への道
緊張病(カタトニア)
幻の声を聞く
統合失調症の経過と予後
渇望
ダルク(DARC)
燃えつき症候群(バーンアウト症候群)
睡眠麻痺(金縛り)
EMDR
カタルシス
シャーマンと癒し
エスキロールとモラル療法
呉秀三と清水耕一
石橋ハヤと斎藤茂吉
難民のケースから
多文化社会の縮図としての精神科病院
精神医療審査会
心神喪失者と心神耗弱者
処方薬・市販薬の依存問題
女性と飲酒 -
3月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003550034