- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784264015741
感想・レビュー・書評
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2024.03読了。
エホバの証人をご家族に持つ方から貸して頂いた。
エホバに限らず、カルト、そして自由を規制する集団(国家含む)を考えるのに参考になる良書。
著者は元エホバの証人。
年始の100分de名著特番「100分de宗教論」でトップに紹介されていた「予言が外れる時」を何度も思い出した。
曰く、予言が外れた時、ライトな活動者は嘘に怒りグループから出て行くが、より深刻で真剣に活動した者は、更なる予言を作りだし、より結束を強めようと躍起に活発に活動するのである、と。
真剣に活動した者ほど、今まで自分がその予言の為に行なってきた行いを否定する事に重大な苦痛を伴うため、
新たな予言を創り出し、嘘を認めず、盲目的により熱心に活動する方を選ぶのである、と。
エホバの証人集団の核となる予言「アルマゲドンがもうすぐ起こる」は何度も予言年数が撤回されている。最初は1914年だった。最近はぼんやりしているがとにかく「もうすぐ」という事になっている。
それにも関わらず集団が続いているのは、やはりそういう事だろうと思う。
また、新たに集団に加わる人は、加わる前にこの集団の歴史を調べたりはしないのだろう。
文中、何度もジョージ・オーウェルの「1984」が引用されていたのが印象的。
上が黒い物を白と言えば考えずに白と言う、以前黒と言っていたのでは?という疑問を口にする事すら禁止、疑問を口にしただけで直ちに弁護士のいない裁判にかけられ実刑判決(村八分)、という酷い集団ゲームに、長年しがみつくのは相当大変だと思った。
文中に出て来た、元統治体のメンバー レイモンド・フランが書いた「良心の危機-エホバの証人組織中枢での葛藤」もその内読んでみたい。
ものみの塔紙に書かれていた(=統治体の公式声明)、他者批判がそのまま自己を表していて皮肉、という例がいくつも書かれていて笑った。コロナ下で公明党(新興宗教創価学会が母体の政党)がツイートした、他党批判がそのまま公明党がやってきた事だと批判されていた事を思い出した。詳細をみるコメント0件をすべて表示