怪談牡丹灯籠 恋、愛、裏切り、死者と生者が織りなす夢と現の物語 (ストーリーで楽しむ日本の古典)

著者 :
  • 岩崎書店
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本棚登録 : 57
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265049905

作品紹介・あらすじ

人間の恐ろしさと美しさの内面を映し出す物語。
落語の速記から生まれたこの作品は歌舞伎などでよく演じられます。恋しい新三郎に会いにくるお露。カランコロンと下駄の音とともに牡丹灯篭を掲げて毎晩通うのですが…。

感想・レビュー・書評

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  • 2022年ありがとうございました!改めまして2023年よろしくお願いします!
    感想は平左衛門が格好いいし孝助も真面目で名前の通り恋、愛、裏切り、使者と生者が織りなす夢と現の物語だなと思いました!

  • 三遊亭円朝の『牡丹燈籠』の現代語訳版。元々15回に渡る落語を速記で記録したものだとか。表紙の絵が美しい。複数の物語が並行的に流れる。あとで人間関係を図解しようと思う。感極まるのは、第十三話で平左衛門が孝助に自分が仇であることを名乗り、「父と呼んではくれぬか」までの一節。

    <目次>
    第一話 飯島平太郎の黒川孝蔵殺し
    第二話 萩原新三郎とお露の出会い
    第三話 孝助登場
    第四話 新三郎、お露に会う
    第五話 お国と源次郎
    第六話 新三郎とお露の再会
    第七話 孝助の縁組
    第八話 白翁堂勇斎の見立て
    第九話 孝助の災難
    第十話 伴蔵とおみね
    第十一話 孝助の覚悟
    第十二話 伴蔵とおみねの悪だくみ
    第十三話 平左衛門の真意
    第十四話 新三郎の運命
    第十五話 孝助の旅支度
    第十六話 伴蔵とおみねの逃亡
    第十七話 伴蔵とおみねのいきついた先
    第十八話 孝助の足取り
    第十九話 孝助、再会をはたす
    第二十話 おりえの話
    最後に
    あとがき

  • この人の文章は生き生きしていて、目に浮かぶなぁ、と感心。
    孝助よかったね。

  • 酔っぱらいの浪人黒川孝藏に言いがかりをつけられた飯島平太郎は、謝ったが埒があかず、ついにキレて孝藏を切り捨てた。

    その後、家督を継いで平左衛門と改名した平太郎の屋敷につとめ始めた若者がいた。
    若者は、黒川孝藏の息子で孝助といい、父親の仇をとるために剣術を身につけたいと言った。
    平左衛門は孝助の素性を分かった上で、剣術の指導を約束した。

    平左衛門の一人娘のお露は、萩原新三郎と言う男と恋に落ちたが、二人が会えないでいる間に病で死んでしまった。
    ショックで生きる気力を無くした新三郎の前に、迎え盆の夜、お露が現れた。
    喜ぶ新三郎だったが、長屋の伴蔵がぬすみ見たお露の姿は、人のものではなかった。

    お露の本当の姿を知った新三郎は、死霊を近づけさせないための方策をとるが、欲を出した伴蔵に裏切られ、死霊にとりつかれて死んでしまう。

    平左衛門の後妻お国と愛人源治郎の企み、孝助の忠義と仇討、伴蔵とおみね夫婦の悪だくみなどが入り乱れた後、一気に収束していく様は爽快。

  • 予備知識なしでしたが,幽霊話に仇討,恋愛,人情などが盛り込まれており楽しめた。
    ストーリーの巧みさに加え,文章,量,文字も読みやすく配慮され,挿絵も流行に左右されにくいタイプだと思う。
    仇討と一目ぼれのお話が同時進行するので,読みにくく感じる人はいるかも。

  • 下駄をカランコロンと鳴らして侍を訪ねてくる美しい幽霊の女、そんな程度にしか知らなかった牡丹灯籠、入門のつもりで読んでみました。
    これを高座で聞いたら、怖いだろうなあ。
    でも、登場人物が複雑に絡み合っていて、あらすじを知ってないと、誰が誰だかわからなくなりそう。

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著者プロフィール

1954年生まれ。翻訳家、法政大学社会学部教授。フィクション、ノンフィクション、児童書など、多ジャンルにわたって翻訳を手がけ、特に海外のYA(ヤングアダルト)作品を精力的に翻訳し、日本に紹介。訳書は550点以上。主な訳書に『武器よさらば』(ヘミングウェイ)、『青空のむこう』(シアラー)、『月と六ペンス』(モーム)、『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』(サリンジャー)、『リズムがみえる』(アイガス)など。エッセイ集に『サリンジャーに、マティーニを教わった』『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』など。日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』『怪談牡丹灯籠』など。ブックガイドに、『10代のためのYAブックガイド150!』、『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』、『翻訳者による海外文学ブックガイドBOOKMARK』など。

「2020年 『ゴーストダンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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