宇宙飛行士になった子どもたち どんな家庭でどう育てられたか?

著者 :
  • 岩崎書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265801909

感想・レビュー・書評

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  •  日本人で宇宙飛行士になった4名の方を取り上げ,彼ら彼女らの幼少期に,家族からどんな教育を受けてきたのかを,本人や家族のインタビューで明らかにしょうとした本。一つ一つのエピソードは面白い。
     ま,このタイプの本は,最初から結論が見えているような所もあり,予想どおり,幼少期からの好奇心を大切にした話だの,自分で決めた進路には責任を持たせただの…の話題でいっぱいだった。
     取り上げられているほとんどの方が,松本零士さんの「銀貨鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」などを見て育ったらしい。わたしもその世代だが,宇宙飛行士になりたいとは思わなかった。ま,そんなことはどうでもいいことだが…。
     松本零士さんは,本書に出てくる4名と自分には共通点が多いと言ってたそうです。

    「この人たちは子ども時代,たくさんの触媒を受け取っています。その触媒が未来への道しるべになって,その子の将来を決定づけていると思います。触媒は多ければ多いほどいい。大人はどんどん与えてあげたほしいですね。」(p.9)

     これには大賛成。触媒がない生活よりも触媒のある生活を。自然遊び,本,テレビなどの刺激は,その子の将来を形作っていくことになるでしょう。でも,これってやっぱり当たり前の話か。

     山崎直子さんが,座右の銘にしている高村光太郎さんの詩。これ,なかなかいいのです。

    「自分が変えられることは変える勇気をください。
    また自分では変えられないことを受け入れるだけの平静さをください。
    そしてその違いがわかるだけの知恵をください」(p.105)

  • 冒頭の松本零士さんの言う「触媒」と言う部分に共感。子どもにいろんな刺激を与えてやれるのは親だけど、それはきっかけでしかなく、あまたの選択肢の中から何を選び取っていくかは子ども次第。
    自覚的に進むべき道を選んでいくことと、目標に向かって自分を律し集中することは親には手伝ってやれない。
    子育ての参考になればと思って読んだ本だけど、親にできるのは環境を整えてあげることと見守ることだけだなぁと感じた。

  • 文章が好き
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい
    その他

    宇宙飛行士になった子どもたちがどのような幼少期を過ごしたか。

    冒頭の一文。
    『その鍵を握るのはやはり、母親の存在のようです。』

    偉人伝を読むたびに、広い心を持つ母の存在が取り上げられていますが、
    本書でも母親の存在が大事、と書かれています。

    ということは息子の将来は、母である私にかかっている、ということだな。

    ごめん。

    今から謝っておく。


    ともあれ
    塾に通ったりとかするより、いろいろなことに興味をもって、気になるところはとことん追求し、カラダづくりもきちんとする、
    ってことがやはり大事、なんですな。

  • 子どもを育てる中で、昨今ブームの「早期教育」に疑問を持っていた。
    そんな中で「知性・協調性・非認知能力・健康面等全てにおいて均等に優秀なのは宇宙飛行士だ。どんな環境で育ったのか、果たして優秀な彼らは早期教育や詰め込み教育に関わってきたのかが知りたい」と思い、手に取った1冊。

    読む前から「早期教育とは正反対の環境で育ったであろう」とは予想していたが、正にその通りであった。

    好奇心を尊重すること。
    本人の意思、主体性を重んじること。
    子どもを信じること。
    大らかで、楽観的であること。
    謙虚で、質素であること。
    親自身も人生を楽しむこと。

    これらのような、育児以前に"人として"大切な価値観を重んじていた家庭で、皆育っていた。

    もちろん、宇宙飛行士になるには生まれ持った素質や本人の性格が何よりの影響力を持つ。
    この本に登場する4人の宇宙飛行士も皆、幼い頃から穏やかで、楽天的で、好奇心旺盛で、知能の高い方々だった。

    このような本は、子育て当事者はあまり熱心に読みすぎるとむしろプレッシャーを受けかねない。
    「一番は生まれ持った本人の気質」だということを念頭に置いた上で、内容を参考にしながら楽しく子育てをしていきたい。

  • 2015.12 市立図書館

  • 状態:貸出可
    ※利用対象者:本学の教職員と学生に限ります。

  • 子どもを伸ばす環境作り
    こどもに自分で考える機会を与え、物事の結果も自分で引き受けさせる。
    読書に親しんでいた。子どもの生活空間に、本を意識して置いていた。
    図鑑・辞書・名作童話・まんがなど。
    子どもはみんな、何かに興味・関心をもっているもの。その創造性をつぶさずに接し、子ども自身に頭と体を使わせながら育てていけば、脳りょっくを大きく伸ばしていく。

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著者プロフィール

1951年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、 鎌倉書房『マダム』、日経ホーム(現・日経BP社)『日 経ウーマン』編集部を経てフリーランスライターになる。85年に長女を、 87年に次女を出産。働く女性や子育て のほか、広く教育に関わるテーマで取材・執筆活動を行 う。著書に『人生なかばのギアチェンジ』(オレンジペー ジ)、『お子様おけいこごと事情』(岩崎書店)、『与謝野 晶子 温泉と歌の旅』(小学館)、『今からはじめる! 就 職へのレッスン』(ぺりかん社)など多数。

「2020年 『卒婚 これからの結婚のカタチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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