- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784265860074
作品紹介・あらすじ
セオの大好きな先生が突然解雇された。同じころ、道路建設工事をめぐり、街は反対派と賛成派が対立。一体なぜ?政治の裏側にあるものとは?真実を求め、セオたちが挑む!
感想・レビュー・書評
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本当にどんどん面白くなるこのシリーズ!!!!
少年弁護士セオは、ディベートにボーイスカウトに大忙しで今作も最高に可愛いです。
四作目にして「公共事業のためにひとの土地を国や州が買い取ることの是非」という難しいところに突っ込む。訳者後書きにあったけど、あえて子供達に「市民の権利」を知ってもらうための一冊だったのでは?と。
政治と戦おうとするセオに、両親の気持ちでハラハラしてしまった。だめだよ、大人の汚いところに突っ込んだら、、、、。
小さい事件も出来事もたくさん起きるんだけど、それを終盤、キレイに伏線回収してくれるのが気持ちいいんです。セオの最後の演説には痺れた〜。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
続編を期待しながら待っている間に、あっという間に5年もたってしまい、いつの間にか6巻まで出版されていた。あわわ。
まだ学期の途中だというのに、セオの学校の非常勤の先生たちが突然首になった。
市の財政難のためだという。
予告もなく突然解雇って、アメリカではありなの?
日本なら労働基準法違反になると思うのだけど。
それなのに、たいして必要もないバイパス工事のため、市は多数の家や土地を買い上げるという。
バイパス工事は必要なのか、不要なのか。
「それは政治の問題だ」と大人たちは言う。
しかし、セオの友だちのおじいちゃんの家も取り上げられようとしているとき、工事の下請け業者とセオ達は小競り合いの末、セオの愛犬ジャッジが大けがを負わされる。
セオはこの強引なバイパス建設計画に胡散臭いものを感じ、反対運動に参加していく。
セオ達クラスメートは、ディベートクラブで培った論理を駆使した動画を、フェイスブックやユーチューブで拡散する。
この辺が本当にアメリカの現代っ子。
バイパス反対派の子どもたちが大勢押しかけた中での公聴会と、その後に行われる郡の委員の投票。
大人の姑息さも見せつつ、基本的にはすべてがオープンに行われる一連の流れは、子どもたちに、自分の暮らす社会について考える機会をもたらす。
賛成派の立場で考える。
反対派の立場で考える。
けっして一つの考え方を押し付けるのではなく、多様の考え方を認め尊重する社会でありたいという、それは作者の願いなのだろう。
増えすぎた移民に怯えるアメリカ国民が、移民の子どもを公立大学に入学させることを禁じるべきという主張が声高になってきていることに反対の立場でディベートするセオの論述の締めは
”アメリカは、だれもがチャンスを得られる国です。ぼくたちの先祖だって、時期にこそちがいはあっても、みんな、移民としてこの国にやってきました。アメリカは移民の国なのです!”
これが書かれたときの大統領はまだオバマだったはず。
アメリカは自由と平等の国と言いながら、ずっと差別を抱えた国なんだなあ。 -
グリシャム著の少年弁護士セオシリーズ。 今回は、社会運動に参加するセオ。 セオたちがバイパス建設反対に立ち上がる。 日頃触れることのない法律を、グリシャムがわかりやすく説明してくれる文を読むだけでも儲けもの。 生意気なセオだが、独り言のように自分をいさめたり励ましたりしながら、様々なことに向かっていく。 「まちがっていない」は「正しい」にはならない。 何が正義なのか。何が正しい道なのか。 同じ年頃の子どもたちは、セオのことをどのように感じるかなあ。
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少年弁護士セオシリーズ第4弾。
児童書とはいえ内容的にも、扱う材料も大人の小説に負けずとも劣らない。今回はバイパス工事反対の側に着き理論的に周りの大人をも納得させてしまう。汚職問題のネタを手に入れておきながらもそれはフェアではないと自らを律するセオ。そこいら辺の大人よりずっと大人。いえ、13歳だからこその純粋さなのでしょうか。
最終場面のディベート。もう、くらくらしてしまいます。なんて素敵な少年弁護士なのでしょう…
まだまだ続きそうなシリーズ、また楽しみです。 -
勧善懲悪。判断が難しいところもあるけどね。