- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267023750
感想・レビュー・書評
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大好きな山本甲士さんの小説。
やはり、読みやすくて前向きな気持ちにさせてくれる作品。
こんな民宿あったら泊まってみたい、料理が美味しそう!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みんなが幸せな平和な本
劇的な何かが起きるわけではないが
小さな幸せが積み重なってよい方向へ向かっていく。
現実ではここまでトントン拍子にはいかないかもしれないが、こういう牧歌的なお話もよい。 -
東京で釣のライターとして生活をしていたアラフォーの主人公は、ライターとして生計が立たなくなったことから、釣りを仕事にすることをやめ、佐賀の実家である民宿ひなた屋を継ごうと思い、帰省。ところが、そのひなた屋は厳しい状態。佐賀で就活をしてもなかなかうまくいかないところに、東京に残した主人公の交際相手がギックリ腰で入院。交際相手には不登校の女子中学生がおり、しばらく預かることに。なぜか、この2人が危なかった民宿ひなた屋を立て直すことになるというお話。
この作品の良さは、つまずきはしたものの、再生しようと頑張る人に甘いというのがよく、こんなにトントン拍子で良くなるわけ無いやろ?という現実はおいておいて、頑張ってる姿、好きなことをやっている楽しさが伝わってくるところが良いです。
自分の好きなことをやって仕事をするっていうのは理想ですが、物凄く大変です。
夢に敗れて生活をするために好きなことではないことをするというのも普通ですが、本作品のように、一生懸命打ち込んだことはどこかで生きて来るということもあるので、無駄にはならないということや、少しつまずいても前向きにさえどこかでなればやりたいことも見つかって明るい道が切り開けるかもしれない。
そして、頑張っている人にはいろいろと助けてくれる人もいる。
うまくいっているときは決して自分の力だけでうまくいっているものでもないということも改めて思いました。
現実は本作品のように甘くはなく現実は厳しいといえばそれまでかもしれませんが、こんな世界があっても良いじゃない?頑張ってるんだからと思えるそんな作品だと思いました。
そして、アイデアは私のもしかするとあなたの足元に落ちているのかもしれませんね。
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経営難の実家の民宿ひなた屋に帰った古場。
最初は、色々甘く考えてる感じが不安だったんだけど、少しずつ変わっていく様子がよかった。
最初に就職試験を受ける時のあれは、ちょっとだめだよーって思いながら見てたら、ああなったし。
色々気にかけてくれる大串のことも甘く見てない?って思えたし。
でも、そこで再会した市川への見方も変わっていくし・
何より、希美との関係がよかった。
最初は、お互い距離感を探り合いながらの感じが、釣りをきっかけにだんだん縮まっていく。
舞台であるなべしま市も、自然にあふれた素晴らしいところ。
元の職場の編集長の件は、何か落とし穴が?とドキドキしたけど、考えすぎだったみたいだし。
あらゆることがうまく進み過ぎてできすぎなぐらいだけど、それが気持ちよくて元気が出る作品だった。 -
あらすじだけを読むとそんな都合よくいくかと穿った見方をしてしまいそうだけれど最初から最後まで読み通すと小さな変化が繋がって出来上がった現実的な奇跡なのだと分かる。
生きてきた環境、人生経験、築いてきた人間関係が豊かであればあるほど道は拓かれやすく、人生とは積み重ねであるという当たり前のことを再確認させてくれる物語だった。
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主人公のやる事が何もかも上手く行き過ぎるし、また、近くの川や池で、自分で釣ったり獲ったりした生き物を、宿のお客さんに料理して出し続けるってあり得ないと思う。読み進めていくにしたがって、どんどんしらけていってしまった。
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作者お得意の「釣り」をモチーフにしたハートウォーミングストーリー。そして、粘児、希実、民宿ひなた屋が光を取り戻す再生物語でもある。
◇
主人公は古場粘児というアラフォー男。釣りライターとして東京で食べていけなくなったため、実家の民宿を手伝うつもりで佐賀へ帰ってきたのだが……。
* * * * *
「芸は身を助く」とはまさしくこの男に当てはまります。
主人公の粘児には取り柄と呼べるものが3つあります。
1つ目は言わずと知れた「釣り」。
執筆記事を掲載していた雑誌の廃刊で失業状態になったとはいえ、紛れもないプロの釣り師です。知識・技術とも申し分ありません。
2つ目は「料理」。
調理師の資格を持ち、釣りの仕事にも活かしていたのだから、腕前は錆びついてはいないでしょう。
そして3つ目は、「持ってる」こと。
困窮したかに見えても、不思議と道は開けていきます。これは大きい。
これだけでも十分なのに、希実という婚約者の娘が粘児以上に「持ってる」ときています。2人がタッグを組めば上手く行かないはずはありません。
眼の前の課題に正面から向き合い、自分にできることを精一杯積み上げる。そうすれば少しずつ運は開けていくものです。
江戸の仇を長崎ならぬ佐賀で。
粘児の再生は周囲を巻き込んで町の再生へと繋がりました。
年末に読むのにふさわしい作品だと思いました。いい年を迎えられそうです。感謝! -
実家の民宿を継がないと、東京へ出て釣りライターになった粘児。
しかし、釣り雑誌も厳しいらしく次々に廃刊となっていった。
それで仕事がなくなり、実家へ帰省。
結婚したいバツイチ子持ちの彼女がおり、仕事を探さなくてはいけないこともあったので民宿を継ごうと考えていた。
だが、民宿経営も厳しく、両親は自分たちの代で民宿を畳む予定でいた。
そこへ、父親の体調不良、彼女も腰を痛めたため、娘の面倒を見ることになり、粘児の実家へやってくることに。
いろんなことが重なって、粘児は民宿を手伝いながら様々な案を打ち出して、新メニュー等を増やしていく。
それが評判になり、民宿も持ち直して行く。
彼女の娘を、預かったことも功を奏してした。
何かかダメでも諦めない、人との繋がりも大切。
自分もまだ頑張れるかも!!と力をもらえる作品。
2022.11.27 -
上手くいかない事が重なっていた人達が経験を活かしたり知恵をしぼったりして、成功していく様は読んでいて気持ちが良い(^o^)♪でも、あと少し先が知りたい!(゚∀゚*)って所で、急に終わった(・_・)キョトン