- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784267023910
作品紹介・あらすじ
のんびりした老後を夢見る59 歳の主婦・悦子。
ところが、定年間近の夫とのビミョーな関係、就職しない息子、
シングルマザーとして生きようとする娘、
さらに、80代の母は恋…!? と次々に想定外の出来事が。
平凡な家庭に巻き起こる波乱の日々は、深刻なのに、なぜか笑えて、心にしみる。
スッキリ痛快な家族小説!
「ニヤニヤ笑いがとまらない。まるでテレビのホームドラマを見ているような気分だ」
――解説は池上冬樹氏(文芸評論家)
感想・レビュー・書評
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あとがきで「心温まる家族小説」と紹介されているが、まさにそうで、喜劇を見ているようで楽しく読み進められた。家族といっても、性格も考え方もばらばらの個人の集まりであり、お互いを気遣ったり心配したりくよくよ悩んだりと忙しいが、結局人生思いもよらぬ方向に進むのだからどんと構えているのが良い、という話で前向きな気持ちにさせられた。こうした日常生活に根ざした話がやはり好きだなぁと改めて実感した。
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家族のドタバタ劇が期待以上に面白かった。
母は子供や自分の祖母や弟の、祖母は娘や孫の。孫は夫や婚家や実家の。
みんな誰かの家族を巻き込み巻き込まれ、家族って本当に濃くて面倒だなーと思うが、その顔がニヤニヤしてしまう。
娘は母とやり合って、母を一度ボロ雑巾のようにするものだというくだりと、
男って必要なことも家族に話さないというくだりに深く同意。
自分の家族を顧みて、私も我が家のドタバタの主役の1人じゃん!と気づく。ドタバタを初めて前向きに捉えられた気がする。
年末年始恒例の、義理実家・我が家が、義理姉一家に振り回される件がなんだか楽しみになってきた?! -
悦子さんだけでなく、登場人物全てがホームドラマのようなくせがあるが実は良い人ばかり。
おかげで楽しく読めました。
自分の家族も他から見たらこんな感じかもと思うと少し気が楽になる。
自己肯定には良い本。
初出は少し前だが、今でも十分楽しめます。 -
気楽に、しかもあっという間に読めた。
タイトルの主婦悦子さんが主役だけれど悦子さんの母、妙さん(80歳)の視点でも話が進むのでダブル主役?みたいな感じ。私の年齢的には悦子さんに近いけど共感したのは妙さんの物事の捉え方。彼氏に急に抱き締められても慌てつつも冷静な考え方。その妙さんの彼氏、秀二さんの助言「他者の課題を背負ってはならない、事態を混乱させるだけだから」も深く首肯。波乱の家族模様もひとまず明るい未来へ展開するが悦子さんのバリキャリ友達が抱えている事情のカミングアウトをラストに持っていくこととその設定が古いと思った。
そもそも悦子さん、働く59歳かと思って手にした私でした。。。 -
ドタバタ劇。
この本を読んで思ったことは、
人の気持ちは本人にしかわからないなということ。
発した言葉でわかることもあるけれど、
すべてを話すとは限らないし、
相手によって伝えることも変わるということ。
わかってはいたけれど、
現実世界でどこまでそれを意識できているだろう。
言葉は大切だけれど、
言葉にのみ頼るのは危ういかもしれない。
そんなことを考えた一冊だった。 -
「面白かった!」というのが素直な最初の感想。初めての作家さんだったし、失礼な言い方をすれば「あまり期待していなかった」だけに余計に楽しめたように思う(変な期待を抱いてガッカリということがないので)。まあ、ツッコむとすればタイトルと違うよね!っていう。タイトルからは「悦子さん」に何かあったのかと読み取れるけれど、どちらかと言えば母、弟、夫、娘、息子と周りの人に様々な出来事が起きて、「悦子さんが予期できないような日々」が展開されている・・・むしろ、悦子さんは蚊帳の外っていう(笑)まあ、ある意味それも予期せぬ日々なのか・・・。楽しく読み終えたのをなんやかと説明されたくなかったので解説までは読みませんでした(すみません)。
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久しぶりに、読みごたえある小説でした。80才の妙さんの言葉
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久しぶりの面白いなーと思える一冊。
もう少し若いとまた違ったかもしれないけど、悦子さんに近い年代にはわかるわかるって部分も多かった。
まぁなかなかこんなドタバタが一度に来るような家は無いだろうけど。
先が見えず雲の中にいるような時も、どこから新しい風が吹いて雲を吹き飛ばしてくれるか、雲から出たら思いもしない所だったりとか、人生ってまだまだわからないもんだなーと思いました。
ちょっと疲れた時に読むとふふって気分になりそう。 -
よみやすかった〜