子どもの絵をダメにしていませんか

著者 :
  • 大月書店
3.22
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本棚登録 : 104
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272411566

感想・レビュー・書評

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  • 子どもが絵を描くことは、世界を、物事を認識すること。大人の言葉かけによっては、そうやって子どもが、自分の力で世界を認識していく過程を邪魔してしまう。世界の物事を認識する力を損なってしまう。ということかな、と。その考え方がおもしろいなと思った。

    語り口にクセがあるのと、けっこう強い言葉も使われているうえに、断定口調なので、読むのがしんどい人もいるかもいるかもなぁと思う。あと、家庭での母親の役割にばかり言及されていて、父親の影が薄いのが、時代なのかなという印象…
    子どもの描く絵が年齢で分けられているけど、発達は個人差があるやろな、とか、子どもの絵を強制された絵だと評する根拠は著者の経験値なのかなとか(きっとたくさんの子どもの絵を見てきていると思うので…)、その経験のない私には、評を読んでもよくわからないところもあるなぁとか、気になるところもありつつ、参考になるところもたくさんあった。
    子どもの絵は、見るものでなく、聞くもの。
    (でも、何を描いているか聞かなくても/わからなくても、ただ見て良いなと思ったりもする)
    自分の子どもの絵がこの先どう変化していくのかも楽しみ。
    実際の子どもたちの絵がたくさん載っていて、見ていて楽しかった。

  • 年齢に応じた自然な絵の形を知ることができて興味深かった。

    塗り絵は7歳以降、幼児期は単色で充分、可哀想な絵などとなかなか刺激的な記述もあったものの、絵を描くという本質や発達の手順が理解できたのはよかった。

    これを手に取ったきっかけは、娘の絵への不満だった。お友達が「ちゃんと意味のある絵」を描いている中、同じような色でぐるぐる丸ばかり書いている娘に「紙の無駄」とまで言ってしまった。

    顔を描いている娘に「耳は?足は?」などと言ったり、「三角や四角を書いてごらん」と言ったりしてそれが知育だと思っていた。

    でもこの本を読んで、娘は健やかに絵を描いていただけだと気付いた。どんどん前に進む(ように見える)ことだけが重要ではないんだと気付かされた。今この本に出会って、自分の方が間違っていたのだと気づくことができてよかった。

    この本が100%正しいと鵜呑みにするのは危険だが、こういう研究結果もあるというスタンスで自分の見地を拡げられたらと思う。

  • 親の立場で手に取った本。
    保育園のお友達の絵に比べて拙い息子の絵を心配して、家で絵を描かせようとしたり、「形を教え」ようとしたり、いろいろ詰め込もうとしたものの、一向に変わらない息子にいらだちすらしたころ、ネットでこの本の存在を知った。
    目からウロコの内容。
    うちの息子は全く健康だったのだ。
    間違っていたのは母親である私の方だった。それをはっきりと教えてくれた本。

    この本を読むことで、「いい絵・自由な絵」と「描かされている絵・不自由な絵」を見分けられるようになった。

    「絵を見て性格診断をするな」「そんなものは心の病気になったときに、病院で専門家にでも任せておけ」という旨のことが書かれているが、その「専門家」の視点でも、たくさん勉強になることがあった。成人の絵でも、子どもの絵でも、共通する心の動きがある。「本来」のものと「何らかの力が加わり不自由になったもの」との違いが、たくさんの事例から自ずと見える構成になっていて収穫だった。

    親の立場の話に戻るが、もし、既に子どもの絵を親である自分がダメにしてきたと気づいたときには、今後どうすればいいか、その処方箋が年齢別にきちんと明示されているのもよい。

    私事だが、この本を読んだあと、私は息子に謝った。今まで無理やり絵を描かせたこと、息子の絵を笑ったこと、時にはいらっとして怒ったりしたことも。全部間違っていたって、この本を読んで分かったんだよ、と。すると息子は、やっとわかってくれた、とばかりに涙を流した。「謝ってくれて嬉しかった」と。これまでどれほど傷つけてきたかと後悔し、私も思わず泣いてしまった。
    今では息子はこの本を書斎で見つけると、大事そうに抱えて私のところへ持ってくる。「○○くんが嬉しかった本」と。

  • こどもが1才になるまでに出会っていたかった本です。3才からでも遅くない!子どもに接する全ての親と保育士必読の書だと思います。形や色を教えること、大人がこどもに絵を描いてやること、ぬりえ、早期に文字を教えることの害・・・。思い当たることばかりです。汚すこと、土と水で遊ぶことの大切さ。Q&Aで分かりやすく説明されています。

  • 大人の口出しで子ども本来の持つ力を潰してしまわないように…
    これは絵だけでなく、勉強など他のことにも通じると思いました。
    子ども自身が育つのを大人は見守るだけで良いのだなぁ。

  • 子供に絵を教えてはいけない。ということが書かれていますが、全く家で絵を描かない子にはどうすればいいのかわからない。

    子供に早く文字を教えられた子についての記述は、驚いた。気をつけたい。

  • 身につまされる思いです。
    何事にも、子どもの世界に親が口出しして良いことなどないと再確認しました。、

  • 宮崎※百合先生 おすすめ
    (※さき=山篇に「立」+「可」)
    37【専門】376.1-T

    ★ブックリストのコメント
    子どもの自然な発達の流れに沿った描画表現を示したうえで、「大人に教え込まれた」無理のある描画表現がどのように子どもの心に影響するのかを豊富な図で示しています。

  • 年齢別に子どもの絵の発展について解説してある本。自由にのびのびと描かせることの重要性が示されている。別の幼児造形美術の本も読んでいたから違和感はなかったが、子どもの絵を「残念な絵」と表現してしまうのは、少し気になった。
    「子どもらしい良い絵」の見極めができるようになったのは良かった。親がお手本を書いたり、ぬり絵をさせたり、絵描き歌をさせるのは当分控えようと思う。

    -------------------------
    3歳代の特徴
    ・最初から意味付けをして描きます
    ・人間としての"表現"の絵への変わり目です

    お絵描きする時のポイント
    ・まだまだ形を教えてはいけません。顔や車や人間を描かせないように。
    ・たくさんの丸や線で描いた絵の中身を聞いてあげましょう。

  • 共感できません。

    杏林図書館

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