生きてさえいれば (文芸社文庫NEO)

著者 :
  • 文芸社
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本棚登録 : 4142
感想 : 212
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784286202006

感想・レビュー・書評

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  • 生きていればカードを
    引き続けられる。

    たまたま悪いカードが
    続いても、

    その直後に、とびきり
    良いカードを引くこと
    だってある。

    生きてさえいれば良く
    も悪くも続きがある。

  • 秋葉と春桜の恋の綱引きが序盤から延々と続きます。モデルで容姿比類なき春桜のキャラクターにこれはないなぁとリアリティーが感じられませんでした。秋葉の草食ぶりにも。作品の半分を越えるまでは感情移入できなくて挫折しそうになりました。
    ところが後半、怒涛の展開に思わず一気読み。そしてそれぞれが解決しない人生の問題を抱えつつ明るい未来を予想させる比喩はよかったです。
    生きてさえいれば、困難に合うこともあるけれど、幸せだってつかむことができる。いい出会いが待っている。そんなメッセージのこもった作品でした。命と言う重いテーマは小坂さん自身の体験だから真実味と有無を言わせぬ迫力がありました。そして、明るさをもって紡ぎだされる物語は小坂さんならではでした。

  • 小坂さんのメッセージが熱く刺さる作品
    「生きる」ということのメッセージが刺さります。

    フォロワーさんからのお勧めで、「余命10年」の余韻残る中、さっそく読むことが出来ました。

    「生きていなくちゃ、悲しみや絶望は克服できないのよ」
    「生きて時間を前に進めないことには、感動や喜びや恋に出会えないからね」
    生きていれば、人から感謝されることがある。
    生きていれば、お腹もすく。
    生きていれば、新しい友達ができる。
    生きていれば。
    恋だって始められる。
    生きていれば。
    ”ほんとうの幸”を見つける旅が続けられる。

    作者自身の想いが伝わります。


    最初の語り手は、小学生の千景。
    いじめられて、自殺を考えていた千景は、入院中の叔母のハルを見舞います。そこで、ハルが出せずにいた手紙を見つけ、一人、その手紙の相手の秋葉を訪ねて大阪へ。

    そして、語り手は秋葉に。
    大学時代の秋葉とハル(春桜)の青春の日々が語られていきます。
    学生たちのアイドル的な存在の春桜。
    そんな春桜に一方的に好かれていた秋葉。
    周りのやっかみ。そして、二人は...
    で、突然の別れ(恋愛小説のいつものパターンですが)

    そして、再び、今が語れれます。

    生きていれば...

    心地よい余韻が残りました。
    お勧め!

    • マメムさん
      初コメです。
      読了お疲れ様でしたm(_ _)m
      春夏秋冬の良さを感じられるのも、生きてさえいれば、ですね♪
      初コメです。
      読了お疲れ様でしたm(_ _)m
      春夏秋冬の良さを感じられるのも、生きてさえいれば、ですね♪
      2023/04/23
    • masatoさん
      ご紹介ありがとうございました!
      「生きてさえいれば」
      筆者の思いが伝わってきます
      ご紹介ありがとうございました!
      「生きてさえいれば」
      筆者の思いが伝わってきます
      2023/04/27
    • マメムさん
      masatoさん、お返事ありがとうございます♪
      いえいえ、良い読書ライフにお役立て出来て嬉しいです♪
      masatoさん、お返事ありがとうございます♪
      いえいえ、良い読書ライフにお役立て出来て嬉しいです♪
      2023/04/27
  • 4.9
    読んでいる途中でこの作者が気になり調べたところ、そこで初めて作者が亡くなった後に見つかった原稿を元に、発刊された物だと言うことを知りました。

    命に対する重み、みたいなもの、迫力、大切さ壮絶さを漠然と文中から感じでいたので気になり作者を調べたわけですが、
    難病で闘病されていたとのこと、この作品がいつどの様な状況で書かれたものかは分かりませんが、作者が闘病中に書いたものだとすれば、そこから醸し出されるものが内容に影響を与えてる気がします、

    とても暖かく、とても切ないお話ですが、とても良かったです。この続きは永遠に読めないと思うと残念でなりません。

    作者のもう一つの作品、余命10年も読んでみたいと思います。

  • 余命10年を読み、この本も読みました。生きていれば楽しいことも悲しいこともあるけれどいい人生にしていくということが大切だと分かりました。

    • マメムさん
      初コメです。
      春夏秋冬と生きるって良いですよね♪
      初コメです。
      春夏秋冬と生きるって良いですよね♪
      2023/11/02
  • とても、いい本に出逢いました。
    こんな感動は、久しぶり!

    人はね、どんなに悲しい事があっても、どれほど絶望しても、ひとつの感動や、ひとつの恋で生きられるの。


    読了後、もう一度読み返してみました。
    じわじわと、沁み渡る、言葉達…。

    ひとつ残念なのは、本の中にでてきた、銀河鉄道の夜を、私は、まだ読んでいない事。
    本棚に眠っています。次は是非読んでみたいとおもっています。
    余命10年も、勿論、読むつもりです
    こんな素敵な本に出逢えた事に感謝します。

  • 「生きてさえいれば」
    本当にタイトルその通りであると改めて思いました。

    闘病的な話なのかと思っていたけれど、恋愛に分類されそう?な感じの話でした。
    ライトノベルっぽい軽い切り口で読みやすかったです。
    語彙力の豊富さに圧巻。

    終わりはかなりあっさりしていて、綺麗に終わった感はありましたが、どこか物足りなさは感じました。
    そこまで感動はしなかったです。

  • 余命10年と対比するならば、小坂流加さんが望みたかった未来を描いた作品なのかな?と思ってしまうほど、心地良い読後感であった。

    子供の名前は慎重に考えたい。

  • 昨日余命10年を読んで、今日この作品を一気読みしました。
     「生きてなくちゃ悲しみや絶望は克服できない。生きて時間を前に進めなければ感動や喜びや恋にであえない」
     いい言葉だなぁ。私もいつまでも辛いトラウマにとらわれず、生きて結婚して娘たちがいて幸せに暮らしている事に感謝している。

  • 久しぶりにのめり込むように本を読みました。
    アマプラ会員の特典でダウンロードできる作品の中にあったので、なんとなく読み始めました。

    最初は春桜さんの、悪く言えば図々しいところに腹が立って、秋葉くんも迷惑だとかいいつつ結局好きなんやん!?とイラッとしてました笑。
    でも、ムカつくくらい好きって気持ちは確かにわからなくもない。と思いました。

    ある時いつも天使な春桜さんが秋葉くんに本音を話すところ(字体がちょっと変わってるところ)を読んだ瞬間から震えました。そっからは読むスピードがえげつなかったです。

    この作品は登場人物の心を深掘りしていて本当に面白かったです。
    冬月さんも、春桜さんの彼氏を奪ったりしてたけど、本当は春桜さんを不幸にしたいわけじゃなくて、「愛」を確かめてただけなんじゃないのかな。
    そうやって全力で悩んで奮闘してた冬月さんに物語の最後、最強の優しさが見えて感動しました。
    冬月さんだけじゃなくて、夏芽ちゃんも理央ちゃんもカーヤもきっと愛とかそういうものに悩んでいて、必死で答えを見つけようとしている姿になんだか人間味を感じて面白かったです。
    そしてそれに巻き込まれるのが秋葉くんで、一番悲しい思いをしているのはこの人だっていう千景くんの言葉が刺さります。私も大切な人を傷つけていたのだと気が付きました。

    彼女らに対して、リィさんとジンくんは愛とは何かみたいなところに悩んでない分、他者(主に春桜さんと秋葉くん)への思いやりがあるなと思った。
    私もそんなふうになりたい。
    でも愛が何かイマイチわからずに育ってしまった私は冬月みたいに必死で探さないといけないんだろうと思う。色んな人に迷惑かけるけど、きっとその先に最強の優しさや愛情を持つことができると信じて、周りの人に感謝しながら全力で生きていこうと思いました。

    今思えば、死にたいとよく思う自分だからこそ、生きる希望を探してこの本を選んだのかな、と思っています。
    最後の解説で作者様が亡くなられたことを知り、硬直してしまい今感想を書いているところです。
    こんな悲しいことがあるんですか…。
    流加さんはもっと生きたかったよね。
    でも生死に真正面から向き合ったからこんな素晴らしい作品が書けたんですね。
    私は、ズルいけど、ありがたく流加さんのメッセージを受け取って、大切な人を大切にできるようにこれからも生きていこうと思いました。

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著者プロフィール

7月4日生まれ。静岡県出身。第3回講談社ティーンズ大賞で期待賞を受賞。著書はほかに『生きてさえいれば』(文芸社文庫NEO)がある。

「2022年 『余命10年 memorial edition』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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