- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784295406679
感想・レビュー・書評
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不動産会社のボルテックスの社長と大学教授が共著で書いた本。メインはボルテックスの社長が書いていたので東京の不動産に関しては今後も明るい見通しで書いていた。しかしながら、20年以上経過して人口の減少率も少しずつ高まっていく中でどの程度不動産価値が維持できるかも懐疑的に思った。また、今でも再開発が都内の複数箇所で進んでいるが、人手不足が進んで途上国のように工事がストップしてしまわないかも心配になった。
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東京の再開発は、今も進行中だ。マスコミがコロナ禍の影響で人が東京から地方へ移る時代がやってきたと話題にしていたが、実態は違っていた。
珍しいことを取り上げるのがメディアだからなあ。
著者は都内のオフィス街の大規模プロジェクトのタイムテーブルを一つの物差しに使い、東京のこれからについて分析・検証している。そこから、「東京の「未来予想図」はを描くことは可能と述べている。
「東京都の人口(推計)」をもとにして2019〜2021年の東京都の人口総数を取り上げている。それを見ると転出超過になっているが、減ったのは2021年になってからだった。
その上、東京圏で10万人弱の転入超過になっていた。地方と言っても東京から少し離れた「郊外」に人が移ったと言ったほうがいい。他の本や雑誌を読んだとき、いわゆる「意識高い系」の人たちが地方移住に積極的だったと書いていたなあ。
東京一極集中の原動力になっているのは地方から転入してくる20〜24歳の女性たちだ。「グローバル都市不動産研究所」が上京経験のある20〜29歳の男女を対象にした調査を行っている。
「東京都に上京した理由」は、東京に進学したい大学や専門学校があったから、東京で働きたかったから、異動や家族の都合で、やむを得ず上京したの順だ。
ここでは言及していないが、女性に対して求められる役割が昭和レトロのままチェンジしていないこともある。就職しても結婚したら会社を辞めて家庭に入る、子供は何人生んで育てるといった昔の家庭科の教科書に載っていた「標準家族」を手本にするかのようなライフスタイルを送るように、圧力をかけられる。
世界の都市総合力ランキングで、東京はどのような評価になっているのか。森記念財団都市戦略研究所が発信している2021年の都市総合ランキングでは様々な角度から調査している。
総合力だと、ロンドン、ニューヨークについで3位だ。
では、東京が香港に代わってアジアの国際金融センターになれるか。優秀な人材とワークプレイス確保が課題になっている。
文化・交流分野を見ると、東京の旅行者受け入れ環境はいいが、五つ星クラスのハイクラスホテルの客室が少なく、ナイトライフの充実度が低い。
何と言っても日本の代表都市、東京がキラキラしてもらわないと日本がアゲアゲどころかサゲサゲになってしまう。
一極集中だと、自然災害にあったとき困るという指摘はよくある。しかし、必要以上に恐れる必要はないと述べている。
2011年に起こった東日本大震災で震度5強の揺れはあったが、東京の建物とライフラインはほぼ無傷だった。
異常気象の影響でゲリラ豪雨などで災害が発生するが、居住地や勤務地のハザードマップをチェックする。
リスクを知るために積極的に情報をとり、いたずらに恐れ、思考停止しないことが重要と指摘している。
東京がキラキラしていないと、日本がアゲアゲどころかサゲサゲになるから、発展していってもらいたい。 -
1 2030年 東京 独自の進化を遂げる東京の都市空間
2 2030年 東京 東京一極集中の是非。地方との関係
多くの企業は東京から離れず
東京圏では10万人弱の転入超過
2020年・東京の人口は都心部と周縁部で増加
東京一極集中が日本経済を支える
リニア新幹線開通→人口4900万の巨大経済圏
3 2030年 東京 海外ライバル都市との競争
優秀な人材とワークプレイス確保が課題
ハイクラスホテルとナイトライフが課題
東京はアジアで最も住みやすい街
4 2030年 東京 世界一100年企業が多い都市・東京の理由
5 2030年 東京 地震、豪雨、感染症…。東京のリスクマネジメント
6 2030年 東京 未来の東京をつくる、新しい働き方・企業経営