ESG経営を強くする コーポレートガバナンスの実践

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296100033

作品紹介・あらすじ

2018年6月にコーポレートガバナンス・コードが改訂され、
企業はガバナンスの変革が求められています。
実はこの改訂コードには、日本企業における従来の経営を
大きく変える「地雷」がいくつも埋められている--。

企業では、経営者の暴走や不祥事リスクを抑え、
チャンスをつかむ積極果敢な経営を後押しするガバナンス体制の構築が欠かせません。
本書は、企業でガバナンスに携わる人の“バイブル”
「これならわかる コーポレートガバナンスの教科書」の筆者、松田千恵子氏の新著です。
改訂コードに完全対応。新たに盛り込まれた「原則」の意味や背景を紹介し、
日本企業が陥りがちな「落とし穴」や対応方法を解説しています。

経営者の選解任のルールづくりは? 次の経営者候補の育成は?
社外取締役の選び方は? 取締役会で議論すべき内容は?
ガバナンス事務局の効率的な運営方法は? など、
企業経営の最前線にいるガバナンス担当者の悩みは尽きません。
本書ではこうした課題について、具体的な実践方法を分かりやすく紹介します。

近年は、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が爆発的な広がりをみせており、
ガバナンスはその「要」として注目されています。
「環境や社会については詳しいけれどガバナンスって何?」という人でも大丈夫。
専門理論や法律談義は抜きしにして、コーポレートガバナンスの本質的な事柄について「腹落ち」できることを目指しています。

東芝の不正会計、三越の社長解任、ブルドックソースの敵対的買収、
TBSとアクティビストの攻防など、過去に起こったガバナンス事件を読み解くコラムを新設。
アップルの配当戦略、フェイスブックやグーグルの株主総会、
ブラックロックのESG投資の取り組みなど、海外企業の事例も充実させました。
最新のコーポレートガバナンスの理解と実践に役立つ「決定版」です。

感想・レビュー・書評

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  • あまりの面白さに止まらず一気に読了。これまでも松田先生の著作は示唆に富むものが多かったが、自分にとっては、この本が最もインパクトが強かった。
    コーポレートガバナンスの現在の潮流について、いつもながら読者に優しい表現でまとめ、難しい部分をあっさり脚注に流す気前の良さ。本文が参考になるのはもちろんだが、脚注が充実(特に1,2,4章)していて、本文読みながら、脚注頁を指で挟んで、両者を行き交うように楽しめた。ここまで脚注も真剣に読んだのは初めて。

  • 「難しいことは言わない」「綺麗ごとも言わない」「何かあればイチから説明する」ことにこだわったガバナンスのテキスト。軽妙でちょっと毒舌な語り口が楽しくてどんどん読めてしまう。天才なの? おまけに事務局の日程調整の苦労まで知ってるって…。

  • 会社のガバナンスに関わる事務局で業務をしている役割の方に向けた本である。
    筆者はコーポレートガバナンスの本質を、「株主が経営者を規律づけること」としている。また、各章にそれぞれコラムが掲載されており、実際に企業で起こった問題事例などを細かく説明しており、内容がより具体的に理解しやすくなっている。

  • 平易な言葉で語られており、気軽に読み進めることが出来た。ファイナンス偏重の読書になっていたが、ガバナンス関連の本も読んでいきたいと思った。色々と学びがあったが、特に学びがあった点は以下。
    ・多角化企業がその存在を認められるのは、一つには事業間でのシナジーが実現していること、二つ目にはそれら事業を束ねる本社が巷の投資家よりも投資家能力に優れていること(自分でPFを作ってしまうのは、株主がやっていることと同じことをしてる)。
    ・監査役は監督的機能を持ち、経営トップの不正を糾弾出来るが、取締役会に於ける議決権を有して無いので経営トップを解任する権利は無い。執行を行わずに取締役会において議決権を持つ人間がガバナンス上重要となるが、その役割を社外取締役が果たすことになる。(日本の取締役は執行役を兼ねており、経営トップの部下であり経営トップの取締まりを行う立場となることが実質難しい。)
    ・経営者人材を育てるには早い段階で経営の経験をさせること。
    ・不動産投資はREIT等が出現してから投資家が自分で投資出来る商品となり、現金・有価証券と並び投資家が毛嫌いする。三菱地所や三井不動産は街作りにPFを作り変えることでその潮流を乗り越えた。

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著者プロフィール

東京都立大学大学院 経営学研究科教授、東京都立大学 経済経営学部教授
株式会社日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業などを担当後、ムーディーズジャパン株式会社格付けアナリストを経て、株式会社コーポレイトディレクション及びブーズ・アンド・カンパニー(旧ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン)株式会社にてパートナーを務める。諮問委員会委員、公認会計士試験委員、公的機関の経営委員、上場企業数社の社外取締役などを務めている。
著書『グループ経営入門 第3版』(税務経理協会)、『これならわかるコーポレートガバナンスの教科書』(日経BP社)、『コーポレートファイナンス実務の教科書』(日本実業出版社)、『ESG経営を強くするコーポレートガバナンスの実践』(日経BP社)、『経営改革の教室』(中央経済社)など。
東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学専攻博士課程修了。博士(経営学)

「2021年 『図解入門ビジネス 最新 コーポレートファイナンスの基本と実践がよ~くわかる本[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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