なぜ、日本には碁盤目の土地が多いのか (日経プレミアシリーズ)

著者 :
  • 日経BP 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296116300

作品紹介・あらすじ

私たちが目にする日本の農地には、とりわけ方形(正方形や長方形などの四角形)のものが多い。市街地でも、多くの街路が碁盤目のように直角に交差しているのが普通だ。一つひとつの宅地や施設の敷地もまた、方形の土地区画である。狭小な国土をくまなく区画するのであれば、蜂の巣状や三角形など、ほかの形状もあり得るし、世界を見渡せば、さまざまな形状の土地区画が見られる。本書の目的は、日本はなぜ、このような碁盤目の区画を志向するのかを探ることである。

感想・レビュー・書評

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  • 古今東西の、農耕地区画、都市の方格・区画が紹介されており、カタログとして面白いが、本の表題である「なぜ碁盤目の土地が多い?」については、しごくあっさりしか説明していない。もちろんすべてのケースに共通する大原則がある、というわけでもないので、碁盤目であれば、これとあれの点でメリットがあると思われる・・という程度のお話でも仕方ないのかもしれないが。
    文中で、すごく久しぶりに浮田先生の名前を目にして、懐かしさを感じた。人文地理学かあ。

  • 第1章 さまざまな土地区画
     日本に多い碁盤目の土地区画 弥生・古墳時代の水田跡 不規則な形状の棚田 扇状地の水田  干拓地の水田 畑地開拓の土地区画 何が土地区画を規定するのか

    第2章 碁盤目区画の成立と展開
     古代都市の方格プラン 土地計画と土地表示法の変遷 条里プランの成立と班田収受  荘園に引き継がれた碁盤目区画 中世以後の方格地割 近世干拓新田の方格プラン  近世都市の方格街路

    第3章 旧世界の多様な土地計画
     古代中国の方格プラン 古代ローマの方格プラン 中世ヨーロッパの囲郭都市 中世ヨーロッパの長大な紐状の耕地 オランダ・ポルダーの碁盤目区画 イングランドのタウンシップ

    第4章 新世界の土地計画と碁盤目
     不整形な入植地から方形のタウンシップへ 方格タウンシップへの試行 米国のタウンシップ制度と村落  米国の都市と方角プラン セントローレンス川沿いの長大な土地区画  カナダのタウンシップ オーストラリア東部の方格プラン 西・南オーストラリアの方格プラン

    第5章 近現代日本の方格地割
     札幌と屯田兵村 北海道の殖民地区画 畦畔改良法と田区改正 耕地整理事業  圃場整備事業 都市の区画整理 田園都市構想と近隣住区論による土地区画

    第6章 なぜ碁盤目を志向するのか
     土地区画と景観の関係 農地の土地計画の変遷 農地の碁盤目区画が増えた理由 市街の土地計画の変遷  市街の碁盤目志向の背景 碁盤目区画の利点と問題点 地形条件と宅地の狭さの影響

    おわりに

  • 具体例が多い。ぶっちゃけ最後の数ページ読めばいいですし、予想通りの内容。

  • 自分もタイトルのようにいつも思っていたので、具体の解決はしなかったが思考の種が出来て面白かった。

  • 経済合理性につきます

  • 東2法経図・6F開架:B1/9/489/K

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著者プロフィール

金田章裕:砺波市立砺波散村地域研究所長、京都大学名誉教授。1946年生まれ。京都大学教授、人間文化研究機構長などを経て、2018年より現職。専門は人文地理学。オーストラリア地域研究や日本古代の地理学研究に従事し、多数の著書を刊行(参考文献参照)。近著に、古文書や絵図、地形などから古代の壮大な土地計画の実態を探究した『古代国家の土地計画:条里プランを読み解く』(吉川弘文館、2017年)がある。

「2019年 『BIOCITY ビオシティ 80号 日本の美しいむら再発見! 水系散居村の歴史と景観』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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