この保険、解約してもいいですか?

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296203468

作品紹介・あらすじ

その保険、あなたに本当に必要ですか?―― 入るべき生命保険は「たった1本」、老後に保険はいりません。保険に入りすぎている「五十嵐夫婦」の素朴な疑問に、保険商品の仕組みから業界の裏事情まで知る著者が、とことんやさしく答えていきます。【MC加藤浩次】さんの「保険」YouTube動画で話題沸騰の著者、待望の最新刊!経済評論家・山崎元氏 推薦「一回の相談で、一生分の納得 ― 保険の本質をシンプルに説く優しい声が聞こえてきます」◎こんな疑問や悩みに答えます。・「医療保険」は本当に必要?・がん家系なので「がん保険」が気になる。・「掛け捨て」の保険は、損なのでは?・「終身保険」の保険料が重く、家計を圧迫している・自営業者は「就業不能保険」に入るべき?・子どもが生まれたら「学資保険」に入るべき?・老後資金が心配。銀行預金より、保険のほうがお金は増えるのでは?・投資は怖い。保険のほうが安心なのでは?・今、保険を解約したら損してしまう。・販売員と付き合いがある。提案を断るいい方法を知りたい。・将来の国家財政が不安。民間の保険で備えるべきではないか? ……など。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は大手生命保険会社と乗り合い代理店で生命保険の営業職を15年経験、今は有料相談と著述業で生計を立てている。定番の相談とアドバイスをまとめた一冊。結論は、「期間限定で、世帯主の死亡保障を安く持てたらよい」だという。

    「保険で備える」のに向く3条件は、めったに起きない、自己資金で対応できない大金が必要、いつ起きるか分からない。保険をよく知るプロほど、保険に入っていない。給付金額が小さい保証は、自分で払えるので、保険を使わない、と考える。

    保険会社の取り分(粗利率)は40〜80%。そして、保険会社はごく一部の商品を除き、手数料を開示していない。医療保険や、積立年金、学資保険などは、払う保険金と受取る給付金、満期払戻金などが、見合うものなのか考えるのがよいらしい。

    厚生年金の遺族年金は、死亡保険のような役割も果たす。ここが、よく分かってないので、少し調べておきたい。

  • 第1章どうして「保険は入るほど損」なのか?
    ●生命保険は、すべて解約!
    保険は入らないほど良い。
    ●「おひとりさま」に生命保険は不要。
    必要ななのは、世帯主の死亡に備える保険一本だけ。それも期間限定でいい。
    ご結婚されていても、お子さんがいらっしゃなければ、生命保険はいらない。
    「入るべき一本」は、いわゆる「掛け捨て」の保険。
    ●どうして「掛け捨て」がいいのか?
    無事に過ごしている人たちからすると、保険料が「掛け捨て」になる。加入者全体で見ると「助け合い」。
    ●保険会社の取り分は40-80%くらい。
    払った保険料の半分近くが、保険会社の取り分になる。
    保険とは「お金をお金に換える」仕組み。
    ●「手数料がわからない金融商品」を買っていいのか?
    「不安をお金に変える大胆な課金システム」
    投資信託など、他の金融商品では、開示するのが普通。
    ●保険は「お金をお金に換える」仕組み。
    保険で本当に必要なのは保証であって、貯蓄や投資の仕組みではない。
    ●保険とは宝くじのようなもの。
    保険の基本構造は「宝くじ」と同じ。
    宝くじでは、ラッキーな人がお金をもらいますが、保険ではアンラッキーな事態に遭遇してしまった人がお金をもらう。
    ●保険をよく知るプロほど、保険に入ってない。
    定年までの死亡保険だけ、それも社内の案内されている、格安の「団体保険」。
    保険をよく知る人達は、「不安の有無」で、保険に入るかどうかを決めません。「万一のときに給付される金額の大小」で決める。
    「これくらいの金額なら自分で払えるので、保険を使う必要はない」
    ●「自動車保険」なら正しく判断できる。
    事故で人を死に至らしめた場合など、億単位のお金がかかるかもしれないから。
    万一のときに必要なお金が、自分で払える金額であれば保険を利用しない、つまり「金額の大きさ」だけで淡々と正しく判断している。

    第2章私たちは、既に「最強の終身医療保険」に入っている。
    ●誰もが入りたくなる「医療保険」
    ●医療保険の必要性は低い
    ●「自分のお金」があれば、保険はいらない。
    ●老後の医療費は1ヶ月7000円で済む。
    ●「最強の終身医療保険」とは?
    保険診療なら、現役世代でも自己負担は3割まで。70歳以上では原則は2割、75歳以上だと1割。さらに国の制度で、個人の医療費の自己負担額には上限がある。
    ●自動車保険のように医療保険を考える。
    賠償責任保険は、少ない保険料で、大きな保険金を受け取ることが可能。
    ●「保険で備える」のに向く3条件
    1.めったに起きないこと
    2.自己資金では対応できない大金が必要になること
    3.いつ起こるかわからないこと
    頻繁に起きることに保険で備えてしまうと、保険料が高くなる。

    第3章がん保険はどうする?「病名別の保険は意味不明」
    ●がんは、それほど遺伝しない。
    ●「病名別の保険は意味不明」
    既に「最強の終身医療保険」に加入している。
    ●「50万円を160万円で買う」ようなもの
    ●がん保険は、感情に揺さぶられやすい。
    ●「2人に1人がかかる」なら、保険には向かない
    ●「標準治療」は侮れない
    標準治療の「標準」は、「まあまあ」とか「そこそこ」ではなくて、様々な事例を積み上げた結果、「選ばれた治療」。
    国民保険はがん保険でもある。
    ●病気による収入源に、どう備えるか?
    老後の大病は、残念ながら「不測の事態」ではなくて、よくあることなので、保険での備えには不向き。

    第4章「入院で必要なのは治療費だけではない」けれども
    ●健康保険は就業不能保険でもある。
    病気やケガなどで連続して3日以上働けなくなった場合、それまでの収入の3分の2に相当する金額が最長で1年半給付される。
    自営業者の「国民健康保険」にはない。
    ●自動車保険のように就業不能保険を考える。
    すべての不安を安心に変えようとしたら、どれだけ保険に入っても切りがありません。
    就業不能保険に入ったほうが良い人は、国民健康保険で傷病手当金がない人や貯蓄が少ない人、住宅ローンがあるといった事情で、収入が減っても支出を減らしにくい人。
    ●「保険金がもらいにくい保険」が良い。

    第5章「絶対、損しない」ように見える終身保険のカラクリ。
    ●1年目の保険料は7割が手数料!?
    終身保険で、確かなことは、手数料が高くて貯蓄に回るお金が少ないということ。
    ●終身保険は、保険会社の「高収益商品」
    ●自分で積み立てたお金が戻ってくる
    ●マイナスからのスタート
    保険の場合、販売員に支払われる手数料などが高いので、契約当初は、積み立てに回るお金が極端に少ない。
    終身保険は貯蓄には向かない不利な仕組み。
    ●死亡保険金の大半は自分で積み立てたお金
    それも手数料などを様々引かれた後の「自分の積立金」。

    第6章「中途解約」をためらう理由を潰す。
    ●保証と貯蓄を分けるべき理由。

    第7章たった一本、入るべき保険とは何か?
    ●どうして「世帯主の死亡保険」は必要か?
    保険は極力、利用しない方が良い。それでも必要だと思うのが、子育て中の世帯主の死亡保険。
    ●終身保険を使うと割高になる。
    終身保険も死亡保険の一種。
    収入保障保険の方が、終身保険よりも、保険料がずっとわりやすになる。
    収入保障保険の場合、保障が一生涯ではない。
    掛け捨ての保険。
    ●こどもが成長すると、必要な死亡保険は減る。
    ●保険金がだんだん減る、収入保障保険。
    収入保障保険の場合、加入者の死亡率が高くなるときに、保障金の額が少なくなる
    ●「最低保障期間」を設定できる。
    ●一括で受け取ると、保障金総額が減る。
    ●子どもが独立したら、死亡保険は不要では?
    長くても、お子さんが大学を卒業なさるまで保障があればよい。
    ●持ち家ならば、必要な保険金がさらに減る。
    ●安い保険が良い保険
    ●保険の特約が不要である理由
    収入保障保険は、あくまで、死亡時に備えるのですから、諸々の特約は不要です。
    ★検討に値する少ない保険
    ●死亡保険
    ・FWD生命「FDW収入保障」
    非喫煙者や健康状態が良好な人の保険料を割り引いている商品。
    ・アクサダイレクト生命「収入保障2」
    喫煙者や健康状態が必ずしも良好ではない方へ
    ・勤務先、業界団体の「団体保険」「グループ保険」「各種共済」
    個人向け商品より格安で
    ●医療保険・がん保険
    ・都道府県民共済「入院保障2型」
    決算情報からもっとも良心的な運営をしていると判断
    ●就業不能保険
    ・アクサダイレクト生命「アクサダイレクト働けない時の安心」
    貯蓄が少ない、自営、フリーランスである
    ・貯蓄目的保険「じぶんの積立」

    第8章「進学資金」という大義名分が、判断をゆがめる。
    ●お金を増やすのに「理由」はいらない
    ●学資保険の代わりに個人向け国債

    第9章保険解約でできたお金を、NISA・idecoで運用。

  • 本書は、著者と架空の若い夫婦との会話形式で生命保険に関する相談話が進んでいき、その時々のテーマごとに、「自分だったらこの生命保険契約をどうするだろうか?」ということをその時ごとに考えさせられるので、すごく生命保険に対する知識が深まりました。

    特に、自動車保険の入り方を切り口にして、それぞれの生命保険契約の可否を判断する方法はすごく腹落ちさせられました。

    また、生命保険に関わる各種データを見やすいグラフにして表示してあり、ものすごく参考になりました。私的には、老後における月々の医療費の実際の支払い金額が、かなり少ないことに驚かされました。事実を知らず、ただ恐れるだけでは駄目だと思い知らされました。

    本書は、生命保険契約の見直しや、新規加入を考えられている方にとって、非常に得るものが大きい良書だと思います。

  • 保険に向き合う際の基本的な考え方、医療保険やがん保険に対する専門家の意見について知る事ができた。保険料の支払いで生活が圧迫されないよう、重要度の高い知識だと感じた。

    今後保険で迷ったときも、この本を読み返すことで必要な保険が判断できるため、手元に置いておきたい一冊。

    保険に関してよく知らない人、保険営業の人に勧められるまま契約している人は読むことをお勧めします。

  • 保険は「稀に起きる重大事への備え」であり、確実に起きるであろう事(ガン保険や学資保険など)への備えはiDeCoやNISAを使うべし

  • 大手生保と保険代理店で15年のキャリアを積んだ、保険のプロによる書。

    本書のタイトルを見れば分かるとおり、著者は保険のプロでありながら、基本的に保険には入らない方がいいとうスタンス。

    それは、民間の医療保険や死亡保険というのは、「6万円弱の給付金を受け取る権利を、10万円の保険料を払って買う」ような構造だから。
    これは、保険会社の粗利率(保険加入者から集めた保険料のうち会社に残るお金の割合)が43~46%(2019年度から2022年度)というところから来ている。
    要は、支払った保険料の半分近くが保険会社の取り分になっているのだ。

    では、著者は全ての保険を否定しているのかというと、あながちそうともいえない。

    著者は、加入すべき保険は1種類、それは「収入保障保険」。
    これは、自立していない子どもがいる世帯主が、期間限定で死亡に備える保険。

    この究極的な答えが「はじめに」にいきなり書かれていることには驚いた。

    そして無駄な保険を解約したことで得た解約返戻金を減資に他の有料は保険や新NISAやiDeCoに投資することをすすめる。

    では本書の中身をみてみよう。

    40歳の五十嵐家(会社員のご主人、パートタイマーの奥様に4歳のこどもの3人家族)が著者に保険の相談をするという形で対談形式で話しが進んでいく。

    五十嵐家が契約している保険は下記のとおり(為替相場は2024年2月16日現在の1ドル150円として計算)。

    ①米ドル建て終身保険
    保険金額 死亡時15万ドル(夫死亡時2,250千万円)
    保険料 月337.76ドル(50,664円)※46歳まで支払

    ②収入保障保険
    保険金額 死亡時から月額25万円(夫死亡時から65歳まで)
    保険料 月9,416円(60歳まで支払)

    ③学資保険
    保険金額(満期金額) 200万円
    保険料 月9,399円(子どもが17歳、夫が53歳まで支払)

    ④終身医療保険
    保険金額 入院日額1万円ほか(夫)
    保険料 月7,869円(55歳まで支払、保障は一生涯)

    ⑤終身医療保険
    保険金額 入院日額1万円ほか(妻)
    保険料 月7,476円(55歳まで支払、保障は一生涯)

    上記保険の月額保険料は84,824円、年額1,017,888円とかなり高額。

    そしてこれらの保険、前述のとおり、ほぼすべて著者によってぶった切りで、②収入保障保険以外解約することを勧められる。

    ②以外の保険はどこがダメなのかは、本書に当たっていただきたいが、著者が保険で備えるのに向くことの条件は下記の通り。
    1.「めったに起きないこと」
    2.「自己資金では対応できない大金が必要になること
    3.「いつ起こるか分からないコト」

    その理由は、頻繁に起きることに保険で備えてしまうと、保険料が高くなる。
    これは保険会社の立場に立って考えれば分かりやすい。

    これに該当するのが④・⑤の医療保険。
    しかも医療保険の保障内容(給付金)は、高額になりにくい。

    例えば、入院給付金の平均は1件当たり約9万3,000円、手術給付金は9.5万円ほど。

    また、手術代が100万円など高額になった場合は、国の医療保険(健康保険や国民健康保険)の高額療養費制度により、五十嵐家の場合、年収約370~770万円なので、100万円の負担が1ヶ月8万7,430円で済んでしまう。

    逆に、②の保険は、どこがよいのか?
    この保険の特徴は下記の通り。

    1)世帯主の死亡に備える「死亡保険」(失業保険ではない)
    2)65歳までに死亡した場合、その後毎月25万円受け取れる
     ・保障は一生涯続かない
     ・保証金額が徐々に減っていく※
    3)掛け捨て保険(=解約返戻金はない)
    4)2)、3)の分、保険料は安い
    ※(平準)定期保険は保険金額は減らず一定だが、その分保険料が高くなる(本書ではアクサダイレクト生命の商品で月額保険料が収入保障は2,670円、定期保険は6,394円とされている

    1)の父が子の大学卒業までに亡くなることは、「めったに起きないこと」で(厚労省データではその確率は4%とされる)、「自己資金では対応できない大金が必要になる(毎月数十万円単位のお金の不足)」、「いつ起こるか分からない」こと。

    なお、世帯主が死亡した際に収入保障保険を受け取る場合、一括で受け取ると分割で受け取る場合より受取額が減ることに注意。

    これは、一括の場合、保険会社の保険金支払の負担が前倒しになるかである。
    このように、保険商品というのは、保険会社が損しないように、仮に損する場合は、それが契約者である我々に転嫁されるようにできていることも銘記すべきである。

    このように具体的な事例を紹介しながら、必要な保険、不要な保険を分かりやすく説明し、整理してくれている。

    大変為になる本で、強くお勧めしたい。

  • オイラたちは既に最強の終身医療保険に入っている
    自分のお金があれば保険入らない

  • 自分の積み立てくらいだけかとおもっていたが、よさそうな商品って結構あるじゃん。
    アクサダイレクトいいな。

    具体的で実利的な良本だけどすぐ理解できるので買うまで至りにくいのが残念。でもおすすめはできる。

  • Q&A形式でたいへん読みやすく、要点が理解しやすい構成で良かったです。

    「お守り代わり」「万が一」「掛け捨てじゃないから損しない」
    「終身保障がないと不安」「がん家系だから」「子どもの学資を確保しなきゃ」
    全部、詭弁です。

    保険の基本は自動車保険の対人保障です。
    (1)事前に予測できず
    (2)めったに起こることではないが
    (3)起きてしまったら被害は甚大
    こういう場合だけ、保険で備えておけばよい。
    具体的には、未成年の子どもがいる人の死亡保障。
    その他は、自らの預金と公的年金や健康保険で十分なんです。
    バカ高い社会保険料を強制的に払わせられてるのに、その上にまだ保険いる?
    保険にお金使うなら、もっと効率的に増やせる方法いくらもある。
    自分の払った保険料のうち、どれだけが純粋に「保険」に使われているか、
    知ったらアホらしくなりますよ。

    保険は不幸くじ。人間の死亡率は100%。

    若い方ほど、オススメです。
    にこは手遅れだけど、これからでも解約するで。

  • FPに保険を勧められたが、国の制度があるのに本当に必要か疑問に思い買った本。
    予想通りの結論になったので安心したが、ところどころ説明が分かりづらかった。
    個人的に会話形式があまり好きじゃないかも。

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著者プロフィール

「保険相談室」代表
1959年生まれ。長崎大卒。95年アパレルメーカーから日本生命へ転職。約10年、営業職として在籍。2005年より複数の保険会社の保険を扱う乗り合い代理店へ。12年より現職。保険の有料相談、執筆、講演等に従事

「2021年 『生命保険は「入るほど損」?!<新版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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