もういちどベートーヴェン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299004161

作品紹介・あらすじ

『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ

累計127万部突破の大人気シリーズ! 岬洋介が挫折し、別の道へ進もうとしているときの物語。
2006年。法曹界入りした天生高春は、ピアノ経験者のようだがなぜかクラシック音楽を避ける岬洋介とともに、検察庁の実務研修を受けていた。
修習の一環として立ち会った取り調べの場に現れたのは、絵本作家の夫を刺殺したとして送検されてきた絵本画家の牧部日美子。
日美子は犯行を否認しているが、凶器に付着した指紋という動かぬ証拠が存在する。
取り調べが打ち切られようとしたそのとき、岬が突如ある疑問を投げかける……。

感想・レビュー・書評

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  • 『さよならドビュッシー』の続編、岬先生の過去を掘り下げた話。後半のミステリーはおまけくらいのあっさり感。本全体を通して話のテーマは、「自分を偽らず生きる」という点で前作と通ずるものがある。

    天生は視点こそ主人公ではあれど、完全に岬が主人公。天才と凡人の比較としても天生は機能している天生は、ピアノの才でも、法曹界での才でも岬に負けるし、仲良くなっても嫉妬している。天生も人間臭くなかなかに魅力的なキャラクターである。
    岬は前作で語られるハンデを背負いつつも、どちらにも才能があり、最後は偽らずにピアニストとして生きることを選んでいく。

    天生は結局のところ、岬とは違う生き方をしていくのかな?不穏な約束してるけど、対比として描いた天生も最後に報われてほしかったな。。

  • 自分探しの結論といった趣き。
    司法修習生となった岬洋介。寮の隣人天生は岬の2歳上で高校生までピアノを弾いていたクラシック好き。
    司法試験に合格した後に、司法修習生として1年4ヶ月の研修があるそうだ。
    天才岬洋介は、司法の分野でもやっぱり天才。もう死角なしの完璧男子なのに、人にはフラットでどことなく子供っぽい。ゆえに完璧だと私は思う笑

    司法修習生として現実の事件も向き合いつつ、とある天生のいたずらがきっかけで、岬は自分の目指すところに向き合っていく。
    同時に、彼らが新聞で見た絵本作家の殺人事件にも関わり、被害者の作品を見てまた信じるところを思ったりする。
    音楽の表情もたいへん巧みで、事件もなかなかややこしく、そしてドンデン返し。
    お見事!
    そしてまた岬洋介の活躍を追いかけたい気持ちになった。

  • 司法試験の受かった後にどんな生活をするのかが詳しく分かって良かった。現実に修習生をしながらピアニストになろうと練習ができるものなのか、ファンタジー要素は入っているけどドラマな展開としては良かった。殺人の動機がゲイのカミングアウトを阻止するためなんて可哀想。もっと人に対して寛容な気持ちになれる環境になればいいのにな。

  • 【あらすじ】
    2006年。法曹界入りした天生高春は、ピアノ経験者のようだがなぜかクラシック音楽を避ける岬洋介とともに、検察庁の実務研修を受けていた。
    修習の一環として立ち会った取り調べの場に現れたのは、絵本作家の夫を刺殺したとして送検されてきた絵本画家の牧部日美子。
    日美子は犯行を否認しているが、凶器に付着した指紋という動かぬ証拠が存在する。
    取り調べが打ち切られようとしたそのとき、岬が突如ある疑問を投げかける……。
    Amazonより引用

    【感想】
    前作が絶賛だっただけに物足りなさを感じてしまった
    ただ岬洋介を語る上で必然な物語だと思う
    抑えられていた音楽への愛情が爆発した感じ

  • 岬好きのための外伝みたいな本。

  • 法曹界の女神にも音楽の神様にも愛された岬。異次元過ぎて、そういう意味では笑えたし、楽しめた。

  • ちょっと説明が多かったかな?じっくりと読んで新しい世界を堪能しました。

  • 「岬洋介シリーズ」5作目、「もういちどベートーヴェン」です。

    司法試験に合格し、司法修習生になった岬洋介の話です。
    音楽とミステリー、ここまで来ましたか!

    前にも書きましたが、もはや”聴いてる”ような錯覚を起こします。

  • コンサート会場にいるような臨場感でした。自分の生き方を見つけるスイッチって身近にあるものかもしれません。天才じゃなくたってとにかく好きでこのためなら生きれるってもの。

  • ピアニストになる夢に挫折して
    法曹界入りした天生高春。
    司法修習生として検察庁の実務研修を受ける。
    そこで出会った岬洋介は司法試験トップ合格で
    父親は地検に努める検察官というサラブレットだ。
    そして各教官からも一目置かれる天才。
    羨望、嫉妬などの気持ちもわくが、どこかほっとけないところもあり・・・。

    絵本作家の殺人事件もからみながら、
    修習生たちの進路について・・・
    天才はどの職業を選ぶのか!検察官、弁護士・・・・。

    絵本作家の絵本と、天生のいたずらから
    岬の進路が!

    全編ベートーヴェンの曲が。
    最期のコンクールの場面では聞こえてくるはずのない音が
    聞こえてきそうになるくらい圧巻。
    コンクールの緊張感が伝わった。

    岬洋介さんのシリーズ本があるようなので
    ぜひ、他の作品も読みたいとおもった

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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