合唱 岬洋介の帰還 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
4.18
  • (154)
  • (180)
  • (71)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 1950
感想 : 139
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299016751

作品紹介・あらすじ

幼稚園で幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した“平成最悪の凶悪犯”仙街不比等。彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。しかし、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、旧友・岬洋介が地球の裏側から急遽駆けつける。そして悪徳弁護士や熱血刑事、死体好きな法医学者たちと相まみえ……。中山作品の主要人気キャラクターたちが集結する“アベンジャーズ”回! さらに完全保存版の「全中山作品相関図」付き。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「合唱」という題にはいろいろ籠められているんだろうが、私は中山七里の創造したたくさんの人物が一堂に会していることなんだろうと解した。ピアニストの岬洋介、その父親の岬検事、解剖医の光崎教授・キャシー・真琴、御子柴礼司、その事務員の洋子、民間鑑定センターの氏家京太郎、ヤクザの山崎、古手川刑事、渡瀬警部、犬養隼人刑事など、凄い顔ぶれじゃないか。
    刑法第39条によって罪を免れようとしている被疑者を、取調室で検事が射殺したというとんでもない事件が起こるが、検事本人にはその覚えが全くないという。そして、その検事の司法研修時代の友人・岬洋介が、ヨーロッパから降臨するのだ。勿論、弁護士は御子柴礼司。最後は、いろいろな意味でどんでん返しがある。読んでいてわくわくするぞ。

  • 謎が解けていく、爽快感。点と点がつながり、一つの事が起こる。出会いとは、運命だけではない。意図的な出会いには悲劇につながることがある。悲しみの連鎖が起こらないことを望む。

  • オールスターやな。
    中山七里ワールドの!
    色んなシリーズの主役勢揃いやん!
    こら面白いわ〜
    何か、犬養さんは、あまりにもチョイ役やけど…
    まぁ、10周年記念みたいやから、ええんとちゃうかな。
    しかし、10年で、どんなけ作品書いてんねんとは、思う。
    この人の作品制覇には、かなり時間がかかる。手元に20冊ぐらいあるけど、まだまだ(^◇^;)

    こんな友人おらんかな。10年前ぐらいに、軽く聞いていた「ピンチの時は、地球の裏側からでも駆けつける!」と言ってた約束をキッチリ守る。
    男前やわ〜で、ホンマにイケメンやし…

    で、しっかり解決する。
    他人に求めるより、自分がなれるように精進しよ〜
    …イケメンはムリとして…(⌒-⌒; )

  • 岬洋介シリーズ第6弾
    中山七里オールスターズの登場です(笑)

    岬シリーズの岬洋介と父親の岬次席検事
    ヒポクラテスシリーズの光崎教授とキャシー、真琴
    御子柴シリーズの御子柴礼司と洋子
    犬養シリーズの犬養隼人
    そして、鑑定センターの氏家、ヤクザの山崎
    いつもの古手川、渡瀬
    一通り、中山七里の各シリーズを読んで、それぞれの登場人物を把握してから本書を読むことをお勧めします(笑)

    ストーリとしては、
    幼稚園で幼児らを惨殺したた仙街の担当検事として、天生が指名。しかし、その取り調べ中に突如意識を失い、目を覚ますと、目の前には仙街の銃殺死体が...
    天生の指紋や硝煙反応が検出され、天生は殺害容疑で逮捕されてしまいます。
    そんな天生の担当検事となったのが岬次席検事。
    一方、天生を救うため、岬洋介はツアー最中にもかかわらず、日本に戻ります。
    御子柴、光崎、岬洋介で事件の真相を探ります。
    これはこれですごい。
    さらに、法廷での岬検事Vs岬洋介の親子対決
    といった展開。
    そして、明らかになる事件の真相

    オールスター登場なので、エンターテイメントとして楽しめること間違いなし。

    デビュー10周年記念長編ということで、「合唱」の意味もオールスター参加ということだそうです。
    なるほど..

    本書の最後に、今までの56作品の人物相関図が描かれています。これ、わかりやすい。

    楽しめました。
    本書だけでも当然楽しめますが、冒頭コメントしたとおり、ほかのシリーズを1作でも読んでからをお勧めします。
    まさにアベンジャーズのビジネスモデル(笑)

    お勧め。

  • 幼稚園に襲撃し、幼児含む5人を殺害した、平成最悪凶悪犯。担当検事と二人の取調室で射殺され、殺される。担当検事は、岬洋介の司法修習生時の同期生で友人の天生。天生は、一瞬で被告人の立場となってしまう。そして、前作(もういちどベートーヴェン)の約束通り、岬洋介は地球の裏から帰還する。
    御子柴シリーズを読み進め、岬シリーズの順番を確かめながら、カエル男を読みかじり、氏家京太郎を購入し、合唱にたどり着いた自分を誉めてあげたい。各シリーズ豪華メンバー総動員の、「合唱」。
    岬洋介と岬(父)の法廷シーンも読めるし、ファン心理を掴む充実巻。
    結局、全シリーズ読んでしまう。

  • もう全員登場して合唱。内容も良かった。愚か者が世の中を変える。

  • タイトルにある様に、岬 洋介の突然の帰国とその活躍。更に、中山作品に登場する様々なキャラクター、埼玉県警の渡瀬や古手川、悪名高き御子柴弁護士、そして、父であり東京高検次席検事である岬 恭平、などなど。

    各作品の有名キャラのオンパレードです。
    中山七里さんのファンとしては、嬉しい限りです。

    ある日、幼稚園を襲い、幼い園児や教員など5人を殺傷した仙街。しかし、覚醒剤の使用により無罪の可能性もあった。
    その重要犯罪を取調べの最中、担当検事の天生 高春は、突然の睡魔に襲われ、気付いたら、仙街は射殺され、目の前にはその拳銃が...
    部屋には、2人しかおらず、完全な密室状態であり、容疑者は天生検事以外にはいない。
    この絶体絶命の状況を、如何に覆すのか?

    さすが中山七里さんですね。
    驚きのどんでん返しです。

    最後の中山作品・人物相関図も、とても有難いですね(全56冊分)。

  • 岬洋介シリーズ第6弾は、洋介のピアノ演奏シーン無し、そして御子柴シリーズとの夢のコラボだ!

    洋介と司法修習同期だった天生(あもう)は、将来を嘱望される中堅検事になっていた。

    幼稚園に乱入し母子5人を殺害した凶悪犯、仙街を担当することとなった天生検事は、何と、仙街の取り調べ中に意識を失ってしまい、気がつくと仙街は目前で銃殺されていた。拳銃には仙街の指紋が付着し、ジャケットの袖には硝煙反応が…。状況証拠から天生検事の犯行であることは明らか。

    検察の一大不祥事として、天生検事を厳罰に処したい検察幹部は、東京高検次席検事の岬(洋介の父親)に事件の陣頭指揮を取らせることとした。

    窮地に陥る天生に救いの手をさしのべたのは、ヨーロッパ演奏ツアーを中止してまで勾留中の天生の下に駆けつけた洋介だった。洋介は、岬検事の天敵の御子柴を弁護人に選び、御子柴・洋介夢のタッグ(!!)が、岬検事を向こうに回して天生検事の無罪立証に挑む。

    途中、御子柴が凶弾に倒れると(死んだ訳じゃありません)、今度は特別弁護人として洋介が法廷に立つことに。それはそれは鮮やかな弁舌で、検察のストーリーを見事論破していく。

    本作は、何といっても法廷での父と子の相克が見もの。

    岬洋介シリーズと御子柴シリーズの融合、というだけでも嬉しい作品だった。

  • 待望の〝岬洋介〟シリーズ!
    天生さんの再登場に喜んでいたら、まさかの展開で一気読み。このピアニストには敵わない気がする。

    音楽シリーズ以外は未読だが、他の連作も気になった。個性的かつ魅力的なキャラクターが多くて悩ましい。

    天生検事好きなので、いつか彼が主役の連作も書いて欲しい。そして岬父の物語も読みたい。

  • 今までに読んできた登場人物達が集合しています。
    ストーリー的には想像出来てしまいましたが 中山七里さんの作品は 東野圭吾さんの次にたくさん読んでいる作家さんなので次々に登場する人物達がとても懐かしい感じがしました。

全139件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山七里の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×