看守の流儀 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 1612
感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299025265

作品紹介・あらすじ

「いやぁ、これは久しぶりのドストライクだった」――横山秀夫
「読んで損することは絶対にない。必読である」――池上冬樹(解説より)

刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。
石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの織り成す五つの事件。
仮出所した模範囚の失踪(「ヨンピン」)、暴力団から足を洗う“Gとれ”中に起きた入試問題流出事件(「Gとれ」)、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失(「レッドゾーン」)など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • おぉー、そうきたか!という感じ。
    思ってたのと違う方向の驚きだった。頭の中の人物像が覆る感じが面白かった。

    でも顔の傷は謎のままかぁ。
    完全にすっきりしないのは続編があるからか。
    ちょうど図書館で借りられたので早速読んでみようと思う。

  • これはこれは大変好みでした!!
    完璧な叙述トリック!!
    本にしかできない仕掛け!!
    刑務所内の人間ドラマにぼけーっと感動していたら、最初から最後まで張られ続けていた伏線に全く気付けませんでした。
    これだから読書はやめられません。
    強くオススメです!

    蛇足。
    こういう本を読むと、自分の持つ先入観に心からがっかりします。
    タトゥーにして刻み込みでもしないとこの気持ち忘れちゃうんですよね。。

  • 最近よく見るコチラの本。
    本屋さんで、横山さん絶賛の帯とPOPが目に留まり購入。短編集なのかと勝手に勘違い。
    5章から成り立っており、それぞれの章で主人公は違うものの、連作で繋がっている加賀刑務所内での物語。
    なんだろ、刑務所や裁判系のミステリーって、登場人物の、役職が漢字でどちが上?この人何課だっけ?とか、把握まで時間かかるんだけど(全体相関図希望!)なんだかんだで引き込まれてしまうのは、日常では知りえない世界だからなのだろうか、、私は何でこゆ系割とハマって読んでしまうのだろう……と。
    ブグログの本棚がだんだんダークになっております(^_^;

    どの章でも、ちょっとした予想外の展開があり、最後の最後で、え!?あら。そうなの?( °_° )なるほど~みたいな気持ち。

    犯罪に焦点を当てたものではなく、刑務所内の人間模様を中心にお話が進み、色んな知らない知見も吸収できました。貝原さんのお話の章が特に好き。(今手元に本なく名前違うかも)

    面白かった!連作なのかな?文庫本になってから購入しよーっと。
    今日も花粉攻撃すごい。。(›´-`‹ )
    WBCに向けて早く帰らないと~!!

    • なんなんさん
      1Q84O1さんも、割りとダークですよね(´・∀・`)
      たまーにお花や空の可愛らしい表紙もありますね。
      私はしばらくダークが続きそうです~
      1Q84O1さんも、割りとダークですよね(´・∀・`)
      たまーにお花や空の可愛らしい表紙もありますね。
      私はしばらくダークが続きそうです~
      2023/03/12
    • 1Q84O1さん
      しばらくダークですね!
      なんなんさんの今後のラインナップを楽しみにしてます( ̄ー ̄)ニヤリ
      しばらくダークですね!
      なんなんさんの今後のラインナップを楽しみにしてます( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/03/12
    • なんなんさん
      (。-∀-)ニヤリ
      (。-∀-)ニヤリ
      2023/03/12
  • 城山真一さんの著書、自分にとって初めて読む作家さんの作品。書店で平積みされていたので購読。
    全5話からなる連作短編集という事なのだが、5話を通じて最初から最後までトリックが仕掛けられているため、その部分ではミステリーを感じさせるまとまりのある作品だと感じた。

    一編一編の作品はヒューマンドラマであり深すぎず浅すぎず程よく面白い。
    ただ、主人公の火石に最初からかけられているトリックは絶妙。終盤までミスリードさせられている。
    更に火石と三上の関係性は話が進めば進むほどしっかりとした物になり、同時に仕組まれていたトリックも平行して解読できていく感じがとてもスッキリする。

    続編もあるらしいのだが、どうだろうか?今回のトリックは今回で通暁した物で次作には生きないであろう。それだけ今回のトリックが素晴らしかった。



  • 火石さん、女性だったとは!

  • 旨い!

    気になっていた話題作は期待を裏切りませんでした。

    5篇の連作ですが、ミステリー?謎解き?ヒューマンドラマ?

    いえいえ、全部あります。

    しかも、ラストは大好物の大どんでん返し的な結末。

    これで満足しなければ、何で満足しますか?

    金沢市の加賀刑務所を舞台に、刑務官と囚人たちの物語です。

    それぞれのストーリーで主人公は異なり、1話毎に完結はします。

    舞台が同じなので、当然共通した登場人物もいますが、何せその中でも一際ミステリー要素プンプンなのが警備指導官の火石司。

    そして、物語の間に「刑務所手記」として挟まれる三上順太郎の手記。

    見事に仕組まれたプロットは最終話「お礼参り」できっちり回収されます。

    真剣に読めば読むほどに感動し、驚きを体験出来る。

    しかも、昨日出ちゃいましたね続編。

    仕事早く終わらせて本屋に直行だ!



    説明
    内容紹介
    「いやぁ、これは久しぶりのドストライクだった」――横山秀夫
    「読んで損することは絶対にない。必読である」――池上冬樹(解説より)

    刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。
    石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの織り成す五つの事件。
    仮出所した模範囚の失踪(「ヨンピン」)、暴力団から足を洗う“Gとれ"中に起きた入試問題流出事件(「Gとれ」)、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失(「レッドゾーン」)など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。
    著者について
    城山真一
    1972年石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』(宝島社、文庫化に際して『天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス』に改題)で、第14回『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞。他の著書に『仕掛ける』(宝島社)、『相続レストラン』(KADOKAWA)、『ダブルバインド』(双葉社)など。

  • あまり知らない刑務所の話
    そこでの刑務官と受刑者でおこる問題を火石という顔に傷のある刑務官が解決していく。

    この刑務官の火石が実は女性で男性受刑者を収容している刑務所で唯一の女性刑務官。

    この火石が仲間から火石マジックと言われ難解な問題も解決していくという話。

    受刑者がどんな思いで犯罪を起こし、刑務所で反省したり、実はしていなかったり、いらんな受刑者がいて、それが描かれているのでとても興味深く面白かった

  • 城山真一『看守の流儀』宝島社文庫。

    石川県の加賀刑務所を舞台に描かれる5話から成る連作ミステリー。

    幕間に歌手の三上順太郎による刑務所手記が描かれる。手記の中に登場するHTとはどうやら加賀刑務所の警備指導官の火石司のことらしい。

    5話それぞれで独立した面白いエピソードが描かれているのだが、5話全体でとてつもない驚愕のストーリーが構成されている。

    『ヨンピン』。刑期の4分の1を残して仮出所した模範囚の失踪とアルミケースごと薬を飲み、自殺を図った窃盗犯。刑務官の責任が問われ兼ねない刑務所内での死亡事案の影に見え隠れする警備指導官の火石司の存在。火石は悪人なのか。★★★★

    『Gとれ』。加賀刑務所が請け負う大学の入試問題の流出事案。暴力団から足を洗うためのプログラム『Gとれ』に参加した受刑者が入試問題を流出させたのか。火石の推理力が光る。★★★★★

    『レッドゾーン』。加賀刑務所の総務部が受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムを紛失した事案。誰が何の目的で持ち出したのか。火石は全てを知っていながら静観していたようだ。★★★★★

    『ガラ受け』。末期癌の受刑者は何故か別れた妻子との面会を拒む。犯した罪と最後まで守り通そうとする秘密。火石は驚くべき手段で受刑者の心を開く。感動、感涙の短編。★★★★★

    『お礼参り』。最終話。ある受刑者に恨みを晴らすために犯罪を犯し、加賀刑務所に収監された男。火石司と三上順太郎に関連する全ての事実が明らかになり、再び第1話から読み直したくなるほど驚愕する。まさかそんなことが……★★★★★

    定価780円
    ★★★★★

  • 石川県の刑務所を舞台にした連作ミステリー。
    ヨンピン/Gとれ/レッドゾーン/ガラ受け/お礼参り

    横山先生のおっしゃる通り、私にもドストライクでした。
    刑務官と受刑者という知られざる世界にドキドキでしたが、人間ドラマが丁寧に描かれていて読みやすかったし、グッとくるところもあって本当に読み応えがありました。

    各話で語り部が変わり、有名人の受刑者の手記を挟んだり、謎多き刑務官の活躍があったり。とにかく構成がお見事でした!
    最終章で明かされる真実には衝撃を受けました。
    続編も楽しみです。

  • 横山秀夫さん推薦の帯に惹かれて購入。
    読み応えのある組織ミステリーを読む気満々で挑みましたが、すごく読みやすくてサクサクでした。
    想像していたより断然読みやすくて、刑務所なのにポップなミステリー小説でした。
    刑務所が舞台のお話は初めて読みました、とても新鮮でしたし勉強になりました。
    五つの連作短篇だから事件自体はそれほど深くなく、しかし主人公が変わっていくのも面白かったです。
    最後に、『なるほどねっ!』となる結末、登場人物のその後も気になります。
    シリーズ化される感じがするので楽しみに待っています。

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著者プロフィール

1972年、石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。
2015年に『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞。
他の著書に『仕掛ける』『看守の流儀』(以上、宝島社)、『相続レストラン』(KADOKAWA)、『ダブルバインド』(双葉社) など。

「2022年 『看守の信念』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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