医者が飲まない薬 誰も言えなかった「真実」 (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299040855

作品紹介・あらすじ

降圧薬、抗不安薬、睡眠導入剤、認知症薬……
その1錠が寿命を縮める――

「無用な薬」「不要な薬」がわかります

高齢者の親をもつ世代は必読、
新時代の「薬の教科書」


日本人は、「薬」に対して無防備すぎる――。ポリファーマシー(多剤服用)は社会問題化しており、高齢者では10種類以上もの薬を飲んでいるケースも少なくない。
政府やマスコミが手放しで礼賛したコロナワクチンやコロナ治療薬などの「新薬」も、重篤な副作用の可能性が叫ばれ始めている。
そもそも、薬と毒は紙一重。「本当に必要な薬」はどれだけあるのか?
本書では、ジャーナリスト・鳥集徹氏がホスト役を務め、日本の“薬漬け医療”に疑義を呈する医師5人が忖度なしに語り尽くす!

感想・レビュー・書評

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  • 先日久しぶりに実家に帰って両親に会いましたが、彼らの飲んでいる薬の量に驚きました。思い起こせば私の祖母も多くの種類の薬を飲んでいました、几帳面に時間がきたら大量の薬を飲んでいたのを子供ながらに記憶しています。どうしてあんなに多くの薬を飲まなければならないのだろう、と昔から不思議に思っていましたが、この本を読んで少しその理由が理解できたように思いました。

    複数の診療科で診察した場合、その症状に応じて別々に出すのでそうなってしまう様ですね。お医者さんにとっても薬を増やすのは簡単だけれども、減らすのは難しいらしいです。薬を減らして症状が悪くなったら問題になりそうですからね。

    この本では「医者が飲まない薬」というタイトルにあるように、あまりお薦めできない薬が紹介されています。その薬を避けるというよりは、その薬に頼らなければならないように、普段の生活を規則正しく行なって、特に血圧を下げる薬を飲まなくても良い様に、食生活や運動を心掛けようと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・この本のポイント、1)新しい薬(ワクチン含む)には飛び付かず、様子を見る、2)薬(コロナ含む)に期待するよりも、まずは免疫力・回復力を高める、3)薬はゼロが理想、優先順位の低い薬から減らす、4)血圧・血糖値の基準値に囚われず、体の状態に応じて薬を調節する、5)むやみに薬に頼るよりも、生活環境・人間関係・家族関係を見直す(p6)

    ・治療必要数(NNT)とは、何人にその医療介入をすれば1人が病気から救われるかの数字、100人に10人発症する病気が、薬を飲んで5人に減ったとすると、低減効果は50%(=相対リスク減少率)しかし、NNTは(100➗(10-5))=20人で、20人が飲めば1人が救われることになり、5%(絶対リスク減少率)となる。効果が小さく見えるNNTや絶対リスクは使いたがらない(p23)

    ・薬は5種類まで、6種類以上飲むと有害事象が出やすい(p34)

    ・現在、最高血圧は140mmHgまでが基準値でそれ以上は高血圧とされているが、以前は「90プラス年齢まではOK」と言われていた(p37)

    ・ドネベジルをはじめとする認知症治療薬は、怒りやすくなるとか興奮しやすくなるという副作用がある(p43)睡眠薬、抗精神病薬(デパス:エチゾラム)ベンゾジアぜピン系も睡眠導入剤として使われている(p45)1型糖尿病の人にとってインスリンはまさしく必須の薬である(p67)

    ・国民の7−8割がワクチンを打てば集団免疫ができると言われていたのに、収束どころか7波となって国内では世界最多の陽性者数を記録した(p73)

    ・患者さんの体力が維持できていればウイルスは勝手に減っていく、その初期の間にどれだけその人の体力を維持させるかが大事である。具体的には高熱があるときにはロキソプロフェン、咳が出ていれば咳をとめる薬など(p80)

    ・ラゲブリオは2021年12月に特例承認された新型コロナウイルスの感染症治療薬、22年9月から一般の医薬品と同じ扱いで流通する様になった(p83)

    ・未接種の人が重症化しているわけではない、悪くなっているのは高齢者ばかり、高齢者の未接種者と接種者を比べたら、断然接種している人の方が悪くなっている(p96)

    ・ワクチンとはコロナ感染を疑似体験させるわけだから、人為的に何度も感染させる様なことをやって、その結果平時に比べておかしくなった症状については、やはりワクチンが絡んでいると考えるのが自然である(p115)

    ・2021年の死因1位はがん:26.5%、2位は心疾患:14.9、コロナは1.2%で10位にも入っていない(p127)

    ・フレイルとは加齢により心身や認知機能が衰えてしまった状態、1)体重減少(年間5キロ以上)、2)疲れやすい、3)歩行速度の低下、4)握力低下、5)身体活動量の低下で判断される(p131)

    ・かかりつけ医を一元化しないと薬は増える一方、医療情報や介護情報については一元化すべき(p143)

    ・スタチンは75歳になったらやめるべき、筋肉損傷の副作用がある(p156)後期高齢者の血統管理は「放置」薬が聞きすぎた場合の低血糖の方が危ない(p161)食べ過ぎ、間食はよくない(p169)

    ・糖尿病でない人の方が圧倒的にアルツハイマー病が多いという結果であった、脳というのは、糖が多い方がアルツハイマーになりにくい(p190)

    ・インフルエンザが流行りそうな時があれば、「十分な栄養やビタミンCを摂りましょう」「暖かくして睡眠を取りましょう」と言った免疫を上げる啓発活動をしていたのに、コロナの時はそれを一切しないで、ワクチン一本槍で戦おうとした。そこに日本の感染症学者のレベルの低さが表れている(p219)

    ・ベンゾ系の睡眠薬、抗不安薬を減らしていくと患者さんの状態がだいぶ違ってきた、年をとれば取るほど肝機能も腎機能も落ちるので、薬を減らしていかないと薬の成分が徐々に体に溜まって「効きすぎ」の状態になる(p222)

    ・隠れコロナが増えたから死者が増えたのではなく、高齢者が多いから増えた。90歳以上が260万人、要介護5が60万人いる、つまり風邪をひいても死ぬ人がそれくらいいる、コロナ感染率が高くなれば死ぬ人が増えるのは当たり前(p227)

    ・日本人の平均寿命が60歳を超えたのは1951年で、それまでは人生50年であった、日本人の置かれている環境が変わったので、薬に対する意識も変わってほしい(p236)

    ・多くの人にとって70代はアクティブに動ける最後の年代である、だからその人たちに元気になってもらって楽しくお金を使ってもらって経済を回していくべき(p240)

    ・抗うつ薬を飲み出すと、やめれなくなる。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)は飲み続けると離脱しにくくなる(p284)

    ・1980年代に製薬会社の大改革があった、この病気のためにこういう薬を作ろう、ではなく「この化合物は何に使えるだろうか」という視点で研究を始める様になった(p289)

    2023年8月3日読了
    2023年8月11日作成

  • 医療ジャーナリストである著者が、薬の多剤服用や過度な医療依存の弊害に目を向け、5人の医師にインタビューを行い、それをまとめた本。
    新型コロナに関しワクチンや新薬の効果を否定し、むしろ薬害があるとしたり、自らも医師でありながら、「医師の話を鵜呑みにするな」と警告したり、日本はヤブ医者だらけと批判したりと内容はかなり過激。
    専門知識のない自分には、何が真実なのか見極められない内容が多かった。その上で、あえて①なんとなく同意できること②過激過ぎて、にわかには信じがたいことの二つに分けてメモに残しておきたいと思う。
    ①について       ・ポリファーマシー(多剤服用)有害事象が出やすくなる
     ・効かない薬はやめる
     ・診療報酬にある減薬加算について医師は積極的に検討すべき。優先順位の低い薬から減らすように患者に説明し、薬を増やさないようにする。
     電子カルテも処方箋もお薬手帳も優先順位を決めて書き並べる
     ・医療情報や介護情報の一元管理システムを作る
     ・かかりつけ医を一元化し、減薬する
     ・日本は「医局講座制」が強く残っており、よその科が副 作用の多い薬を出していても、それぞれの専門に対して口を出さない
    ②について
     ・新型コロナの市中感染が確認される前から国内では中国の観光客と一緒に弱毒タイプのコロナウィルスが入っていた。そのため、日本人は集団免疫が既にできていて、皆ワクチンを打ったのと同じ状態だった
     ・重症化するのはワクチンのブースター接種をしている人
     ・「コロナ後遺症」といわれるものは実際は「ワクチン後遺症」(ワクチンでコロナ感染を擬似体験させているため)

  • 表題とはちょっと内容が異なっているような・・・とはいえ、学べた。

    「シェアード・ディシジョン・メイキング」とは、
    患者と家族、医療者が話し合って、その人の人生を支える治療方針を話し合い、意思決定を共有することだそうだ。それが当たり前になるといいなぁと願った。病院死から在宅死へ。

    対象から離れて、多角的な見方ができるようになる、社会を俯瞰するためには、人は寄り道をしないと気づかないことが多いかもしれないに納得。

    日本の臨床の教授は大学の給与よりも薬の講演で多額の講演料を稼がなければならない大学病院のシステムが切ない。真摯に患者に寄り添っている教授もいる、そして休む暇なく講演もこなしている。日本の医療のあり方を改善しない国に憤る。

    私も度々減薬しているが、悪くなかったのね!と実体験と答え合わせができたような。

    スパイス効いたカレーを食べよう!チャイを飲もう〜

  • インタビュー形式で読みやすい。 どの先生方も関西に何らかの関わりのある(あった)方でところどころ関西弁が。 そういう関西人気質が薬・医療業界に物申している一因なのかも、と思うと嬉しくなった。

  • 必要な薬もあるとは思うけど、何も考えずに薬を増やしていくというのはやはり怖いですね。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2017年 『ワクチンで子どもは守れるか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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