ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299041425

作品紹介・あらすじ

“エンマ様”が見破った「動機の噓」、そこに隠されていた真実とは?
どんでん返しに次ぐどんでん返し!

累計75万部突破! 大人気シリーズ待望の最新刊です。
人気カップルYouTuberとストーカー、犯行時の記憶を失ったカリスマホスト、天才子役の母親の転落死……。
相手のしぐさから噓を見破る敏腕美人刑事・楯岡絵麻が、お馴染みの捜査一課のメンバーとともに数々の難事件に挑む!

感想・レビュー・書評

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  • 相手の仕草で嘘を見破ることができる楯岡絵麻のシリーズ10作目。
    何か切ない話が多かった。絵麻と筒井の仲もかなり戦友感が強くなったような気がする。実際にそんな描写も最後の方に出てきたし。
    西野と琴莉の仲を引き裂こうとする不穏な空気が漂いつつ次作に続きます。

  • 佐藤青南『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』宝島社文庫。

    シリーズ第10弾。敏腕美人刑事・楯岡絵麻の行動心理学を駆使した活躍を描く、4話を収録。

    なだめ行動にマイクロジェスチャーと何時ものように被疑者の嘘を暴く楯岡絵麻。ネタが尽きたのか以前のような圧倒的な面白さは無いように感じた。

    『第一話 殺人動画にいいねとチャンネル登録お願いします』。先ずは軽いジャブということか。最初に登場するカップルのYouTuberは本編とは全く関係が無く、無駄な登場であったことに驚いた。人気カップルYouTuberの男性が何故か単独で生配信を始めると突然そこに乱入して来た何者かに刺殺される。犯人はカップルのストーカーでネイリストの女性だった。犯人の女性が主張する奇妙な殺害動機に楯岡絵麻は……★★★

    『第二話 指名料はおまえの命で』。人生、どこで上下関係が逆転するか解らない。犯人は明らかなので、楯岡絵麻が暴くのは犯人の動機であったが、然もありなんというレベルだった。カリスマホストが飲み会で新人ホストに説教して帰らせた後、その新人ホストは何者かに暴行され、殺害される。状況から犯人は明らかにカリスマホストなのだが、その動機は……★★★

    『第三話 天才子役はミスキャスト』。真実はどこにあるのか。楯岡絵麻が次々と被疑者たちの嘘を暴き、真犯人を特定する。父親が事務所の社長で、母親がマネージャーという11歳の人気子役の一家。ある日、母親が一家が暮らすマンションの30階の部屋から転落死する。最初は事故と思われたが、父親の行動に疑いが……事件は解決したのだが、何故かストーリーはまだ続く。次の最終話への布石か。★★★

    『第四話 誰がために鈴は鳴る』。犯人も屑なら被害者も屑という何とも嫌な結末。冒頭、明らかになっただけで12件の殺人を行ったとされる死刑囚の元心療内科医・楠木ゆりかと面会する楯岡絵麻。しかし、本編はここからだ。繁華街で少年少女の非行を抑止するためのパトロールをする元教師が、家に押し入った二人組の男に暴行され、死亡する。二人組の男はあっさり逮捕され、犯行を自供するが……★★★★

    定価780円
    ★★★

  • 筒井、綿貫ペアとも戦友感が出てきて、信頼関係が相乗効果を生んでいます。

    昨今の話題を上手く取り入れている感じがとても読みやすいです。

    否認している被疑者を落とすのではなく、すでに罪を認めている状況で隠された真実を探したり、動機が見えてこない状況から探す様子がエンマ様シリーズらしいです。

    エンマ様の天敵からの魔の手が伸び始めているので、今後も注目です。

  • 題名のホワイダニットは推理小説で普通に使っている。語源はwhy did it? なのだが、私が気になったのは、なぜホワイとダニットの間に「・」が入っているのか?だ。英語にしても「・」はない。意図はないのはわかっているつもりだが、わたし気になります。

    さて、題名通りなら「動機」を暴くのだろう。動機にのみ焦点を当てる事の佐藤青南さんの勇気や気概が見えるような気がするので、楽しみだ。
    動機は行き着くところ、お金か異性絡みか恨みか復讐か知られたくないことがあるかくらいで、サイコパスなら快楽なのでわかりにくい。にも関わらず「動機」が題名だ。面白いに違いない。

    竈門炭治郎のように闘気を消すくらい、動機を消せるとしたら面白いのだが、、、(闘気と動機って、、、恥)炭治郎ゴメン。

    初っ端からYouTuberのカップルの事件の動機が謎だ。東野圭吾さんではないが、やはり「実に面白い」。
    新人ホストの事件は、、、あれっ、私わかっちゃいました。
    天才子役の母の事件は、複雑な思いが絡み合っている。殺害の動機だけでなく、別の動機も描かれていて、次第に「動機」の虜になっている。
    強盗殺人事件は、あれ、あれっ、これもわかっちゃいました。
    この4つの短編は、構成がよくできていて、動機に焦点を当てつつ、楯岡絵麻が解決していくプロセスは、やはり面白い。そして3話の最後に事件が追加される。

    それ以上に興味深いことが起こっている。これが前作の「楯岡絵麻VS佐藤青南」の最後に描かれたことの回収なのだろうか?コーラと同じく、また続きが読みたくなる。キーマンは楠木ゆりか。2作続けての布石だ。
    こうしたことからもシリーズは順に読んだ方が面白さが増すと思うのである。


  • 行動心理捜査官・楯岡絵麻
    シリーズ第10弾

    他の本を読んでなくても、この一冊だけで
    十分楽しめました。

    人が嘘をつくときの心理的ストレスから
    無意識に表れるなだめ行動やマイクジェスチャー、
    微細表情から話の真偽を判別する行動心理捜査官
    楯岡絵麻が主人公。

    人並外れた洞察力と深い知識豊富な経験で
    容疑者が頑なに隠す動機と事件の真相を
    一つひとつ明らかにしていく痛快劇。

    人間離れしているようでいて、変に人くさい
    ところのある主人公のオンオフのギャップも
    読んでいておかしく面白い。

  • シリーズ10作目。
    久しぶりの通常のシリーズものに戻った印象。
    現代の問題を取り入れた4作から成る。
    1作目はカップルYouTuberの男性が配信中に殺害されると言う、最近いろいろ問題になっている生配信。
    犯人はストーカーだった女性だと、すぐに判明するが、絵麻は納得出来ず、マイクロジェスチャーとなだめ行為から、被疑者の隠している事実を炙り出していく。
    2作目はホスト殺し。
    3作目は子役タレントの母親の転落事故。
    そして、4作目に並行して描かれる絵麻と死刑囚の楠木ゆかりの対峙が描かれる。
    久しぶりに取り調べ室が舞台となり、絵麻の心理捜査が全面に出ているし、事件解決後の高齢の飲み会も復活し、初期の作品傾向に戻って来た気がして、個人的には面白かった。

  • サスペンスドラマを観ている感覚で
    どんどん読み進められる一冊
    登場人物の様子が映像として脳内に再生される
    安心して読めるミステリー

  • 締め切りにはきっちり間に合わせましたって感じかな。収録作品全てが既定路線的な感じがして響くものは全くなかった。

  • 最近の世相を程よく取り込んでいる。ホストの話の犯人さえも封じ込めていた動機を自白させたのは恐怖さえ感じる。子役の話、側から見た子役人気の弊害、親がおかしくなって子供を不幸にする。筒井・綿貫コンビとうまく協力しあって事件を解決に導く。
    楠木が次回またからんでくるのか。

  • 西野がついに婚約してしまい、複雑な思いでした。絵麻とのコンビが好きだったので、本当に結婚しちゃうのは寂しいです…

    婚約者・琴莉の不安行動が気になる所ですが、真っ直ぐな西野の性格がとてもお似合いで、これで良かった気がします。

    今回は初期の頃の取調スタイルに戻った様でしたね。犯人の動機が後味悪く、切なかったです。特に子役の子の未来を思うと…

    そして、まだまだ不穏な空気が漂い、次巻で解決する事を願っています。

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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