「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門 2

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 189
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299047403

作品紹介・あらすじ

「モディリアーニの肖像画はなんで白目をむいているの?」「画家シッカートが切り裂きジャック事件の真犯人!?」など名画の謎を山田五郎氏が徹底解説。面白くて教養もつくと人気のチャンネル登録者数50万人超のYouTube「山田五郎 オトナの教養講座」、大好評の書籍化第2弾です。人物相関図&年表付き。YouTubeではバラバラだった各画家の動画を時系列にまとめ直しているので、西洋絵画の流れや画家同士の関係性も楽しみながら学べる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 絵画の解説本と思って読んだが、他の絵画の本より圧倒的に絵の数が多くカラー本ですごく良かった。
    2ということは前作の1があるんだろうが、そちらは読んでいないのでこれから読みたいところ。
    絵画の本は中野京子さんが有名だが、山田五郎さんにこんな知識と才能があったとは…この出会いに感謝です。
    はじめましての画家も多く、この本を読まなかったら知らなかったものが数多くあった。
    セガンティーニはその一人で生い立ちやその生涯にも興味深いものだった。

  •  
     美術鑑賞といった高尚な趣味を持ち合わせていない私ですが、五郎さんの軽妙な語り口が楽しくて、YouTubeで「山田五郎のオトナの教養講座」を視聴する事があります。図書館でその書籍版を見つけたので、早速、暇つぶしにパラパラめくるつもりが、1ページ1ページ、かなりの読み応えだった。
     時代背景から生い立ち、人生、付き合いのあった画家仲間との関係、作品紹介。
     なかでも笑ってしまったのが、バオロ・ウッチェロの《聖母子》 遠近画法にこだわり過ぎて、人物描写が二の次。その結果、、、まぁ、笑えます。
     「不思議の国のアリス」の公爵夫人の挿絵の参考にされたのが、クエンティン・マサイスの《醜女の肖像》 この頃、ダ・ヴィンチも関心を示していたのがグロテスクな顔。《醜女の肖像》はダ・ヴィンチも関心を示して模写しているほどインパクト大です。
     驚いたところでは、誰もが知っているルノワールの《イレーヌ・カーン=ダンヴェール嬢》 ユダヤ財閥の伯爵を父に持つ三姉妹の長女であるイレーヌ。19歳で別のユダヤ財閥の当主と結婚、一男一女に恵まれるもイタリア人貴族と不倫の末に離婚。第一次大戦で息子が戦死。第二次大戦でナチスに娘一家と妹一家が虐殺。イレーヌは夫がイタリア国籍だったお陰で難を逃れるが、彼女の肖像画はゲーリング(ヒトラーの後継とされた国家元帥)のコレクションに。戦後、イレーヌに返却されるも手放した作品を買ったのは、ナチスへの武器供与で財をなしたスイスの収集家ビュールレ。作品の持つ数奇な運命も、絵の中ではおしとやかそうに見えるイレーヌが実はそうでもなかった、ということも知ることができた。
     ミステリー好きの私としては、猟奇殺人を疑われたシッカートについてが特に興味深かった。《切り裂きジャックの寝室》《カムデン・タウンの殺人 4連作》を発表し、当時、犯人と疑われる。現在では、アメリカのベスセラー作家、パトリシア・コーンウェルが犯人説を主張。「莫大な私財を投じてシッカートの作品を買い集め、DNA鑑定まで行って論拠を固め、2002年に『真相』と題して発表。」彼の作品が単に真に迫った作品なのか、見るからに一癖も二癖もありそうな肖像写真(見た目で判断してはいけませんが)に見るように、犯人だからこそ描けた作品だったのか、、、なんとも不気味さ漂う絵である。
     絵の鑑賞の仕方を教えてもらえた本だった。

  • 画家にとっての絵画とは?
    →生きていくために書かずにはいられないもの。画家自身。内面が表れるから、時に他人にも大きな影響を与える。

  • モディリアーニ、ユトリロ、ピロスマニ、カイユボット、セガンティーニ、エル・グレコ、ゴーガン

  • ありがちだが、1の方がインパクトが強かった。でも、こちらも面白い。

  • 山田五郎さんのYou Tubeチャンネル「オトナの教養講座」を書籍化した第2弾。

    以前読んだ『ヘンタイ美術館』が対談形式で読みやすかったのに比べ、こちらは読み物としてしっかり練り上げられた印象。

    しかも第2弾なので、取り上げられている画家も玄人好みの人が多く、ミーハー絵画ファンの私にはやや辛いところも。

    それでもさまざまな小ネタや豊富な知識からくる解説は、著者ならでは。読み応えがありました。

  • 茶々入れが苦手。

    『怖い絵』シリーズの類似品としては、一番丁寧で詳細な解説がついている。動画をベースとしているようなので、そちらもまた違った楽しみ方ができるのだろう。

  • ルソーが描く子どもは確かにヤバい笑笑

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著者プロフィール

山田五郎(やまだ・ごろう)
1958年、東京都生まれ。編集者・評論家。東京国立博物館評議員。AHS(英国古時計協会)会員。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し、西洋美術史を学ぶ。卒業後、講談社に入社。『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)、『出没! アド街ック天国』(テレビ東京)など、テレビ・ラジオの出演も多い。主な著書に『知識ゼロからの西洋絵画入門』『知識ゼロからの西洋絵画史入門』『知識ゼロからの西洋絵画 困った巨匠対決』『知識ゼロからの近代絵画入門』(以上、幻冬舎)、『ヘンタイ美術館』(共著・ダイヤモンド社)、『へんな西洋絵画』(講談社)など。

「2022年 『第2期:5巻セット 〈白の闇〉篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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