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- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784305707864
作品紹介・あらすじ
姫君を中枢とした〈女社会=レズ・ソーシャル〉が
社会で果たした役割を平安文学から読み解く
古代社会において共同体を結束させる装置として必要とされた
高貴な女の威力・聖性が、根強く残っていた平安時代。
『枕草子』『伊勢集』『紫式部日記』『源氏物語』には
生き生きと躍動する〈女社会〉が描かれていた。
【平安時代の女社会、〈王朝レズ・ソーシャル〉は、社会の底辺ではないとは言え、男性による制度の外側の存在、あるいは裏側の存在に過ぎない、しかし、逆に制度外であるからこその威力を─制度外ならではの矛盾・葛藤をも抱え込みながら、ですが─放っていたのではないか、と思えます。
その女社会を悩みながらも生きた、優れた女性たちによって書き記されたものが平安から鎌倉時代にかけての文学作品であって、そこからはその時代と社会を生きたものならではの認識と美意識が見えてきます。さらに気迫も覇気も批判精神もあります。彼女たちが格闘したものは、現代の私たちにとってもやはり同じく格闘して見据えていくべき問題ではないかと思うのです。〈王朝レズ・ソーシャル〉への批判も含めてですが、今後も検証していきたいと思っています。…「はじめに」より】