ひめぎみ考: 王朝文学から見たレズ・ソーシャル

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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305707864

作品紹介・あらすじ

姫君を中枢とした〈女社会=レズ・ソーシャル〉が
社会で果たした役割を平安文学から読み解く

古代社会において共同体を結束させる装置として必要とされた
高貴な女の威力・聖性が、根強く残っていた平安時代。
『枕草子』『伊勢集』『紫式部日記』『源氏物語』には
生き生きと躍動する〈女社会〉が描かれていた。

【平安時代の女社会、〈王朝レズ・ソーシャル〉は、社会の底辺ではないとは言え、男性による制度の外側の存在、あるいは裏側の存在に過ぎない、しかし、逆に制度外であるからこその威力を─制度外ならではの矛盾・葛藤をも抱え込みながら、ですが─放っていたのではないか、と思えます。
 その女社会を悩みながらも生きた、優れた女性たちによって書き記されたものが平安から鎌倉時代にかけての文学作品であって、そこからはその時代と社会を生きたものならではの認識と美意識が見えてきます。さらに気迫も覇気も批判精神もあります。彼女たちが格闘したものは、現代の私たちにとってもやはり同じく格闘して見据えていくべき問題ではないかと思うのです。〈王朝レズ・ソーシャル〉への批判も含めてですが、今後も検証していきたいと思っています。…「はじめに」より】

著者プロフィール

昭和29年(1954)3月 大阪市に生まれる。
大阪府立北野高等学校、京都女子大学文学部国文学科卒業後、大阪府立高校の教員になる。
昭和59年(1984)、栃木県宇都宮市に住む。
昭和63年(1988)宇都宮大学教育学部大学院修士課程修了。
平成6年(1994)学習院大学大学院人文科学研究科国文学専攻博士後期課程満期退学。
現在、作新学院大学で非常勤講師。
日本文学協会会員。

【著書・論文】
歌集『漂泊姫』 2000年 砂子屋書房
『扉を開く女たち─ジェンダーからみた短歌史』阿木津英・内野光子との共著 2001年 砂子屋書房
「性を売る女の出現─平安・鎌倉時代の遊女」(『買売春と日本文学』所収 2002年 東京堂出版)
『さすらい姫考─日本古典からたどる女の漂泊』 2006年 笠間書院 (2006年度 女性文化賞受賞)
『女神の末裔─日本古典文学からたどる〈さすらい〉の生』 2009年 笠間書院
『翁と嫗の源氏物語』 2011年 笠間書院
『姫君考─王朝文学から見たレズ・ソーシャル』 2015年 笠間書院
歌集『曙町夢譚』 2016年 薫風社

「2021年 『もの狂いの人々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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