秀吉の虚像と実像

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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305708144

作品紹介・あらすじ

こうすれば秀吉を、もっと面白くつかまえられる!
歴史学と文学のコラボレーションにより、実像も虚像も追究する書。
どのようにして秀吉は「虚像」として語られ、今その「実像」が問われているのか。豊臣秀吉総体を、これからどう捉えていくか。初の試みにして、指針となる書。

実像と虚像、歴史学と文学、どちらも面白く、重要であることが本書により改めて説かれる。単なる秀吉の通史ではない、多様な見方と大きな見通しの確認・発見を目指す。

▼本書で明らかに!
○北政所の名は「ねい」でなく「ねね」と再確認!
○ひょうたんの馬験に隠された秀吉の出生の秘密とは?
○高松城の水攻めは実は沼の大きさに過ぎなかった!
○明からの「日本国王」への任命を一旦は受け入れていた!
○秀吉信仰と地震や靖国との意外なつながりとは?

【本書は、豊臣秀吉を素材に、歴史学が実像編、文学が虚像編を、それぞれの学問スタイルで執筆した。実像編は、主に古文書・古記録を使用して、現在何が、どこまで明らかになっているかを述べた。そのさい、必要に応じて典拠となる古文書・古記録を示している。これに対して虚像編は、一般に流布している歴史常識が、どのような軍記物語によっていかに形成されたのか、その虚像のあり方を浮き彫りにしている。この両者があわさることによって、「実像も虚像も追究する」ことができるのである。それは、豊臣秀吉という人物はもちろん、彼の生きた社会もより深く理解することである。それだけでなく、秀吉死後の時代の姿をも、豊臣秀吉という人物とその伝説を通じて掘り下げることでもある。】…序(堀新)より

執筆は、井上泰至[防衛大学校教授]/堀 新[共立女子大学教授]/湯浅佳子[東京学芸大学教授]/北川 央[大阪城天守閣館長]/太田浩司[長浜市長浜城歴史博物館館長]/柳沢昌紀[中京大学教授]/原田真澄[演劇博物館招聘研究員]/堀 智博[共立女子大学非常勤講師]/菊池庸介[福岡教育大学教授]/谷口 央[首都大学東京教授]/網野可苗[上智大学大学院]/遠藤珠紀[東京大学史料編纂所助教]/森 暁子[お茶の水女子大学研究員]/米谷 均[早稲田大学講師]/金子 拓[東京大学史料編纂所准教授]/丸井貴史[上智大学大学院]/谷 徹也[京都大学助教]/藤沢 毅[尾道市立大学教授]。(執筆順)。

感想・レビュー・書評

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  • 最新の歴史学の見地から、『実像編』として単に虚像を廃していくのでは無く、文学研究の見地から『虚像編』として、その物語がいかなる理由から求められたのか、いかなる理由から定着したのかについて述べられているのがとても興味深い。そして、その『虚像』が必要とされたこと自体が、歴史そのもの(の一部)であり、とても興味深い。
    願わくば、織田信長や楠木正成、坂本龍馬などについても同様の著作があると面白いと思われる。そして、その際には『文学』のみならず、映画やテレビの『映像作品』も同じ文脈で研究対象となると面白いんだろうなあと想像しながら読んでた。

  • 東2法経図・開架 289.1A/To93h//K

  •  豊臣秀吉や豊臣政権に関する日本史学と日本文学の合作小論集。テーマごとに史学畑の研究者による「実像編」と文学畑の研究者による「虚像編」を互いに交え、巷間に広がる秀吉「神話」を解体することを目指している。この手の本の宿命ではあるが、所収論稿の精粗に差がある。

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著者プロフィール

1961年生まれ。共立女子大学教授。著書に『信長公記を読む』(吉川弘文館、2009年)、『天下統一から鎖国へ 日本中世の歴史 7』(吉川弘文館、2010年)、『織豊期王権論』(校倉書房、2011年)、『戦国 軍記・合戦図と古文書・古記録の学際的研究』(科研報告書、2019年)、共編著に『近世国家 展望日本の歴史 13』(共編、東京堂出版、2000年)、『消された秀吉の真実 徳川史観を越えて』(共編、柏書房、2011年)、『岩波講座 日本歴史 第 10巻 近世1』(共著、岩波書店、2014年)、『秀吉の虚像と実像』(共編、笠間書院、2016年)、『信長徹底解読 ここまでわかった本当の姿』(共編、文学通信、2020年) など。

「2023年 『家康徹底解読 ここまでわかった本当の姿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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