日本怪異妖怪事典 北海道

著者 :
  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305709417

作品紹介・あらすじ

全国の怪異妖怪を地方別で紹介する日本怪異妖怪事典シリーズ第1弾!
コロポックル、カシマさん、フリー、2メートル生首、オキナ、ばばばばばばえおうぃおい~べべべべべべべべべえべえええべえべべべえなど、アイヌの伝承に登場する妖怪から現代に語れた怪異まで、北海道各地で語られた怪異妖怪を八〇〇種類以上掲載!

「日本怪異妖怪事典」は、古代から近現代まで地方で語られた怪異妖怪、不思議な話を収集し、地方別で紹介する事典シリーズです。
第1弾の本書は『日本現代怪異事典』『世界現代怪異事典』の著者朝里樹による「北海道」編。アイヌの神話から現代の北海道、樺太まで、各時代、各地域において伝承されてきた、もしくはこれらの地域を舞台にして創作された怪異妖怪を収集し、地域別に紹介します。
地方別シリーズのならではの詳細さで、『日本現代怪異事典』でも取り上げられていない地元密着の怪異を多数掲載しています。

【目 次】
はじめに
道央
道南
道北
道東
樺太
広域

○column
アイヌの怪異・妖怪/和人とともにやってきた怪異・妖怪/アイヌの世界観

○索 引
五十音順索引/ジャンル別索引/出没場所別索引/市町村別索引

おわりに
参考資料

感想・レビュー・書評

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  • 本書の「参考資料」を見れば分かりますが、150冊以上の文献調査からまとめられた北海道の怪異・妖怪が網羅的に載った事典です。
    逆にいうと、基本的に聞き取り調査ではないので、地元の一部で口頭で伝わっている話などはないです。あくまでも、ものすごい量の文献に裏打ちされた「事典」ということです。
    本編としては、道央、道南、道北、道東、樺太、広域、その他という地域別の章で構成されていますが、索引として五十音順、ジャンル別、出没場所別(家、池、海など)、市町村別でも検索できるので、自分の身近な地域だったり、地域は分からないけど聞いたことのある怪異などを調べることもできて、とても便利です。
    地域別の怪異妖怪事典シリーズとしては全八巻が刊行予定らしいですが、著者の朝里氏は北海道出身らしく、本書にかける思いもひとしおなのではないでしょうか。
    全体的にアイヌの伝承によるものが多いですが、「はじめに」にあるとおり、和人によって北海道へ持ち込まれた伝承や、北海道で新たに発生した伝承も数多くあり、読み進めていくと、北海道の歴史的な側面も分かる気がします。
    昔から続く伝承だけではなく、最近のネットで発祥した都市伝説や「ばばばばばばえおうぃおい~べべべべべべべべべべえべえええべえべべべえ」などの事件?も載っているのが面白いです。
    怪異・妖怪を切り口にして、北海道のことが分かる事典です。

  • 怪異妖怪不毛地帯・北海道にもこんなに沢山いるんだぞ……!という1冊。
    日高町でも6項目、日高管内でも60項目以上掲載していただきました。
    怪異の説明の後に出典を記載してあり、典拠をあたるのも一つの楽しみ方と思います。そして朝里さんの著作の名物(?)圧倒的な索引の量でかゆいところに手が届く事典です。全体的にアイヌ関連のものが多く、北海道の歴史も感じられる一冊です。
    (日高門別・S)

  • 神様も妖怪も人間食べ過ぎ~
    まぁ、それだけ厳しい環境だったて事よね。

  • 「カプツカ丼」が謎。
    てふか、支那の文献に出てくる「ラシマ」が本著に収録されてをる。アレって秋津洲へ傳播してた
    他まぁ、はい。

  • 日本各地に伝わる怪異・伝承を収集した朝里樹の日本怪異伝説事典の北海道編。
    今後も日本の各地方ごとに編集された事典シリーズとして刊行されるそうで楽しみな限りです。

    北海道の怪異・伝承ということでアイヌの伝承が多く収録されています。文字でなく口述で継承されてきた文化なので、後世に伝えるためにも貴重な書籍になってくれればいいと思います。参考にした文献よりも、入手しやすいのではないでしょうか。

    アイヌ伝承の中の「イワオロペネレプ」と「コノトランクル」。初代世界樹のボスはここからか、と。どこかで聞いていたかもしれないけど、初見に近い驚きでした。森人は自然と共生する存在であったので、そんなところから持ってきたのでしょうね。

    一番気持ち悪い怪異だと感じたのは「ばばばばばばえおうぃおい〜べべべべべべべべべえべえええべえべべべえ」か。誤送信ツイートなんだろうけども、解読すると何かしらの事実と関連してしまうのが気持ち悪く興味深い。デジタルの世界に潜む怪異というのは、現在進行形で増えてゆくのでしょうね。人が関わる社会が増えれば、そこに怪異は生み出されてゆくものなので。
    元々存在していたものに気づいたのか、生み出してしまったのかはわからないけども。
    虚実関係なくごちゃ混ぜになって、いつの間にか存在しているというのが怪異の面白いところだと思います。100年も経てば、それが伝承になるのでしょう。進行形の怪異は、そこが面白い。

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著者プロフィール

監修:朝里樹
怪異妖怪愛好家・作家。1990 年、北海道に生まれる。2014 年、法政大学文学部卒業。日本文学専攻。現在公務員として働く傍ら、在野で怪異・妖怪の収集・研究を行う。著書に『日本現代怪異事典』(笠間書院)、『日本のおかしな現代妖怪図鑑』(幻冬舎)、『日本現代怪異事典 副読本』(笠間書院)、『歴史人物怪異談事典』(幻冬舎)、『世界現代怪異事典』(笠間書院)、『つい、見たくなる怪異な世界』(三笠書房)、『山の怪異大事典』(宝島社)、『日本怪異妖怪事典 北海道』(笠間書院)、『21 世紀日本怪異ガイド100』(星海社)、『玉藻前アンソロジー 殺之巻』(文学通信)、「放課後ゆ~れい部の事件ファイル」シリーズ(集英社)、『続・日本現代怪異事典』(笠間書院)ほか。

「2023年 『日本怪異妖怪事典 九州・沖縄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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