テストに強い人は知っている ミスを味方にする方法

著者 :
  • 笠間書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305709820

作品紹介・あらすじ

ヒューマンエラー(人為的ミス)を研究する著者が、テストや勉強に悩む学生に向けて「間違いを防ぐ方法」を具体的に教える書。どうやって数学の計算ミスをなくすか。そして、回り道した答えを書いてしまいがちな証明問題、意味がつかみにくい現代文の長文読解などで、どう取っ掛かりを見つけ、ムダなく正解を引き出すか。どんな問題にも生かせるテスト対策が詰まっています。
さらに、入試ではとくに重要な「平常心を保つコツ」や、試験中の時間配分なども具体的に伝授。読者がテストで実力を発揮できるよう、あらゆる角度から対策法を教えてくれます。
本の後半では、より深く学ぶための勉強法や、研究者を目指す人に向けた「間違いから発見を見つける方法」などにも触れており、学ぶ意味を知りたい人にも、将来の夢がある人にも、大きなヒントを与えます。
高校の『総合的な探求の時間』にも使える、プロの研究者の思考スキルを知りたい人にもおすすめ。

 テストでのミスが怖くなくなり、さらに学びの可能性にワクワクできる、著者の研究者としての知見と体験が一冊に凝縮された本です。

【目 次】
はじめに

第1章 成績が良い人はどこが違う?
「頭の良さ」はいろいろある
結局は根気が最重要
生まれつきの才能のせいにはしない
啓示が降りてはじめて勉強の道が選べる
大人になっても啓示が指針になる
良い指導者に出会うことが大事
勉強自体とミス管理能力は違う話

第2章 テストでのミスを防ぐ
ミスが減る3つのポイント
平常心を保つ
時間配分を工夫し、難問を避ける
見直しでミスを直すには
簡単な検査法で裏付けを取る
常識で見直す・桁を見直す
実物を使う・様子をイメージする・たとえてみる
極端な条件でも通用するか点検する
時間を空けて見直す
答えから問題へとさかのぼる
「コルモゴロフ複雑性」の小さい解き方を選ぶ
連想記憶を味方につける
実用上の語彙力は暗記よりも柔軟性がメイン
出題者の事情から問題の弱点を予想する

第3章 長文を読む・書く
文章を理解するための最大のひけつ
文章能力は理系でも大事
長文問題を攻略するカギは冷静さ
長文を読破するには、まず慣れよ
問題文の読みづらさ対策
長文読解テストの正解探知法
論説文はアメリカ式がおすすめ

第4章 「分かる」とは何か?――勉強法を見つめ直す
理解するには実感が必要
「本当に分かる」には何が必要か?
要素還元主義を超えた勉強が面白い
間違えることは最高の勉強法
ある名著――擬人化と失敗例活用というテクニック

第5章 研究者の探究の流儀――間違いのその先へ
研究者とは何者か?
学校で教える「正解」を疑おう
間違った問いに答えることは、大失敗になる
ティンバーゲンの4つの問い
偉大な発見は間違いから生まれる
理論上可能なものはどこかに実在する
間違えたと分かった瞬間がチャンス

おわりに

感想・レビュー・書評

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  • 中学生でも十分に理解できる程度の平易でわかりやすい文章で、とても読みやすいです。全5章のうち、2・3章は受験生は必読といってよい内容が述べられています。1・4・5章はどちらかというと総論的な内容で、理解する・間違うとはどういうことなのか?を丁寧に説き、間違う=ミスから学ぶための方法論を提示しています。
    今年読んだ本のなかでも屈指の1冊。受験生や学びに興味のある方にはとくにおすすめで、是非読んだ方がよい1冊。

  • 生きていれば必ずするので避けて通れないのは、間違い。




    程度の差はあっても間違いがないまま人生を送った人はいないだろう。いたら見てみたい。





    学習参考書コーナーに置いてあった今回の本だが、何らかの試験を受ける社会人が読んでも役に立つ。




    著者はヒューマンエラー(人間の間違い)、安全工学、認知心理学を専門にしている。




    読んでいて、一番まずいのは間違いを放置したまま、本番を迎えて終了となることだ。




    「成績の良い人はどこが違う?」では、「自分のミスに気づける技」を持っていることと述べている。





    世紀の発明と言われるものだって、間違いから生まれているのだから、間違いから何を学んで軌道修正するか、そこが問題だ。





    試験で避けられないのが文章読解。




    「文章読解の成否は、読者の頭の良し悪しではなく、話の具体性によって決まる」と指摘している。




    そして「抽象的な文章を見たら、身近で具体的なことに置き換えるクセを身に付けよう」と提案している。





    文章読解はテスト向けではなく、社会人になっても役立つと述べている。




    「高度な仕事というものは、何もしないで与えられるものではなく、書物を読んで状況を調査し、何をなすべきかを自分で考え、他人をコトバで説得して立ち上げるものです」




    読解力のない人がNISAやiDeCoを始めると、場合によってはワルのいいカモになる可能性があるからなあ。




    受験生だった頃に読みたい内容だったなあ。




    まあ、残りの人生で英語の試験を受ける機会もあるのでどこかで生きるかな。

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著者プロフィール

1972年神奈川県生まれ。国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 副連携室長。中央大学大学院 客員教授。内閣府消費者安全調査委員会専門委員などを兼務。専門は、ヒューマンエラー(人間の間違い)、安全工学、認知心理学。カリフォルニア大学サンタバーバラ校への交換留学を経て、東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。著書に『「事務ミス」をナメるな!』『「マニュアル」をナメるな!』(ともに光文社新書)、『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』『防げ! 現場のヒューマンエラー』(ともに朝日文庫)、『多様性工学』(日科技連出版)など。

「2023年 『テストに強い人は知っている ミスを味方にする方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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