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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
ありふれたストーリーだと思う。すこし偏屈ですこし問題を抱えた主人公が大人になっていくはなし。居候先のおばあさんとの交流がさりげなく絡む。とてもありふれているし、つまらないといえば言えなくもない。でも、なんだか不思議と魅力的だった。居候先のばあさんは、がばいばあさんのような名言や金言は一切云わない。ただそこに居るというだけ、そしてごくさりげなく心配して、たまに言葉を交わす。普通のやりとりがこんなに魅力的な小説は結構珍しい。いい言葉があふれている世の中にあっては、こういう言葉にならない優しさみたいなのが、実は一番心にしみるのではないかと思える小説だった。心の動きを丹念に描いた秀作だと思う。
二十歳前後の女性のなんでもない日常を描いたもの。うつうつとしている点や自分が大人だと誤解して突っ張っている部分などうまく表現できていると思う。吟子さんという人間としてとても成熟したおばあちゃんがその女性に対し押し付けがましくなく生き方を示しており、これがいい感じのアクセントとなっており芥川賞受賞作として遜色なしと感じた。若い女性の受賞作として、蹴りたい背中や蛇にピアスがあったが、それらよりも数段できがよいと感じた。最近思うことだが、小説家はおそらくそれまでの自分の人生で感じたことの範囲でしか表現できないという限界があり、若い小説家はその範囲がせまいため、テーマがどうしても限られてくるのだと思った。
おばあちゃん、愛らしくて人間味があって魅力的だけど、これだけ的確な、というか心を通じ合える、というか会話が成り立つ老人は自分の周りにはいなかった。
季節の移り変わりに、主人公の環境や心境が反映されている。春を迎えるときは何故だかワクワクし、根拠もないのに期待してしまう。読み終わったあと、表紙を見ると、また良い。
「花嫁」がおもしろかったので読んでみた。読み始めは、苦手な“都会の淡々とした人”の物語かと思い投げ出しそうになったが、彼氏の職場に新人の女の子が入ってきたところからおもしろくなり、読み切った。おもしろかった。こういう軽い感じの小説は、読んでも忘れてしまうもののほうが多いけど、この本は忘れない気がする。
私の全くの主観だけど、芥川賞らしい作品だったなぁと思う。淡々としていて、細やかな心情の描写がされていて。
でも面白かったかというと別で、自然体で毒を含んでいるような主人公に好感が持てず共感できずであまり楽しめなかった。もっとストーリーの起承転結がはっきりしている小説の方が好み。
将来に対する漠然とした不安は多くの人が持っているものだと思う。
年老いた時に幸せと思えるような、納得いく人生を送ることができるのだろうかと。
この本の主人公もそのような不安を抱えて生きている。主人公は強くありたいと願いながらも、物語のはじめのうちは考え方や行動が甘い。しかし、やがて少しずつ自立へと向かっていく。
幸せな人生を送りたいと願いながらも、その願いの大きさにひるんで二の足を踏むよりも、まず一歩踏み出してみること。そして自分の心に映る風景を少しずつ変えていき、そこから何かを学んでいくこと。
この物語を読んで、そういうことが大切なんじゃないかと思った。
島本理生が好きなら好きですよ、と貸してもらいました。
どっちかというとナオコーラっぽい気がするけど、まぁ特に好きじゃない人にとってはざっくり同じ系統なのかもね。
文章にハマるわけじゃないけど、嫌いじゃなかったです。
ひとりが嫌なのに素直に甘えられない知寿がかわいそうなような、共感できるような。
いろんな人と関わって、関係を築いて、親しくなっては離れて。
結婚しても死別するし、親子でも離れて暮らすし、いつになったらひとりじゃなくなるのだろう。
いつまでたってもひとりなのかな。
芥川賞受賞作。特に派手な展開や個性的な人物が出てくる訳ではないが、何気ない日常の日々の中で、祖母と暮らす、主人公が少しづつ変わっていく様子が上手く描かれています。作者の書く本はまた読んでみたいです。
二十歳の知寿が親戚の71歳のおばあさん・吟子さんと一緒に暮らすお話し。 とくに何か大きな出来事が起こるわけではなくて、日常が淡々と描かれています。 その日常の中で知寿の内面が変化していく様子がしっかり描かれていました。 心が「子供」から「大人」に育っていきます。 第136回芥川賞受賞作ということ、夫に進められたということで読んでみました。 余談ですが、私と夫、お酒と本の趣味は全く... 続きを読む »
久し振りに読後感のある、読みごたえのある作品を読んだ。老いや女性の意地みたいなもの、別れなどがうまく整った形の小説だった。
他の人との縁は頼りない。わたしは、誰かと自分としっかりつなぎ合わせておくことができないらしい。一人で暮らしてみたいとも思う。去られるのではなく、一度は、自分から去ってみたい。 出て行こうか。 すっぱり縁を切って、誰も、何もないところで一から出直したい。それでも、またそこで新しい関係が始まるのだろう。そして気がつくと終わりを迎えているのだろう。その意味なんか考えず、ただ繰り返していれば、人生だっ... 続きを読む »
芥川賞受賞作。
二十歳と71歳の女性が一緒に暮らす話。
二人の会話場面で歳は関係なく女同士の牽制はあるというようなところが印象に残った。
全体的には特に大きな波がある話ではありませんでした。
「わたし、こんなのでいいと思う?」
この言葉って、すごくなんか、泣きたくなる言葉だと思う。ちょこっと、泣きそうになった。
この年代のちょっとした心の揺れや感情が、みずみずしさを感じる文体で書かれていてそこがはっとした。
(169P)
好きな人に会うからとおしゃれして、うきうきしている吟子さんがかわいい。
若さは年齢が決めるものではない!
こんなかわいいおばあちゃんになりたいなあ。
「世界に外も中もないのよ」という吟子さんの言葉が印象強く心に残った。
二十歳の知寿は上京して七十歳になる遠縁の吟子さんの家で生活を始める。知寿には彼氏がいて吟子さんとの共同生活も悪くはない。一年後に吟子さんの家を離れるところで話が終わる。何の変哲もない女の子の毎日なのに「ひとり日和」。不思議に思って辞書をひいてみると「日和」には、ものごとの成り行きという意味があった。
昨年の芥川賞受賞作。
親戚のおばあさんと暮らすことになった20歳の女の子の1年間の日常を淡々と描いている。
盛り上がりも何もなく、自分は男だからか共感できる部分も少なく入り込めなかった。
共感できる部分がある人には、面白い小説なのかもしれない。
著者の感性に年甲斐もなくドキドキした。若手女流作家の中では傑出していると思う。(日経の「プロムナード」も毎回楽しかった。)
五つ星は、将来の「本格長編」に取っておくことにした。
何度も読み返したくなるというおもしろさではないけれど、おもしろかった。淡々としているのに読み進みたくなるのはやっぱりおもしろさなんだと思う。
設定から、「万寿子さんの庭」が浮かんだけれど、万寿子さんと吟子さんは全然ちがう。
だけど、どちらも魅力的なのは、やっぱり人生を重ねてきた人だからなのかな。






