- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309022000
作品紹介・あらすじ
英米文学の名翻訳者・紹介者として知られ、ポップカルチャーにも造詣の深い二人が、同僚時代の東大裏話にはじまり、翻訳論、音楽論、世代論、本をめぐる話など縦横に語り合うジョイント・エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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柴田君というのは、名翻訳者の柴田元幸さん。言葉に対する感覚がワタシにはとても心地よくて、訳書も著書もいくつか読んだ。
佐藤君というのは、東大を早期退職して現在はフリーランスの研究者である佐藤良明さん。と言うか、ワタシにとっては、大学時代に講義をしてくださった佐藤「先生」。佐藤先生のクラスでいちばん印象に残っているのは、先生に代わってワタシがひとコマ授業をしたこと。「ストーリー論」というテーマで誰か話したいことがある人はいないか?という先生のよびかけに対し、ワタシはプロレスをネタにした提案をしたところ、なんと採用。その翌週のひとコマ90分を使って、ワタシは「プロレスにおけるストーリー論」という授業をしたのだった。
前置きが長くなったが、要はこのお二人というのは、ワタシにとっては読まずにはいられない組み合わせ、ということ。
ほぼ交互にお二人がエッセイを綴っていくという構成で扱うネタは、多種多様。くだらないけれど最高のギャグに始まり、ポップカルチャー、音楽、書評、お二人の専門分野でもある翻訳、そして最後は互いを語る。佐藤先生はきっと当時と同じように、ニヤッとした笑みをうかべながら書いていたに違いない。なせなら、大学時代に我々がやった『カッコ―の巣の上で』の英語劇のパンフレットに「君たちが見た『カッコ―の…』はヒーローものみたいになってるけど、本当はもっとぐらんぐらんにワイルドなの。」と寄稿してくださった時とノリが同じだから。今、あの頃の佐藤先生の授業を聴いたらさぞ面白いことだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半はなかなかとっつきにくい文章が続くが、後半は難解なほどに読みづらい文章になる。良い本
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ポップ。
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英文学の翻訳家にして東大の先生の佐藤君と柴田君。先輩・後輩の間柄でやりとりが楽しい。佐藤君は定年を前に東大を辞めたようですが、二人の言いはぴったり。私は、柴田君のほうがちょっと好きなのですが、佐藤君の翻訳ものも嫌いではない(エラソ~)。
エッセイも、色々な雑誌や本の後書き・解説などから採録ですが、英文学好きにはオススメです。 -
アメリカ文学の達人の翻訳に関するうんちく話の数々。ついていくためには、かなりの教養が必要。かなり歯ごたえありすぎ。
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翻訳者としての力量のためか、文学・音楽・ポップカルチャー等への造詣、文章の面白さは卓越しているが、一派庶民にとってはちょっと難解かも。