恋できみが死なない理由

著者 :
  • 河出書房新社
3.59
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本棚登録 : 787
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309031552

感想・レビュー・書評

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  • とてもリリカルなエッセイ。読んでて文字が頭から抜け落ちてしまうことが多々あり、同じ箇所を何度も読み返しながら読了。
    あとがきに「エッセイを書くのは共感してほしいわけでも、賛同してほしいわけでもなくて、むしろ、書けば書くほど、私の輪郭がはっきりして、他の誰とも同じになれないことがわかるから、それがとてもさみしくて、とても好きだった。」という一文があったけど、まさにそういうエッセイ本になっていると思う。

  • 「一生好き」の一生って何?そんな話から始まり、深い深いタヒさんの思考回路に入っていく。好きから嫌いと一見マイナスな変化にさえ楽しみを見出してしまう_私にはとても新鮮で思わず目が見開らく。他作品も気になりすぐにポチりました!

  • エッセイ好きの私ですが、いま一番難解なのがこの最果タヒさん。
    言葉を大切するタヒさんで気になってよく手にはするのですが、どんどん遠くへ離れていく。思考回路が別物で、同じこと、散歩をしていてもボヤっと考えるのではなく、思考する。気軽ではなく重い足取りで・・・散歩にしてこれって、タヒさん、だから文筆家なのか・・・お気軽にとは言えない、最果タヒさんの一冊でおます。

  • コミュニケーションとは、わかりあうためのものではなく、わかり合えなさを互いに受け止め、それでもなお共にあることを受け入れるための技法

  • すごくわかると思う話もあれば、まったくわからない共感できない、という話もあって、すべてを分かり合えなくてもいいと言ってもらえて安心しました。こういう考え方をして生きている人がいるんだな〜と思いながら読むのが楽しい。私と同年代だから余計にそう思うのかもしれない。手元に置いておいて好きなときにパラパラと読み返したい本です。言葉を扱う人らしく言葉に関するお話や相互不理解、震災、青春、美容の話などいろいろ、好きです。
    好きな話→
    一生じゃない好き/マイ・スイート・派手/二度寝の代わりの朝マック/VS「今読むべき本」/遠くて他人のスーパーヒーロー/私未満をやめたくて/普遍より最高でいて/愛は全部/今日も、あの歌は歌われる。/私をきみの黒歴史にして。/飽きてOK/必ずきみが愛さなくちゃいけない人なんて、いない。と、愛して、伝えたい。/主人公になれない人生/阪神淡路島大震災/感傷が嫌/花だよ/
    好きなのいっぱいあった!

  • この人は孤独さと自分の感情に真っ直ぐ向き合ってちゃんと苦しんでちゃんと生きている人だと思う。私と同じ部類の人間だと思った。

    萩原朔太郎愛が感じられるのもとても嬉しかった。
    ひととわかりあうこと/わかりあえないことがテーマの作品が私は好き。

    また、ハートが派手な人間という言葉がとても好きだった。私も同じく感情の起伏が激しいし、ただそれを含めて人生を愛してる。

    最果さんの作品を読んだのは初めてだったが、もっと他の作品も読みたいと思う。

  • #恋できみが死なない理由
    #最果タヒ
    23/10/25出版
    https://amzn.to/3MeOnTS

    ●なぜ気になったか
    内容紹介にある目次たちにはどんな話が入っているの?、と気になってしまう言葉使いのセンスに感服。最果さん、どんなエッセイを書く人なのかを知るために読みたい

    ●読了感想
    やはり詩人なだけあって言葉を紡ぐセンスには好感触を抱くものの、考え方のベースが相性が合わない感じ。エッセイ数編には共感できるのもあるが、そうでないものが多くのめりこめなかった、うーん残念

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き

  • 分からないということ。
    私はあなたのすべてを理解することはできないし、あなたも私のすべてを理解することはできない。分からないから、私たちは分かり合おうとする。その過程そのものが愛で、そんな愛は美しいと思う。

    本書では、そんな「分からなさ」に対する寛容さが一貫して示されていたように思う。

    分からなさを愛すること、私の知らないあなたを愛すること、変わっていくあなたを愛すること。未来は分からない、今と同じか、もしかしたら真反対かもしれない。それでもただ、今は好きだと、胸を張って、優しく囁くように言えたらいい。そんなメッセージが込められていた。

    分かり合うために言葉を使う。けれど、言葉が同じでも、それぞれ違うものを抱えているのかもしれない。言葉というものの、便利さ、そして、鋭さ。そんな確固たる曖昧さをもって、私たちは様々に言葉を使う。言葉を紡ぎ続けてきた最果タヒさんだからこそ、そういう言葉の側面に触れられているのかもと思った。

  • やっぱりこの方は思考が深くて文を解読するのが難しい。具体的のようで抽象的というか「結局、どういうこと?」となることが多い。でも"最果タヒの本"が好きなのでまた別の作品も読むと思う(これは2冊目)。次は無理に理解しようとせず気楽に読もうかな。

  • タヒさんのエッセイを読むのは久しぶりだ。以前は百人一首というテーマだったが、今回はタヒさんのよりパーソナルな部分を語る内容が多かった。タヒさん自身のことがよく分かった、なんて言うのは烏滸がましいにもほどがあるが、なるほどこういうことを考えながら詩を書いているのかと知ることができて面白かった。
    わかるわーとなる内容もあれば、ほえー…となる内容もある。だけどそれは当然のことで、100%理解できるなんて逆に気持ち悪いと今回のエッセイを読んでいると感じる。「分からなくてもいい、だって私も分からないし」、と背中をさすってくれるような優しさがこのエッセイにあったように思う。
    一番好きだった内容はこれ、というのを覚えようとしていたけれど、結局好きなものが多くて途中でやめてしまった。ただ、初っ端の「一生じゃない好き」は最後まで記憶に残るくらい良かったのでこれを推しておきます。

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著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
詩人。一九八六年生まれ。二〇〇六年、現代詩手帖賞受賞。二〇〇八年、第一詩集『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。二〇一五年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。その他の主な詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(二〇一七年、石井裕也監督により映画化)『恋人たちはせーので光る』『夜景座生まれ』など。作詞提供もおこなう。清川あさみとの共著『千年後の百人一首』では一〇〇首の現代語訳をし、翌年、案内エッセイ『百人一首という感情』刊行。エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』『もぐ∞【←無限大記号、寝かす】』『「好き」の因数分解』、小説に『星か獣になる季節』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな嘘つき』、絵本に『ここは』(絵・及川賢治)、対談集に『ことばの恐竜』。

「2021年 『神様の友達の友達の友達はぼく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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