- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309208107
感想・レビュー・書評
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絵本というカテゴリーかもしれない。
「他の人と比べても見つかる幸せではなく、他の人に幸せにしてもらうのではなく、自分で幸せをつかむ、自由で独立したシンデレラ。」
お姫様になることが幸せとは限らない。シンデレラにも好きなことがある。それぞれの幸せは自分で見つける。王子様だって、お城での生活は窮屈かもしれない。そんな当たり前のことを気づかせてくれる。
残念ながら日本ではこういう発想を持つことって、まだまだ簡単ではない。やはりアメリカの方が原作者ということに納得してしまう自分がかなしい。
大人も年若い人もぜひこのシンデレラの物語を読んでみてほしい。 -
昔話のシンデレラ(灰かぶり)をもとにしたまったく別のお話し。自由になりたい、こういう人になりたい、と思うことからすべてが始まる。シンデレラだけでなく、王子さまも、二人のお姉さんたちも。自分のなりたいものになる、妖精はそのお手伝いをしてくれたのです。
現代のお姫さまは、白馬に乗った王子さまを待つだけではなかった。 -
そこはレベッカ・ソルニットですから、"継母や義理の姉たちにいじめられていた善良な女の子が、王子さまに見染められ結婚して幸せになる、めでたしめでたし…"というお話であろうはずがない。
自由、自立、分配。現在の課題を纏いながら、シンデレラは自分の力で幸せになっていく。シンデレラだけでなく、王子の解放も忘れられていないのがよい。
ラッカムの挿絵も素晴らしい。説教くさくなりがちなテーマではあるけれど、ギリギリなってない。
お話の世界に説教はいらないもんね。 -
「いちばん素敵で、自由な姿になれるように──世界中で知られる民話が、現代の寓話に生まれ変わる。ラッカムの魅力的なイラストとともに贈る、すべての人の「変容」をめぐる魅惑の物語絵本。」
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シンデレラが「灰かぶり」という意味なのは、聞いたことがあった。いつも煤だらけだから、シンデル(木炭)が名前に付けられた、という冒頭は、「ふぅん、まぁ聞いたことはあるな」と思ってたけど、そこから転じて最後に「本当の名前は・・・」とくる展開は、「おぉ、なるほど」と思ったね。誰でも知っているお伽噺にマンスプレイニングで有名な作家が、女性の権利論のテイストを混ぜた、というと構えるところがないとはいわない。まぁ、アラフィフのおじさんとしてはね。なんかキツイこと言われるのかなぁ、と。絵本なんだけど、文字は細かいしね。読み進めていくとお伽噺からファンタジックな要素を削った、くらいな印象かな。魔法使いも、ガラスの靴もねずみとかの動物が変身した御者も出てくるんだけどさ。削られているのは、シンデレラは王子様と結婚して幸せにくらしましたとさ、という部分。二人ともまだそんな年じゃないんだから、とそれぞれの人生を歩んでいく。謳歌しているといってもいい。人生って、そういうものだよね、と。そのあたり、地に足のついた物語という気がした。劇的に感動したかとか面白かったか、というと、それはまた別の話なんだけどね。
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シンデレラだけど、よく知っているものとはちょっと違う話。
舞踏会でガラスの靴を落として帰ってくるところまでは同じでしたが、その先は違うお話でした。
魔法使いの妖精が「本当の魔法は、いろんなものたちが、いちばんすてきで、自由な姿になれるように助けることなんだよ」と言うところが好きでした。
そして変身した動物達にこのままでいたいかどうか尋ね、ある者はそのまま、ある者は戻りたいと言って元に戻るのも印象的でした。
そして王子様がシンデレラを見つけて、結婚してめでたしめでたし、ではなく、2人は友達になり、王子もなりたい自分になる、という意外な展開に。
シンデレラはケーキ屋を営み、本当の名前で呼ばれている、という終わり方も素敵でした。
考えてみれば「灰かぶり」という嫌味なあだ名だった訳で、シンデレラと聞くと素敵な名前のようだけど、いい名前ではなかったんですよね。
なんだか新たな発見でした。
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アーサー・ラッカムの絵がまるでこの本の為に描き下ろされたようにぴったりだ。
シンデレラも王子も義理の姉さんたちも、トカゲも子ねずみたちも、自分と向き合ってピカピカの明日のために歩き出す。
まま母は『まま母』ではなく、意地悪とか妬みとか悪い気持ちに囚われたものの行く末を象徴しているのだろうな。 -
シンデレラをもとにしたアナザーストーリーの絵本。王子様と結ばれて幸せになるのではなく、登場人物それぞれが自分のアイデンティティを追求して、自らの手で幸せをつかむ。
本が薄いわりに字が細かいが、影絵のようなイラストもかわいい。 -
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