ルポ ゲーム条例;なぜゲームが狙われるのか

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309231266

感想・レビュー・書評

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  • 話題になった香川県の条例に関し、制定の経緯や問題点、その後の展開まで、丁寧な取材内容がまとめられています。

    賛成or反対という対立構造で語られがちな問題に対して、主観を極力廃し、冷静に事実を積み重ねる姿勢が印象的でした。

    これからも取材を続けていくと書かれてはいるものの、条例が成立し、主な裁判も結審した以上、この件が大きく話題になることはおそらくもう無いでしょう。

    だからこそ、書籍という形で記録が残されたのは有意義なことだと感じました。

  • 投票フォーム【自然科学・看護】No.31

  • 一瞬だけ話題になっても、すぐに忘れられてしまうのがニュースの世界。だからこそメディアによる責任もった調査報道が大切。
    香川のゲーム条例は、県行政自身が条例施行以後、大した実績残さず活用もしていない事から、政治家の実績作りに利用されたのが明白。条例自体が存在価値をなくし忘れられてきた。そのような状況で、こういった本の意味が出てくる。
    条例自体の不可思議さだけでなく、地方議会の不透明さが浮き彫りになってくる本書は、地方自治に対する問題提起として、とても重要な調査報道である。県民に選ばれた議員が、どこを向いているのか。本当に県民と向き合っているのか。地方自治において民主主義が機能しているのか。そういった事が、ケーススタディとして書き綴られている。
    地方選挙の投票率が過去最低を更新し続ける中、ゲームを一助に考えることも必要ではないか。

  • 世間を賑わした香川県の「ゲーム条例」について、テレビ局の担当記者によるルポ。
    ネットゲームの世界では、チート(イカサマ)はBAN(アカウント停止などの措置)されるのが常識なんですが、政治の世界でそれは通じないみたいですね。当事者不在で議事録のない密室審議にパブコメの組織票、条例制定という結論ありきの暴走にしか見えず、民主主義の軽視に憤りを感じます。
    香川県の子どもたちはこれを機に、民主主義とは何か、科学的な分析とは何か、正義とは何かについて考えてもらいたい。

  • ふむ

  • 香川県議会の議員提出条例である、いわゆる「ゲーム条例」について、地元放送局の記者が約3年にわたって、取材、検証した記録をまとめたもの。
    条例制定の経緯や過程、パブリックコメントの水増し疑惑、条例を巡る裁判、条例の科学的根拠への疑問、条例に基づく事業、関係者の声など、「ゲーム条例」について問題意識をもって、多角的によく取材されていて、読み応えがあった。
    「ゲーム条例」についての自分の考えとしては、条例の中身自体は、一定の立法事実はあり、あっては絶対ダメなものとはいえないし、違憲性があるとも思わないが、策定に当たった委員会が非公開で議事録がないことや、パブリックコメントの水増し疑惑など、制定過程は透明性に乏しく、大いに問題があるのではないかと思った。
    条例の制定に当たっての議会事務局サイドの役割や影響等についても記述があるとなお良かったと思う。

  • この条例を取材し立場から書かれた本で、この条例の取材として最も詳しい内容の本だと思う。

  • まあ、どう考えても大山一郎香川県議会議員の暴走でしょう。典型的な老害ですね。そうならないように気をつけたいです。

  • 香川県のゲーム条例制定前後の動きを取材している。
    結果的に制定後に何か変化があるわけでもなく他県も追随していない

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著者プロフィール

KSB瀬戸内海放送記者。1979年、香川県生まれ。東京大学文学部卒業後、放送局に入社。ニュース取材やドキュメンタリー制作を行う。著書に『あの時、バスは止まっていた 高知「白バイ衝突死」の闇』。

「2023年 『ルポ ゲーム条例』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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