本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309241319
作品紹介・あらすじ
本書は死のトポスを描いた物語ではなく、死の意識の根源にあるカオスの絶えざる差異化運動の物語である。古今東西の「生と死のコスモロジー」に代えて、「生(=死)のコスモソフィー」を提起した理由がそこにある。
感想・レビュー・書評
-
知的目眩のする本。酩酊とは少し違う感じ。言いたい感じはわかる気がする。共感度は高め。ただし、共感できても説明は難しい。そういうものなんだけど、共感を覚える。いいことを言っているとか、面白いことを言っているという説明ではうまく言えた感じがしない。共感を持って読めた。それが正しい感じ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第一章は、「死の意識」と題される。死の恐怖をどう考えるか。著者の議論は、現代科学批判に向かう。ここで著者がとらえる科学とは、確かにありそうな科学であるが、必ずしも科学の実態ではない。現代科学の問題は、科学に内在するというよりは、学会なり病院なりという、むしろ「社会制度としての科学」にある。それは、信仰に対する教会、マルクシズムに対する旧ソ連と似たものであろう。著者はむろん科学を否定していない。しかし、科学に対する著者の関心を思えば、科学をことさら異化する必要も、もはやないのではなかろうか。哲学の関心のなかに統合されてよいはずなのである。
全3件中 1 - 3件を表示