- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309249407
感想・レビュー・書評
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こんなに親身になった言葉をかけてくれるなら、裁判の被告になっても良いかな?
なんて、思っちゃダメですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この方の裁判傍聴シリーズ好きなんだが、今回は裁判官の方の描写にちょっと押し付け感を感じてしまった。
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法律に基づいて量刑を判断する場で人間味が溢れる説諭をしてもらえたら、少なからずその後の人生の支えになるのだろうなと感じながら読み耽りました。
被害者の立場で読むとまた違った感想になるのかもしれません。 -
一回の短い裁判の内容がまとめられている。裁判も人生模様を映し出す。
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TVのドラマのような裁判長は存在するんですな。
冷徹な人物を想像していましたが、
人間的な裁判長の一言でやり直そうとする人がいることを知りました。 -
県立図書館の新春福袋の最後の一冊。
「刑事法廷は涙でかすんだ‥‥」と副題にある。
確かに感動的な裁判長の説諭はいくつかあった。
しかしながら、北尾トロさんの裁判傍聴記録本を読んだ直後に紐解いたからか、あんまり共感できなかった。
本書の記述は、「感動的な説諭」を強調するあまり、時には物語形式、時には裁判記録に著者の思いと想像を入れ込む方式、を採っている。なんとか読者を感動させようという想いが全面に出過ぎていると思う。一方で北尾トロさんの書き方は、一貫している。事実は傍聴記録から明らかになったこと以外は一切書かない。いかに興味深い被告人であろうとも、弁護士や検察や裁判官や親族に(おそらく)一切取材していない。長嶺さんも取材していないだろうけど、まるで取材したかのように書いているのである。トロさんは事実描写だけから「人生模様」を描いていたし「人間批評」をしていたので、私はトロさんの文章を信頼したのである。
裁判傍聴記は楽な仕事ではない。記事にできるような面白い裁判はほんの一部だろう。裁判所に赴くと当日の「裁判予定」を見る。被告人のプロフィールとか載っていないから、「詐欺」とか「窃盗」とか少ない情報で、傍聴を決めるしかないのである。裁判官の心ある説諭(判決後のひと言)なんか滅多にないから、本にしたいのはよくわかる。でも感動的にするために、話をもってるんじゃないか?と思わせたらダメなのである。特に裁判みたいな話ならば尚更。
私も基本的に事実認定と意見は分けて書くようにしている。最も理想的なのは「事実のみ」で泣かせる話を書くことである。その最たるものが三浦英之「南三陸日記」だった。ノンフィクションを勘違いしている読者は多いが、事実しか書いてなくても、それは著者の主張だらけの作品なのである。事実の何を選択するか、そこにこそ、ジャーナリストの腕の見せどころがある。北尾トロはジャーナリストだった。長嶺超輝はエッセイストである。
というわけで、記事の紹介をしようと沢山付箋紙貼ったけどできなくなった。私の意見だらけのマズイレビューである。裁判長は全員当時の裁判所と実名で紹介されている。そこに著者のどういう想いがあるのかは、私は測ること叶わなかった。
普段は読まない「読み物」系の法シリーズを続け様に読んだ。世界が少し広がった。新春福袋に感謝。 -
ひとつの裁判については数ページで簡潔です。
本のタイトル通り、裁判官の説諭の部分にスポットを当てているので、とても読みやすかった。
事件について、詳しくは書いていないけど、事件のドキュメンタリーではないのでこれで良いと思います。主役は裁判官です。
物足りなさは少しあるけれど、裁判の取材をし続けている著者が「この裁判官のこんな言葉が響くんだよね」と感じたものを取り上げているので、テレビでしか見かけることのない静止画のような裁判官の並んでいる様子からではわからない、ひとの関わりを感じる内容でした。
裁判の傍聴に興味はあるけど、なかなか敷居が高いなぁという印象を持っていましたが、読了後は少し、身近に感じました。 -
読みやすいけれ。もう少し事件の内容を知ってから読みたい、裁判を傍聴しに行きたい、と思わせるいい意味で物足りない本。
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一つ一つの話は短く、要点を書かれているのですぐに読める。他書でも読んだことがある話も紹介されているが、それぞれの逸話に裁判官から、更生させようとする思いが伝わってくる。罪の問題、被告人の心の持ちようなど、思いは様々であるが、それでも被告人に対し、真摯に対応している裁判官たちには頭が下がる思いがした。もちろん、このような人ばかりではないと思うし、だからこそ本書のような本ができるのだろう。
それぞれの話について、もう少し詳しく知りたいと思うが、誰かそういう本も書いてくれないかなぁ~。