認知症になるとなぜ「不可解な行動」をとるのか: 深層心理を読み解きケアの方法をさぐる
- 河出書房新社 (2005年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309251868
作品紹介・あらすじ
"ボケ""痴呆"と呼ばれてきた認知症の人々の「心理」に焦点を当て、健常な人が「不可解な行動」と感じるさまざまな言動が、なぜ起こり、何を意味しているのか、また、どのように接していけばよいかを、ケーススタディを中心に解説。
感想・レビュー・書評
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書店で増補改訂版を見かけたので、図書館で借りてみました。認知症高齢者の心理面に着目。
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今のところ、私の周囲には認知症の方はいない。
それでも、同級生や会社の同僚、その他いろんな方の体験を聞いて、いつかは自分も関わっていくことになるのかな、と漠然と思っている。
いざ関わってしまうと、気持ちに余裕がなくなってしまうのではないか、そんな気がする。
だからこそ、今、読んでみた。
認知症の方がとる不可解な行動。
それをひとつひとつ解説している本。
その行動をとってしまう背景に、どんな思いがあるのか。
対処方法は、その人それぞれであり、状況にもよる、ということだが、いくつかのパターンを知っておくだけでも心のもちようが違ってくるのではないかと思う。
いざという時のために、理解を深めるために、
そしてケアする人のために、読んでおいていい本だと思う。 -
認知症を「こちら側」の視点で描いた本。
僕の描く認知症の世界観とは違ったけど、
ああ、こうゆう見方ができるんだ、
と思った。
「深層心理」というよりも、
ふつうの人なら、こうゆう状態になったときに、
どんな気持ちになるの?を考えなさい、という、
大切なんだけど当たり前のことを気づかせてくれる本。
参考になった。 -
例を出して説明がしてある。とくに参考になるような新しい知識はなかったが、普段の対応も間違ったものではないという自信には繋がった
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症例が多く示されており、読みやすい。おつりの計算ができなくなった父親に計算ドリルを勧めたら激怒されたケースと、親の介護疲れ解消も兼ねて、旅行に一緒に行ったら、夜間に妄想が出て散々な思いをしたケースが、特に印象に残った。認知症の人の感じ方を、健常である私達が理解することで、今よりもよいケアやかかわりができるのでないだろうか、と一貫したテーマがあった。それは確かなことだけれど、毎日かかわらなくてはいけない家族やスタッフは、理解することは少しは救いになるけれど、つらさは根本的には解消されない。実際切羽詰まった状況にいる人には物足りないとも思った。物を盗られるという妄想に対しても、私は三好春樹氏の説明の方が私は好きだ。