認知症になるとなぜ「不可解な行動」をとるのか: 深層心理を読み解きケアの方法を探る

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309255705

感想・レビュー・書評

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  • 「まず、理解しておかなければならないのは、認知症の症状が進んでも、感情機能は障害されず、かなり末期まで残っているということです。ここがどこだかわからなくなっても、悲しい、さびしい、嫌だ、うれしい、楽しいといった感情を、認知症の方は持ち続けています」(p43)
    色々なケースが挙げられていて、切なくもなり、また自分が将来そうなる可能性が100%ないわけでは無いということを考えると不安になったりもした。
    人間に与えられている感情機能がいつまでも残っているとするなら、互いに助け合いながら、うれしいとか楽しいとかといった気持ちで生きていけるような人間関係を構築していきたいと思った。

  • なにをするにも記憶が頼りにしていたが、その記憶に最近のものは断片的にしか存在せず、加えて20年30年分の記憶が完全に欠落していて、そのことにも気づかない、というあたりをリアルに描いてあってとても読み応えがある。

    本書からは少し離れるのだけど、自身を取り巻く「世界」は客観的な存在ではなく、たんに自分のこととして感じて見ている景色をそう呼んでいるだけだとすると、世界が失われていく過程は世界が変化することであり、世界の変化とは自分の変化そのものであるのに、自分の変化とは感じられないこと、というのはなにも驚くことではなく、そもそも認知とはそういうものではないかね?(上から)

  • 切実。

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著者プロフィール

2022年6月現在
東北福祉大学総合福祉学部福祉心理学科教授

「2022年 『心理学と心理的支援』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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