シネマ落語

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 38
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309271460

作品紹介・あらすじ

チャップリンが幇間持ちに!?オードリーが吉原の花魁に!?名作洋画と古典落語のリミックス!落語界の鬼才による変幻自在の創作落語が遂に書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 映画狂の志らくさん、「タイタニック」「天国から来たチャンピオン」「ライムライト」「ローマの休日」「シャイニング」「タクシードライバー」と江戸落語のフュージョンとはこれまた粋です。NUMBER GIRL好きとしては、ZAZEN BOYSのライブに志らくさんが登場し、セッションをしたというのが気になってしょうがない。

    来年、独演会に行く予定なので楽しみ♪

  • 有名な洋画を古典落語に置き換えた、立川志らくの創作落語です。
    マルセ太郎の話芸「スクリーンのない映画館」も然り、
    オリジナルを凌ぐ出来栄えです。

    どの話もオチがいいんです。
    話の肝が凝縮されて、ぐっと感動が来る。
    センスですね。思わず喝采を挙げます。志らく恐るべしです。
    成せば成る。ナセルはアラブの大統領。シラクはフランス大統領。

    第1話「(映画)天国から来たチャンピオン+(落語)死神」
    夢半ばで死んだ若き花火職人 辰吉。しかし粗忽者の死神の手違いだった!
    神様に文句付け、他人の身体に収まるが、他人の騒動に巻き込まれ…。
    辰吉・親方・お玉の正直さ、純粋さに尽きる。「アウアウ!お~たま~!」

    第2話「(映画)タクシードライバー+(落語)素人鰻」
    居場所の無さに発するベトナム帰還兵の狂気を、明治の士族に見出した着眼点が凄い。
    一線越えた俥屋は、果たして世の中に負けたのか?・・・答えは風の中。
    「ありがとうございます・・・・・・お侍さん」

    第3話「(映画)ライムライト+(落語)たいこ腹」
    「喜劇は距離を置いた人生。悲劇は身近な人生」(C.チャップリン)
    “たいこ腹”の幇間の老後を描き、喜劇が胸に迫る悲劇に生まれ変わる。
    哀しい気分でジョークだぜ、観音様。「ああ、良いお座敷だ」

    第4話「(映画)タイタニック+(落語)抜け雀(+岸柳島)」
    中身の無い大作映画タイタニック('97)を、志らく得意の皮肉で滑稽話にしちゃった感じ。
    端々にくだらない。「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃ!」とか地武太の殿様とか氷山一角とか。
    ところが最後はファンタジーで締めるなんざ憎いね。コンチクショウ。

    第5話「(映画)ローマの休日+(落語)唐茄子屋政談」
    オリジナル映画にほぼ忠実な「浅草の休日」。
    盃の返杯があるあたりが創作点。

    第6話「(映画)シャイニング+(落語)鰍沢」
    鰍沢の怖さをシャイニングの世界で増幅。
    最後は力ずくの笑いで締めた。


    志らくのシネマ落語。いつか口演を観たい。

  • 立川流落語の真打、立川志らくによる創作落語を書籍化したものです。六つの名作洋画を古典落語に置き換え、時代も江戸時代~明治時代に設定されたお話になっています。

    第一話:天国から来たチャンピオン(死神)
    第二話:タクシードライバー(素人鰻)
    第三話:ライムライト(たいこ腹)
    第四話:タイタニック(抜け雀)
    第五話:ローマの休日(唐茄子屋政談)
    第六話:シャイニング(鰍沢)

    ニューヨークが江戸の町になりローマが浅草になり、タイタニック号は三十石船に、小説家ジャックは噺家の正吉に、道化師カルヴェロは年老いて落ちぶれた太鼓持ちの一八に、バレエの踊り子テリーは柳橋芸者のおてるに。
    とにかく、上手いなぁとしか言いようのないお話の展開に、笑ったり泣いたり。
    読んでいる時の心地よい疾走感は、ロックでありジャズであり、最後の落ちはまさに映画のエンディング。
    これはもう、パロディという域をすっかり越えていますね。
    映画好きの人も落語好きの人も、どちらも楽しめる1冊だと思います!

  • 映画をモチーフにした古典風新作落語
    しかし、落語は落語として聞かないと面白くない。

  • 面白かった。独演会行ってみたくなりました。

  • 天国から来たチャンピオン、ライムライト篇が秀逸。古典落語と無理に引っ掛けなくても面白いのではないかと思う。

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著者プロフィール

立川志らく
落語家、映画監督(日本映画監督協会所属)、映画評論家、劇団主宰と多彩に活動中。TBS「グッとラック!」MC「ひるおび !」コメンテーターと、月曜から金曜まで朝の情報番組に出演中。寅さん博士、昭和歌謡曲博士の異名も持つ。1963年8月16日東京都生まれ。85年10月立川談志に入門、95年真打昇進。父はクラシックのギタリスト、母は長唄の師匠という家庭に育つ。特技はダーツ、けん玉、ブルースハープ。「第73回(平成30年度)文化庁芸術祭」 大衆芸能部門 優秀賞受賞、著書多数。96年より『キネマ旬報』に連載中の「立川志らくのシネマ徒然草」は異例のロングラン連載となっている。


「2019年 『立川志らくの「男はつらいよ」全49作 面白掛け合い見どころガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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