ロスト・シング

  • 河出書房新社
3.93
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本棚登録 : 611
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309273303

作品紹介・あらすじ

ぼくが見つけたのはへんちくりんな迷子。そいつの居場所を探すふしぎな旅が始まった-。

感想・レビュー・書評

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  • ダルマストーブとヤドカリと蛸が混じった変な生き物を見つけた主人公。その生き物の行き場所を探すのだが…。奇妙な絵が不思議なノスタルジーを誘う絵本。

  •  ぼくが海辺で出会ったのは、赤いだるまストーブとヤドカリとタコが合わさったような奇妙な生き物…街でもとっても目立つのにその存在は誰にも意識されていない…話してみるととてもいいヤツで、迷子であることがわかった…。ぼくは、その生き物の帰る場所を一緒に探すことにしたのだが…。

     変わった絵本…こんな絵本を手にするのは初めてかなぁ~背景は教科書のコラージュ、手書きのような優しい文面…レトロな感じがしていい感じです(*'▽')迷子になったこの生き物もどこか無機質で硬い印象だったんだけれど、少年が居場所を探し歩く中でだんだんとその印象が変わってきました。何とか、この生き物が楽しそうに過ごせる場所にたどり着けたけれど…最近は忙しいからなぁ~と…。忙しいことで、迷子がいても意識できないかもしれない、迷子を心配してあげる優しい気持ちを失ってしまうのはさみしいことかなって…そんな風に感じました。

     この作品もManideさんがショーン・タンさんの作品を勧めてくださったのがきっかけで読むことができました。あのヨシタケシンスケさんも影響を受けた作家さんなんですって…!ありがとうございます。

    • かなさん
      猫丸さん、こんばんは!
      猫丸さんからのコメントをみて
      速攻調べましたが、地元の図書館にはないみたい(*_*;)
      激しく、残念です…。
      ...
      猫丸さん、こんばんは!
      猫丸さんからのコメントをみて
      速攻調べましたが、地元の図書館にはないみたい(*_*;)
      激しく、残念です…。
      でも教えてくださってありがとうございました!
      2023/07/07
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      かなさん
      美大や芸大に知り合いがいらっしゃれば、と思ったので猫も調べてみましたが、、、
      結構置いてあるところは少ないし、館内でしか視聴出...
      かなさん
      美大や芸大に知り合いがいらっしゃれば、と思ったので猫も調べてみましたが、、、
      結構置いてあるところは少ないし、館内でしか視聴出来ないところが殆どでした。

      CiNii Books - 大学図書館の本をさがす - 国立情報学研究所
      https://ci.nii.ac.jp/books/

      カーリル | 日本最大の図書館蔵書検索サイト | カーリル
      https://calil.jp/
      2023/07/10
    • かなさん
      猫丸さん、こんにちは!
      調べてくださったんですね♪
      ありがとうございます(^-^)

      残念なことに、美大や芸大の知り合いもいないし…...
      猫丸さん、こんにちは!
      調べてくださったんですね♪
      ありがとうございます(^-^)

      残念なことに、美大や芸大の知り合いもいないし…
      館内で観るにしてもあまり遠いところにはいけないし
      なら、買ってしまうのはどうかも含めて
      ゆっくり色々考えてみますね!
      2023/07/10
  • 夏のある日、少年は海辺で迷子の奇妙な生き物と出会い、その飼い主をさがして街を歩きまわる
    はたして迷子の家は見つかるのか・・・

    「変える場所」「帰属」というテーマを常に追い求めている作者のメッセージが込められた作品になっている


    そして、この絵本にはいろいろと遊び心のある面白い仕掛けがある
    ・絵を取り囲むセピア色のコラージュは物理と数学の教科書を切り貼りしたもの
    ・教科書と物語の文言がシンクロしている
    ・表紙をはじめいくつかの絵は、有名な先人の絵のパロディになっている
    (わたしは有名な先人たちの絵をしりませんでしたが…w)
    ・そして、最後のぺーじで元ネタにとなった画家たちにこっそりあやまっているwww

    以上、訳者あとがきより
    あとがきを読むともう一度読み返したくなると思いますよね( ̄ー ̄)ニヤリ

    • なおなおさん
      みんみんさん、今回はブーメランね!
      前にD師匠に、ピストル型のバトンを放ったことある^^;
      みんみんさんレビューの岸本佐知子さんの本、面白か...
      みんみんさん、今回はブーメランね!
      前にD師匠に、ピストル型のバトンを放ったことある^^;
      みんみんさんレビューの岸本佐知子さんの本、面白かったです。特に「罪と罰を読まない」が気になります!
      2023/03/17
    • みんみんさん
      罪と罰を読まない…気にしてください(〃ω〃)
      罪と罰を読んだ「ひまわりメロン氏」にも好評でございました笑
      罪と罰を読まない…気にしてください(〃ω〃)
      罪と罰を読んだ「ひまわりメロン氏」にも好評でございました笑
      2023/03/17
    • 1Q84O1さん
      ひまわり師匠元気にしてるかなぁ〜(;_;
      ひまわり師匠元気にしてるかなぁ〜(;_;
      2023/03/17
  • 『孤独』とは何か、『帰属』とはどういうことか、いやでも考えさせられる。その圧迫感も、ショーン•タンのこの圧倒的な絵の力があってこそ。

    数年前、小学校の"巡回図書室"の日。司書の方々が各学年向けに選定した大量の書籍の片隅にこの本を見つけた。緻密に描き込まれた絵と記号。何処となく無国籍的で重苦しそうな雰囲気。子供達には誰一人としてヒットしなかったようだ。
    「でも、ぼくはこの本を手にとったよ。なんだかこの本が、あの"迷子"と同じように見えたからかもしれない。」
    …読み終えたら、そんな声が聞こえてきた。そんな絵本です。

    • 青格子さん
      圧迫感!
      この重苦しくて奇妙感じを表す言葉が、自分では見つからなくて、感想を書かずにいたけれど、なるほど、圧迫感ですね。
      圧迫感!
      この重苦しくて奇妙感じを表す言葉が、自分では見つからなくて、感想を書かずにいたけれど、なるほど、圧迫感ですね。
      2023/05/05
  • ショーン・タンのデビュー作。彼自身の監督で映画にもなっているらしい。観たすぎる。

    お話はシンプル。「ぼく」がある日、迷子の、奇妙な赤いポットみたいな生き物を拾い、それをよりふさわしそうな場所(ひょっとして"それ"にとっての家かもしれない場所)に連れていく。ただそれだけ。

    「この話の教訓はなにかなんて、聞かないでほしい。」

    教訓はないとしても、「迷子」というテーマについては示唆にとんでいた。

    「もう迷子なんていうものは、この世からいなくなってしまったのかもしれない」

    「いや、もしかしたら、ぼくの目に見えなくなっただけなのかもしれない」

    「ぼくも他のことをやるのに忙しすぎるんだろう、きっと」

    上の3つの文に本書がそのまま集約されているように思う。本書は迷子を助ける話ではなく、そうこうするうちに自分自身が「迷子」になる話だ。きっと。

    ただしおそらく、少なくとも本書においては、迷子というのは行き先がわからない、帰るところを見失う、という意味ではない。

    ぼんやりと街をさまよう「ぼく」はまだ迷子ではない。夢中に、いそがしく、何かをするところから、迷子は始まる。

    見返しのメッセージが奥までささった。全文引用したいくらいだけど一部だけ。

    「……やるべきことは他にいくらでもある。この本を読めば少しはそういったことの足しになるかって? まずならないだろうね。この見返しからして、すでにじゅうぶん無意味で、なんの参考にもならなくて、読むだけ時間のムダだ。……出版社は、もっと簡潔にあらすじを書くようにしなきゃね。でないと、これが有益な本かどうかわからないもの。そうだろ?」

    このメッセージが言いたいことは"要するに"こういうことだ。

    「ほら、きみも迷子だ」

    そして「要するに」と書いた時点で私は迷子確定だ。

  • 2011年度アカデミー賞(第83回)短編アニメーション賞受賞作の原作絵本ですって。。。チラっと画像を見ましたが、クレイ・アニメーションみたいですね(監督レオ・ベーカー)。

    河出書房新社のPR
    「少年が海辺で出会った迷子は大きくて赤いだるまストーブとヤドカリとタコが合わさったような奇妙な生き物。街でも目立つのに誰もその存在に気づかない。アカデミー賞受賞映画の原作絵本!」

    IMDB
    http://www.imdb.com/title/tt1669698/

  • ショーン・タンの絵本第一作。シンプルな構成の中、随所に散りばめられた遊び心が楽しいグラフィカルな絵本。
    裏表紙の手紙も、度々挿入される洗脳的な国家管理局の広告も面白いけれど、見返しの読者へのメッセージが特に良かった。実用的なものを忌避し、自由さや無垢さ、簡単には分類できない“ちょっと周囲から浮いたように見えるもの”にこそ価値を見出すスタンスが、本編からだけでなく見返しにまでユーモアの形を取ってこぼれてくるのにはニヤッとさせられる。
    作者自身による本作の短編アニメーション化は、アカデミー賞を受賞しているとのこと。未見なのでまた観てみたいと思う。

  • アニメを先に観た。不思議な世界の奇妙な物語。

  • 迷子ってお前だったんかい!!?
    という、ショーン・タンは触手と無機物のハイブリッド生命体??までも迷子にしてしまう…
    はたして彼?が去っていった先は、どこだったのか…

  • よるべないものへの優しさ

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著者プロフィール

1974 年オーストラリア生まれ。幼いころから絵を描くことが得意で、学生時代にはSF 雑誌で活躍。西オーストラリア大学では美術と英文学を修める。オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。2006 年に刊行した『アライバル』は世界中で翻訳出版されている。イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとしての活躍の場を拡げている。9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2010 年に第83回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞。2011年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。2019年には日本で初めての展覧会を開催。現在メルボルン在住。

「2020年 『ショーン・タン カレンダー 2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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