誰もいわなかったシンプルゴルフのすすめ

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309278650

感想・レビュー・書評

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  • ドライバーが一番軽く、フェアウェイウッドはドライバーよりも重いものを選ぶ(番手に合わせて重くなる)。
    肘や手首は使わずに腕を回旋させてアームローテーションを行う。
    バックスイングでは左肘は伸ばしたままで、右の肩甲骨を引くイメージ。
    インパクトでは右足に体重を残し、右踵は上げない。
    オープンスタンスドリルでアームローテーションの感覚を掴む。
    本番前にオープンスタンスドリルの素振りをすると効果的。
    クローズドスタンスドリルで左足に体重を乗せて右肩を回し過ぎる癖を直す。
    右サイド回転ドリルでダウンスイングでの状態の突っ込みを修正。
    アプローチで転がしたいときはアームローテーションを使い、スピンをかけて止めたいときはアームローテーションとヘッドターンを抑えて打つ。
    バンカーショットでフェースを開くときには、先にフェースを開き、それから両手をグリップする。


    ・クラブを持たずに前傾姿勢になり、両腕を一自然に下げたとすれば、バックスイングでは胸を右に回しながら、両腕の全体を右側に回旋します。その位置から今度は胸を左に180度回しながら両腕全体を左側に回旋します。胸が最初の位置に戻つたところがインパクトエリアとなりますが、この部分で両腕が入れ替わるようにして回旋することがよくわかるでしよう。これがアームロテーションです。
    ・本来は腕を受動的に使うのがべストですが、そうはいっても練習量が少なく、感覚的によくわからないという人は最初のうちは意図的に腕を使う意識を持ってもいいでしよう。ただ、何度も説明しましたように両ヒジから先や手首だけを回すのはいけません。肩の付け根から先の両腕の全体を回してください。
    ・バックスイングでは右ヒジを下に向けた状態で、両腕を右に回旋しながらクラブを上げていきます。左腕はほぼ真つ直ぐに伸ばしておいて、右ヒジを折り曲げます。これがよくいわれる「右ヒジのたたみ」です。結果としてトップの位置で右ヒジの角度がほぼ90度となります。この右ヒジのたたみが、スムーズなアームローテーションを促すのです。
    ・バックスイングやダウンスイングで左ヒジが折れたり、さらにフォロースルーで左ヒジが引けたり折れたりするなど、これらの動きは最大のタブーです。
    ・バックスイングで両腕をスムーズに回せないために、スムーズなアームロテーションができていない人は、概して肩甲骨の稼働が使えていません。どうして肩甲骨が稼働しにくいかというと、肩周りの筋肉や関節が硬くなっているからです。プロたちが肩周りのストレッチにものすごく時間をかけるのは、肩甲骨の柔軟性を保つておくためです。肩甲骨の稼働こそが、アームロテーションとへッドターンのカギを握っています。
    ・肩甲骨の稼働を妨げないようにするには、アドレスの姿勢をつくるときに両肩をリラックスさせて、背中を少し丸めておくような気持ちで構えることが大切です。背中をきれいに伸ばそうとして、胸を張りすぎると肩が硬直してしまいます。それだと肩甲骨を最初から後ろに引き寄せるような形となりますから、肩甲骨の稼働の範囲が極端に狭まれて、両腕が回旋しにくくなるのです。
    ・インパクトの大原則は、「ハンドファース卜」です。ハンドファーストとはアドレス時と比べて両手を少し目標方向に突き出すような姿勢ですが、両腕を回すアームローテションができていれば自然にハンドファーストインパクトがつくられます。
    ・「腕を回すとハンドプァーストがつくれる」とは「腕を回す=腕を返す」のが正解で、「手を返す」というのは言葉の表現として間違っています。手だけを返す意識を持つと、両ヒジから先の部分だけを回したり、手首をこね回したりしやすいからです。
    ・両腕を回すアームローテーションが身につかない限り、インパクトでフェース面がスクエアに戻りにくいということを理解してください。
    ・またインパクトの形を想定して構えることもとても重要です。アドレスの形をつくり、腰を左に45度くらい回し、体重を左足に多く乗せるとインパクトの形ができますが、こうした姿勢をイメージしておくことで、実際のインパクトでも理想形に近い形がつくりやすくなるのです。
    ・プロたちは両ヒザをあまり深く曲げずに、腰を高い位置にキープするように構えていることに着目してください。
    ・リリースとはインパクトからフォロースルーにかけてクラブヘッドが体や手元を追い越す動きであり、クラブヘッドを加速させることを意味します。正しいリリースの実行には、クラブヘッドが一番速く動くべきであって、体の近い部分、とくに手元はゆっくりと動いていなくてはならないのです。「手打ち」に人は「腕を速く振らないとクラブは速く振れない」と思い込んでいます。
    ・インパクトでは「左腕が伸びて、右腕が曲がっている」セットアップを必ず実行するということです。左腕を伸ばしておくのは、スイング中に左腕をできるだけ曲げないで、左腕の長さが変わらないようにスイングするためです。そして右腕を最初から曲げ、右ヒジを内側に軽く絞った形をつくるのは、インパクトでも右腕が曲がっていることが絶対条件だからです。インパクトで右腕が伸びきっていたら、クラブヘッドを加速させることが出来ません。
    ・アドレスでは背骨のラインに沿って骨盤も前傾させて構えます。そして骨盤の前傾角度をキープしたままインパクトを迎えようと思ったら、両ヒザは伸びてないと無理です。
    ・正しいヒップターンとはバックスイングで腰を右にスライド、ダウンスイング以降は腰を左にスライドさせる動きです。バックスイングでは右ヒザが伸びて、右腰を切り上げるという感覚です。ダウンスイング以降では左ヒザが伸び、左腰を切り上げていくイメージです。腰がスウェーしているようなので間違った動きに見えるかもしれませんが、実はこれが腰の正しい動きで、ヒップターンの基本であることを理解してください。
    ・ダウンスイングで右カカトが早く浮き上がり、右ヒザが前に出て体が早く開いてしまいます。プロの右足の動きを見るとインパクトまで右カカトをほとんど浮かせず、べタ足に近い状態です。右足をしっかり踏みしめて右ヒザを伸ばしていく準備をしているのです。
    ・多くのアマチュアゴルファーはダウンスイングの始動と同時に体重を左足に乗せようとします。ダウンスイングからインてクトまではおへソがまだ右を向いているイメージです。つまり、右足重心のままでインパクトに向かうのです。
    ・日本のゴルファーは生活習慣からか、インパクトの際に「引く」ような動作をしてしまいがちです。クラブを左側こ引っ張ろうとしてアウトサイドインの軌道となり、それがスライスを生み出す原因となっています。プロたちはそれとは逆にボールを目標方向に「押す」イメージでスイングしています。だから右足重心が大事なのです。プロたちはバックスイングで引いて、インパクトで押しているのです。引くイメージではダウンスイングで胸が早く開いてしまいますが、押すイメージを持つとダウンスイングで胸が開かず、ボールをしっかりとつかまえることができます。
    ・正直なところ、プロたちは肩を回す意識なんてないのです。トップのポジションで肩が90度くらい回転したら、切り返しで骨盤を左に回旋し、それに伴って胸やおへソをボールの右側に向けたままで両腕を反時計回りに回旋します。

    ・左足を上げた右足だけの片足でスイングすることで、右足を軸足にして身体を開店するイメージを掴む。
    ・オープンスタンスドリルの効果としてはバックスイングで大きな「捻転差」をつくりやすいことです。肩と腰は飛球線と平行にセットしますが、スタンスをオープンにしておくと腰の回転が抑制されます。当然、肩の回転も制限されてきますが、そこを両腕のローテーションでカパーするのです。バックスイングで左の肩甲骨を引っ張り、左手の甲が上を向くように両腕を右に回旋しましょう。本番ショットの前にオープンスタンスドリルの素振りをしておくと、より効果的です。
    ・クローズスタンスドリルは両腕のローテーションを覚えるというよりも、右肩を回しすぎる悪癖を断ち切ることを目的とした練習法です。肩と腰は飛球線と平行にセットし、スタンスのラインだけを目標の右に向けておきます。こうするとダウンスイングからインパクトにかけて腰の左への回転が抑制されます。結果的に体の左サイドがロックされて、両腕が左側に自然にローテーションされます。
    ・右サイド回転ドリルでは、ボールを打ったら、クラブを自分から見て時計回りの方向に勢いよく戻して、クラブヘッドを右足の外側の地面につける練習をしてください。素振りだけでも効果があります。ダウンスイングで上体が突つ込んでしまう人は、ボールを打った後にクラブを右足の外側に戻すことができません。
    ・「水平素振り」では、まず直立の姿勢になり、クラブを胸の前で構えましょう。両腕をラクにして両手はお腹の前、クラブヘッドは両眼と同じ高さとなるようにします。そして左の肩甲骨をゆっくり引つ張りながら、左手の甲が上を向くように両腕の全体を右に回しましょう。今度はインパクトの形をイメージしつつ、両腕を元の位置に戻し、クラブヘッドも顔の真正面に戻します。その流れで右の肩甲骨をゆっくりと引っ張り、手の甲が上を向くように両腕全体を左に回します。この動作を連続素振りして繰り返すとアームローテーションが体に馴染んできます。ポイントは最初に構えたときの両手首の角度を変えないことです。腕やクラブをとにかく縦に振ろうとする人は、アームローテーションがなかなか身につきません。腕を横に振ることで両腕の回旋が自動的に行われるのです。水平素振りを繰り返しながら、上体を少しずつ前傾させてアドレスの姿勢に近づけてください。前傾角度がつくられれば両腕を真横に振っているつもりでも、クラブヘッドの軌道が傾きます。これが正しいスイングプレーンのイメージなのです。
    ・ハンドファーストのインパクトを体感するためのドリルとして、水平素振りと同じように立ち、クラブを胸の前で持ちます。そして胸の前で立てたクラブを左右に動かしましょう。クラブを寝かせずに、常に手元が先行してクラブヘッドが後ろからついてくるように動かすことが大切なポイントです。おヘソを左右に回し、体幹を主体にした動きをしっかりと意識しましょう。

    ・プロたちは、ドライバーの次にフェアウェイウッドを手にしたときに違和感がなくて、またく同じ感覚でスイングできるようにクラブマッチングを考えています。シャフトが一番長いドライバーはクラブの総重量がもっとも軽く、フェアウェイウッド、アイアン,ウェッジと短くなるに従い、総重量が重くなります。このようにクラブの番手ごとに重量が変わることで、同じ感覚でクラブを振りやすく、スイングの同一化をはかれます。ですが、フェアウェイウッドはドライバーよりも少し重いはずなのに、フェアウェイウッドのほうが軽いというアマチュアゴルファーを案外多く見ます。
    ・ドライバーもそうですが、体が硬くなったと感じた人や、柔軟性に欠ける人は少し重く感じられるフェアウェイウッドをあえて使いましょう。重いほうが体の可動域を広げやすく、アームロ―テーションもしやすいからです。
    ・アプローチでは、転がすイメージが強いのがッドターンを使うアプローチで、打ち出し角を高くし、スピンをかけて止めたいアプローチは、へッドターンをできるだけ使わないアプローチとなります。
    ・バンカーから1回で出すだけなら、通常のショットのようにフェースをスクエアにセットし、スクエアスタンスに構えて打つだけで十分です。ただし、クラブヘッドを上から鋭角に打ち込んだ後、インパクトで止まってはいけません。ボールの周りの砂を薄く取って、ピンの方向に飛ばすつもりでしっかりとスイングすることが大事です。そのためにも絶対に必要となるのが、アームロ―テーションであり、へッドターンなのです。バンカーはインパクトでの砂の抵抗が思いのほか強いので、ボールにクリーンに当たらない限り、大きめにスイングしても飛びすぎる心配はありません。
    ・バンカーショットの技術を磨くには、フェースを開いて打つことを覚える必要性が出てきます。フェースを開いて構えれば、ソールの出っ張りのバンスと呼ばれる部分が、インパクトの際にリーディングエッジよりも先に砂に着地し、砂の中をクラブヘッドが滑って行くように振り抜けます。またピンまでの距離が近いときや、アゴが高いときなどは、フェースを開いて打ちます。しかし、アームローテーションができない人がフェースを開くと、ボールが右に飛んで行きそうで、なかなか思い切って開けないのが現状です。
    ・フェースの開き方を間違えてもいけません。両手をグリップしてからフェースを開くと極端なハンドファーストの構えになってしまいます。先にフェースを開き、それから両手をグリップするのが正しい手順です。

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。14歳からゴルフを始め、高校3年時に日本ジュニア出場。その後アメリカに留学。シトラスカレッジ(カリフォルニア州)では大学選抜として活躍。永住権を得られず、アメリカでのプロ転向を断念し1997年帰国。2003年よりプロコーチ活動開始。これまでに数多くの選手の初優勝、初シード入りに貢献する。ツアーに帯同する傍ら、2009年より本拠地を東京に移しレッスンを展開。プロ、アマ問わず、多くの悩めるゴルファーの駆け込み寺となっている。また新聞、雑誌、書籍のほか、YouTubeなどでも発信を続け、多くの支持を集めている。

「2023年 『ゴルフ 次のラウンドで 確実に100を切る裏技』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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