- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309290195
感想・レビュー・書評
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全部で十数ページの大人向けの絵本。
オフィスで働くセミは、こき使われ、ニンゲンに虐げられ、定年になってすげなく追い出されるが、最後にいっせいに変身し立場が逆転して終わる。
岸本佐知子氏が翻訳するだけあって、希望なのか自虐なのか、なんとも風刺のきいた絵本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
月イチ絵本。
なんだこの物悲しいお話は。
あらすじを見たときは
「蝉丸残日譚かよ!」
と思ったんですが、もう対照的に悲しい。
蝉丸はあんなだけどお気楽に楽しくやってるのに、こっちのセミときたら・・・
そうか。
夏にセミがあんなに鳴いてるのは、泣いてるんじゃなくて笑ってたのか。
解放され人間をあざ笑ってたのか。
いつか復習されなければいいけど。
それにしても絵が美しい。
さすがショーン・タン。
それにしてもなんともすごい作品を描いたもんだ。
いやもうなんですかね?
どんな感情を持ったらいいんですかね? -
答えはなく、いろんな解釈が広がる。
不思議な感覚になる。
かんたんな おはなし? -
このミニマルな哀切と感動はショーン・タンしかなし得ない!!
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セミって何よ。理不尽で暗い気持ちになるし、何が救いなのか分からないし、自分は頭が悪いのかと思うけれど、妙に気になるお話だ。解釈がたくさん浮かんでは消え、分からないことが心地よかった。
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大人向けの絵本
ぞっとした。鳥肌たった。怖い。
怖い、なにが?
セミが? 人間が? 会社が? 社会が??? -
立ち読み。
ほんの数ページで、感情揺さぶられる。ぐいっと。
ラストの綺麗さに少し救われる。 -
セミが人間と一緒に会社で働いている。誰からも認めらず昇進もせず、それでも17年間コツコツと。そして最後に。
人間社会や人間の心の闇。飛んだセミが人間に対して「わらいがとまらない」のは哀れみか、滑稽さか。理不尽なことやおかしなことはたくさんある。そんなことだらけだ。でもそんな場にはいなくていい。真剣に向き合わなくていい。さっさと手を引けばいい。基本、人間なんてたいしたことない。その感覚を持っていられるか。