- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309291246
感想・レビュー・書評
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イグアナぽい原住民がいる大陸をウサギたち(明らかに西洋人を表しているよなあ)がじわじわと侵略していって、戦争もし自然を破壊していく。ショーン・タンの絵がシュール。なんだろうね、この迫力は?!人間のえげつなさがぐいぐい迫ってくる。絵の力だよなあ。
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2023/12/25
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トナカイManideさん、メリークリスマス!
コメント欄にトナカイがやって来てくれて嬉しく思います。
本書はブクログユーザーさんたちの本棚で...トナカイManideさん、メリークリスマス!
コメント欄にトナカイがやって来てくれて嬉しく思います。
本書はブクログユーザーさんたちの本棚で見つけました。ショーン・タンが作画とは知らず。
オーストラリアのウサギの繁殖の歴史をもじって作られたのではないかな。2023/12/25 -
2023/12/26
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え、えぇ~、これ絵本なの……。
ウサギ
2021.01発行。字の大きさは…小。
【情報発信としての絵本】
この絵本は、欧米人によって、北米でインデアンが、中南米でマヤが、インカが、アフリカで黒人が…と、多くの土地で行われた侵略の歴史を、欧米人を、奇妙な、幾何学的なウサギで。先住民族を、奇妙な動物で描かれた、とても不思議な絵本です。
オーストラリアの先住民族アボリジニにおこなった事が描かれています。
昨日図書館で借りて、その場でページを開けた時に「え、えぇ~、これ絵本なの…」何か間違ったものを借りたかなと思い、返却しょうと思いましたが、何か…、この奇妙な、幾何学的で、抽象的なものに、妙に惹かれて持って帰って来ました(笑)
この絵本(?)の大きさは、ページを開くとA3用紙ほどの大きさに、幾何学的な、奇妙な絵→模様かな(?)が迫力一杯に描かれています。
絵を見ても分からないので、表紙と裏表紙に少し書いて有る説明文を読んでから、絵を文を見ていくこと2回、3回して、やっとオーストラリアで行われた、又は、アメリカ大陸で行われた、白人が先住民族の土地に入って、土地を財産を奪い。最後には、あの広大なオーストラリア大陸を征服し、オーストラリアに無かった病原菌を持ち込み、先住民族がバタバタと倒れていく様子を描いたものだと……。
ジョン・マーズデンさんの本を読むのは初めてです。
【読後】
この絵本は、オーストラリアで発行されてから20年以上して日本語に訳されて、私の手元にきました。それまでにも、中国語、スペイン語、韓国語、アラビア語などに翻訳されて出版されています。
最後のページに、奇妙なウサギと奇妙な動物が、水溜りを見て「だれが、わたしたちをウサギから救ってくれるのだろう?」の言葉が印象的です。私は、この絵本を、ただ侵略の歴史を描いたものとして捉えるのでなく、これからの私たちの将来の道しるべとして捉えたいと思います。
なお、著者は、絵本を情報発信のツールとして捉えているように思いました。
2021.03.03読了
2021.03.04書き直し-
2021/03/09
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本ぶらさん♪こんばんは(^-^)
ごめんなさい、コメントに気が付きませんでした。
久しぶりに「ウサギ」の感想を読んでみたくなりページを開...本ぶらさん♪こんばんは(^-^)
ごめんなさい、コメントに気が付きませんでした。
久しぶりに「ウサギ」の感想を読んでみたくなりページを開けたら、
本ぶらさん♪のコメントが有って、ビックリしました。
本ぶらさん♪是非、この本を手に取ってみてください、驚きが……
レビューを楽しみにしています。2021/05/03
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『ロスト•シング』でその圧倒的な画力に魅かれてショーン•タンの絵本を探した。何冊か読んだが気に入ったのはこれ。文はジョン・マーズデン作で、ヨーロッパ人のオーストラリア移入を彷彿とさせる。作品的には『ロスト•シング』より前。考えさせられる問題を内包しているが、注目点はやはりショーン•タンの描く絵が全てを語っている事だろう。侵略者として海の彼方からやって来る"ウサギ"達は、その建物も機械類も極度にデフォルメされている。"恐怖"と"美"が同居する荘厳な叙事詩だ。
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こんにちは。
感想を拝見して、この作品を手に取りました。
きっかけをくださり、ありがとうございます。
ショーン・タンの絵は妙に心に...こんにちは。
感想を拝見して、この作品を手に取りました。
きっかけをくださり、ありがとうございます。
ショーン・タンの絵は妙に心にひっかかります。
強いメッセージ性があるのですね。
この作品ももっと広く知られてほしいと思いました。
2023/03/29 -
shifu0523さん、コメントをありがとうございます。紹介した本を気に入ってくれる人が増えて嬉しいです。
絵本は人それぞれに好き嫌いがはっ...shifu0523さん、コメントをありがとうございます。紹介した本を気に入ってくれる人が増えて嬉しいです。
絵本は人それぞれに好き嫌いがはっきりと出るものだから、万人うけするものではないと思うのですが、この本のように、人のイマジネーションを『攪拌』してくれるような本が好きです。
たいへんよいコメントをいただきありがとうございます。2023/03/30
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オーストラリア児童文学賞受賞の建国寓話譚だそうです、、、
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309291246/-
エスペランサの部屋: 東京新聞(夕刊)「海外文学の森へ」第8回で『ウサギ』について書きました
https://esperanzasroom...エスペランサの部屋: 東京新聞(夕刊)「海外文学の森へ」第8回で『ウサギ』について書きました
https://esperanzasroom.blogspot.com/2021/05/8.html2021/05/05
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先日読んだ『芸術新潮(大人も読みたい絵本特集)』に載っていた。
20数年前の作品らしいが、今はどうしたってウクライナに重ね合わせて読んでしまう。 -
祖父の、祖父の、そのまた祖父の時代にウサギたちはやってきた。
・・
かれらは海からやってきた
・・
ウサギたちは、わたしたちのように森には住まなかった。
かれらは見たことのない食べ物をもちこみ、よその動物をもちこんだ
ウサギは国じゅうに広がっていった ・・
さらにたくさんのウサギがやってきた。
ときには、かれらとのあいだで戦いが起こった。
だがウサギはあまりに数が多かった。
わたしたちは戦いにやぶれた。
かれらはわたしたちの草を食いつくした
・・・
そしてわたしたちの子どもをさらった。
・・
あの黒々とした豊かな土地はどこへいった?
・・
だれが、わたしたちをウサギから救ってくれるのだろうか?
ジョン・マーズデン 文 1950メルボルン生
ショーン・タン 絵 1974西オーストラリア・フリーマントル生
オーストラリアにやってきたイギリス人をウサギにたとえ、先住民の追いやられた歴史を表した。こんな短い文で表されていることに感嘆する。とがったウサギと茶色の景色がざらざらして、アボリジニのくやしさと重い怒りを現わしていると感じた。
21.1.30初版 図書館 -
絵力が凄い!大型本なので圧倒されます。ウサギというので愛玩動物をイメージしていると別物が大量にやって来て先住民を駆逐します。色彩豊かな場面からモノトーンに変わるインパクトが大きい。船に乗ってやってくるウサギは白人で、駆逐されるのはオーストラリアの先住民を連想させますが、普遍的で歴史上繰り返してきたサピエンスの生き様です。今日の日本人から見るとウィグルをジェノサイドしている中国人像がダブります。ただ、この物語、ウサギの言い分を聞いていません。
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表紙のあまりの美しさに手に取った。
中身も1ページ残らず美しかった。絵に見惚れすぎて最初は話が頭に入ってこなかったほどだ。
改めて読み返す。
話としては、ある地に別の土地から『ウサギ』たちがはるか昔にやってきた。最初は友好的なウサギもいたが、次第に数が増え、最終的にウサギと先住民の間で戦いが起こり、先住民は多大な犠牲を伴いその地はウサギたちに侵略されてしまった。
幻想的で特徴的なデフォルメの絵は非常に美しいと共に、残酷さを、恐怖を感じさせた。
私は読みながらいろいろとショックを受け震えた。泣きたくなる気持ちになった。それでも目を離せなかった。文章も素晴らしいが、どうやったらこの短文からこれだけの絵を描けるのか驚嘆に値する。
先住民たちは戦いにやぶれ、そして、
「そして わたしたちの 子どもを さらった。」という場面では、先住民の子どもたちがウサギたちの飛空艇に紐で繋げられ、雲一つない鮮やかな青い空を舞っている。
個人的に、額面通りにさらわれたと捉えてもいいし、空を舞って運ばれていく子どもたちの絵を見ていると、彼らは天国に行ってしまったのではないかとも思えてしまった。
本作について、文章のジョン・マーズデン、絵を描いたショーン・タン、訳者の岸本佐知子、それぞれ解説やどういう思いでこの作品を作り上げたのかがコメントされている。マーズデンはオーストラリアの作家で、おそらくオーストラリアへの入植と、先住民の迫害を示唆していると思われるが、他にもいろいろな立場へと読み替えられる。先住民が迫害され根絶やしにされたのは、歴史上オーストラリアだけではない。
読みながら今のウクライナ人を根絶やしにせんばかりの、ロシアによるウクライナ侵攻を思った。
それを思うと余計身体が震える。
しかし岸本さんがコメントしているように、「『ウサギ』に勝者はいない。ウサギを一方的な悪者にして終わりにしてしまうには、この物語はあまりに重く、深い。」
岸本さんのコメントを見て、改めて最後のページを見た。荒れ果てた荒野と星空の中、ウサギと先住民が一緒に星空へと続く暗い穴を覗き込んでいる(ちなみに岸本さんは水に映った星空をいっしょに見つめているシーンと解釈している。そっちの方が正しい気がする)。とても寂しい絵だった。私にはその穴が両者を隔てているようにも感じた。しかし穴のそばを回り込めば、手と手を取り合える気配も、寂しい中にほんの少しだけ感じられるのだ。
ショーン・タンは「いちばん最初にジョンの文章を読んだときの僕がそうであったように、この本が一人ひとりの読者に、何度も繰り返される歴史上の因果について、紛争のパターンについて、破壊と和解について、深く考えるきっかけとなってくれればと願っています。」とコメントしている。
最後の文章、「だれが、わたしたちをウサギから救ってくれるのだろう?」に最初は嘆きと懇願だけを感じた。とても胸が苦しくなるラストだった。
けれど、「わたしたち」を、わたしたちの土地やそこに住まう生き物たちを救うのは、部外者であってもいいし、破壊し侵略した「ウサギ」自身であっても良いのではないか。
そう思った。
一生手元に置いて、何度も何度も読み返したい。