いぬ

  • 河出書房新社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309292007

感想・レビュー・書評

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  • 人と犬の間には距離がある。いろんな人間といろんな犬。最後は一緒に歩む。犬は人類の永遠の友なのだ。

    • goya626さん
      猫丸(nyancomaru)さん
      ちゃんとスコップと袋を持っている人も増えてきましたけどね。そうそう、裏の公園ででかい犬を手綱を外して走ら...
      猫丸(nyancomaru)さん
      ちゃんとスコップと袋を持っている人も増えてきましたけどね。そうそう、裏の公園ででかい犬を手綱を外して走らせている飼い主がいるのを見た女房が市役所に電話をしたら、すぐに放し飼い禁止の立て札が立ちましたよ。女房はでかい犬が怖いのです。
      2023/09/28
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      未だ読んでないのですか、先日教えて貰った話が、、、
      イヌはどうして犬になったのか、その歴史と進化 | ナショナル ジオグ...
      goya626さん
      未だ読んでないのですか、先日教えて貰った話が、、、
      イヌはどうして犬になったのか、その歴史と進化 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
      https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/327803/092800056/
      2023/10/02
    • goya626さん
      猫丸(nyancomaru)さん
      なんか本屋で見たような。
      猫丸(nyancomaru)さん
      なんか本屋で見たような。
      2023/10/03
  • 犬と人を繋ぐ。
    姿かたちは、違うけれど。
    いっしょに並んで歩き、風を感じながら歩き、走り、すべての美を見た。
    すべての光と影を知り終わりを知る。
    長い時が流れる。

    絵に描写に惹き込まれる。
    絵本だが、大人向け。



    深い青と黒にぼんやりと背を向けている犬と人の姿。
    やがてほんのり朱色と白を帯び犬と人の姿も変わる。
    朱色が紅く染まり、犬は上を向き人は座っている。
    黄色味を帯びたところに座る犬と膝をつく人。
    白い雪の降るなかに黒い犬としゃがんでいる人。
    緑と黄色の景色に犬と人。
    赤茶色に染まる鉄橋の下に犬と橋の上に人。
    モノクロに線路を挟んで犬と人、そして紅い火。
    道路を挟んで振り返る犬と人。
    横断歩道で犬を抱きしめる人。
    軽快に散歩する犬と人。
    犬と人も変わっていくが、近くにいる。

    そしてまた出会う。


    犬がたくさんのことに気づかせてくれる。
    犬がたくさんのものを見せてくれる。
    犬が前に進めと誘ってくれる。

    犬はいつもいっしょにいる。





  • 「かつて、わたしときみとはまったくの他者だった。」
    で始まるこの絵本は、人間と狼とが歩み寄り、やがては切っても切れないパートナーとなっていくさまを象徴的に描いている。

    死んで離れ離れになった人間にとっての犬、犬にとっての人間。それぞれが背を向け合い、時と場所を隔てて相手を待ち続けている絵が印象的。見開き8ページにもわたって、言葉のない、そのような似た構図の絵が変奏される。

    ページをめくるうち、おのずと昔いっしょに暮らした犬のことを思い出してしまい、胸が熱くなった。また、まだ見ぬ犬がこの絵本と同じように自分を待っているさまを想像するとたまらなくなる。

    思いだすたびに温かくよみがえってくるあの魂のつながりのようなものは何なのだろうと思う。
    あれは何ものにも変えがたいすばらしい何かだったが、とはいえよほどのことがなければ新たに手にしたいとは思わない。

    そんな、メビウスの輪のようにねじれた複雑な心情を、本書の絵は、背を向け合いながら互いを待つというかたちでほんとうに的確に表現してくれている。ああこれだ、と思った。

  • ずっとずっと昔、出会ったパートナー。今再び、一緒に歩こう。

    「アライバル」では超絶な画力と構成力で圧倒的なストーリーを描いてみせたショーン・タンが犬を題材にどんなお話を作ったのか気になっていました。ストーリーはわりとシンプルで、犬と人の絆を時を超えて描く。といったものなのですが、この単純なお話は意外に犬好き、特に長く犬を飼って亡くした人には刺さるのでは。この絵本のように、彼岸でもなんでもいいからいつかまた会いたいと心底願っているのは僕も同じだし。しかしこういう心境を描けるところが、ショーン自身がとても犬が好きだったり、おそらく飼い犬を亡くして救い難い失意に沈んだことがあることを物語っているようにも思います。また、必ずきな臭い絵を放り込んでくるのも彼らしいメッセージで共感。
    ともあれ、犬を飼ったことがある人の多くは知っている、人間の最良のパートナーであり、魂の友である犬についてかくもシンプルに描き切ったこの本は犬好きによる犬好きのためのレクイエムに違いないのであります。
    (とはいえガブリエル・ヴァンサンの「アンジュール」を超える名作にはなり得ない)

    ショーン・タンの描き出す世界観は暗くて孤独で寂しいけれどもそこに一片の灯火を忘れないところが好き。他にも色々出てるので折を見て読んでいこう。

    • ぱらりさん
      ヒヤマトモヒロさん、初めまして。
      たくさんのいいねありがとうございます。

      同じく私も読み終えた本を忘れないようにとブクログを始めました。が...
      ヒヤマトモヒロさん、初めまして。
      たくさんのいいねありがとうございます。

      同じく私も読み終えた本を忘れないようにとブクログを始めました。が、先日、既読本を図書館で借りてしまいました。しかも読了から半年も経っていなかった。トホホ…ブクログには本の登録のみだったので、頭に定着させるために感想を書こうと思いました。

      これからもよろしくお願いします!
      2023/11/14
    • ヒヤマトモヒロさん
      コメント&フォローありがとうございます!どうぞよろしくおねがいします。
      ほっとくと読んだ本はすぐに忘れてしまいますね。短くても感想文を書い...
      コメント&フォローありがとうございます!どうぞよろしくおねがいします。
      ほっとくと読んだ本はすぐに忘れてしまいますね。短くても感想文を書いておくと本の印象が深くなるし、内容も忘れにくいことを数年前に発見してからはがんばっています。ぱらりさんの本の感想も楽しみにしています。
      2023/11/15
  • DOG BOOK — shaun tan
    https://www.shauntan.net/dog-book

    ショーン・タン:日本公式サイト
    https://shauntan.jp/

    いぬ :ショーン・タン,岸本 佐知子|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309292007/

  • 文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯
    その他

  • 以前、ショーンタン展で原画を拝見したものが一冊の絵本になっていて、懐かしく手を取りました。新刊なのが驚き。私は正直なところ猫派で、犬を飼ったことはないのだけれど、飼い主と犬ならではの信頼関係や、犬のひたむきな眼差しには何人も踏み込めない尊い美しさを感じずにはいられません(羨ましいもの)。そういった飼い主と犬の間に流れる時間の美しさをこの絵本は見事に表してくれているように思います。全ての犬好きさんと、愛犬を失ってしまってもう犬を飼いたくない、って思ってるかたに、そっとオススメしたくなる本でした。

  • 読み終わった。

    ふぬ。

    私は、いぬ好きではないな。
    っと思った。




    きっと、これは作者が犬が好きだった。
    それは、そうだろう。





    飼っている。
    飼っていた。

    そうだろう。



    そんなに?

    いぬとニンゲンの歴史とかを思うけれども。

    私は猫を飼っていた。
    いぬは、親戚が飼っていた。




    ドラマティックな絵本である。

    言葉はあるが、言いたいことは絵のほうだ。

    その絵を、読んで沁みるほどの経験を、私は持ってないから。

    だ、と思われる。



    わかる。

    何か、とてつもないドラマが、作者の脳裏を埋め尽くしていたのだということは。

    そして生まれたドラマを。






    概念を。

    残念ながら私には、掠りもしなかった。





    絵は。

    絵に込められた思いを、読み解くことさえ。


    何かがあるんだろな。

    という、それくらい。





    云えば、孤独か。


    孤独から作者を解放してくれたのが、いぬだったのだろう。

    おそらく。

  • 私はネコ派なので、残念ながら犬と特別な関係を築いたことはない。しかし、これまで一緒に暮らしてきたネコの何匹かとは、人間の家族に対するのと似た感情のようなものを感じたことはある。

    「犬とネコでは違う、犬と人間の関係は特別だ!」と怒られるかもしれないけど。

  • 鼻の奥がツンとなった。

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著者プロフィール

1974 年オーストラリア生まれ。幼いころから絵を描くことが得意で、学生時代にはSF 雑誌で活躍。西オーストラリア大学では美術と英文学を修める。オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。2006 年に刊行した『アライバル』は世界中で翻訳出版されている。イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとしての活躍の場を拡げている。9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2010 年に第83回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞。2011年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。2019年には日本で初めての展覧会を開催。現在メルボルン在住。

「2020年 『ショーン・タン カレンダー 2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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