サラダ記念日 (河出文庫 227A BUNGEI Collection)
- 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309402499
作品紹介・あらすじ
生きることがうたうこと…うたうことが生きること-なんてことない24歳が生み出した感じやすくひたむきな言葉。31文字を魔法の杖にかえ、コピーライターを青ざめさせた処女歌集。現代歌人協会賞受賞。
感想・レビュー・書評
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色んなページに栞を挟んでしまっているくらい素敵な感覚が散りばめられている。ある意味、生活のヒントにしている。
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30年以上も前に出版されたこの本を
今でも愛おしく手に取る。
あの頃と変わらない自分がいるようで
空気感がとても心地イイ。
まだスマホの無い時代の恋愛模様。
僕らバブル世代はそんな時代の匂いに
キュンとくるのかもしれない。
今日もひとつ付箋を貼った。 -
日本語の使い方がすごく繊細
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35年くらい前に、確か昭和62年に読みました。みずみずしい歌でびっくりしたことを、思い出しました。こんな短いのに臨場感がすごい。
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24歳でこの歌集が作れるのすごいなぁ。佐々木先生に出会わなかったら…を考えるとこわいという俵万智がわかるなぁ。「一人芝居が、一人では決して打てない」
好きだった歌 多すぎる!
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
ハンバーガーショップの席を立ち上がるように男を捨ててしまおう
「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの
愛ひとつ受けとめかねて帰る道 長針短針重なる時刻
たった一つのことが言えずに昼下がり野球ゲームに興じる二人
東京へ発つ朝母は老けて見ゆこれから会わぬ年月の分
ちぐはぐな会話交わせり母と娘のつながり信用しすぎていたか
愛告げてしまいたけれどもう少し安全地帯を離れておかん
トンカツにソースをじゃぶとかけている運命線の深き右手で -
ニヤニヤする。
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なんて瑞々しい…
どんな日常でも情景や感情がありありと浮かんでくる。
31文字の強さを感じる。
北陸新幹線延伸記念で店頭に福井にゆかりのある方の本が置かれていて手に取る。
アボカドの種と迷ったが、軽く中身を見てあまりの瑞々しさにサラダ記念日を旅のお供に。
朝ドラのような爽やかさ。
俵万智さんはどんなテーマでも解像度の高いドラマチックな短歌を詠めるんだなぁ。
ジャズコンサートの章は音まで流れてくるような美しい言葉たち。
言葉の余韻がすごい…
1987年に初版され、今回偶然にも手に取ったが、久しぶりに出会えて良かったと思えた。 -
はじめて歌集を読んだ。言葉の響きに癒された。
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この本、1987年に出版されているのか。メディアに取り上げられる機会も多いから、もっと新しい本なのかと思っていた。
日常の何気ないことをこうして形に変えてしまうってすごいな。会話文の使い方が絶妙。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
情景が浮かぶ。温かいなあ。
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初めて読んだのは25歳。これまでの自分と重なる部分が多くあったなぁ。切なくて、愛しい言葉たち。
30歳になった時、35歳になった時、40歳を迎えた時、節目毎に読んでいきたい。
歳を重ねる度に、自分はどう感じるのだろう?楽しみだなぁ
24歳で書き上げた万智さんの感性と豊かな表現力に感服。
「君と食む三百円のあなごずしそのおいしさを恋とこそ知れ」