- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309402970
作品紹介・あらすじ
「今、日本に幽霊が徘徊している。どうせ徘徊するんなら半ズボンの方がいい」という宣言にはじまり、「来年の夏はみんなで半ズボンを穿かない?」という不思議なアジテートをめぐって、半ズボンを穿くことの正当性をしなやかな論理が獲得して行く、痛快無比のロング・エッセイ。戦後=近代、男と女、マスコミ、都市、日本的心性、江戸…膨大な問題がたった一行に集約される不思議な本。
感想・レビュー・書評
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「なぜ日本の男たちは暑い夏に半ズボンをはかないのか」という問題提起をおこないつつ、その周辺に存在する、日本の男たちが抱え込んでいる問題を容赦なく指摘している本です。
著者の基本的な立場は、おなじ時期に書かれた他の本と同様で、半ズボンをはこうとしない大人たちは、自分では一人前の大人だと思っているが、じつは一人前の大人が自分で判断するべきことがらを家族(妻)や社会にあずけてしまっており、しかもそのことに気づいてさえいない鈍感さをさらしているという批判になっています。
巻末の「文庫版あとがき」には、著者自身が本書と他の著作との関係について自解をおこなっており、橋本治ファンにとっては有益な手引きになっているように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
さやわかさんからのお薦めがなければ途中で読むのやめてたかもしれない。「日本でも普段から半ズボンを履けばいい」というだけのことを、雑談調に長々と書いているだけのように思うのだが、読み終わると詳細に論理を組み上げていることにじわじわ気がつく。好きではないが無視できない。
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クールビズの本かと思ったら、まったく違いました。
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『遅れてる」「貧しい」というのは呪縛だって言うのは、日本人がアメリカ人じゃないからなんだが、そんなこと今更しょうがないだろうねェ。
景気の回復っていうのは、私にしてみれば再びクーラーのスイッチを最強にすることだっていう風にしか思えないんですけどもね。やっぱり、どっかで機械が稼働してるってことが実感できないと不安なのかしらね?自分がなんにもしないから。
臨機応変で変わるっていうことが無いんだもんね。夏だっていうと、スイッチ押して、夏じゃなくしちゃうんだもんね。変わらなくていいんだからすごいね。
皆さん、緊張によってリラックスの時間を通過させるなんてメンドクサイことやってますから、やっぱり疲れちゃうんですね。
自分自身で緊張感の輪ッカを作って、それを自分でグルグル回して、一人で籠の中の二十日鼠をやってるんですけどね、日本の会社男は。
緊張感>義務>疑問無く背負ってるから、日本の男って言うのは緊張感ていうのが好きなんですね。
緊張してると時っていうのは、人間あまりものを考えませんもん。緊張することだけに全神経が集中されてますから、緊張してる時ってのは、反射神経でしか行動が出来ないんです。
本来人間にとっての達成率とは、遊びと義務、両方合わせて200%あった筈なんです。それが、義務の達成率が低いといって、遊びの方の占有時間をドンドンドンドン減らしていく>必要・不必要>その結果、遊び0%・義務の達成率55%>実に平均的な高校生。平均的というのはそう言うことです。
休日の充実度0%、会社での働き具合55%>実にこれが、すべてが窓際族化して行く現代の会社男の姿なんですね。
物事をやるのは何でも「基礎体力」「基礎能力」というのを必要とします。そして人間という者は、この基礎体力・基礎能力というものを、やりたいことをやりながら身につけるんです。そして、やりたいことばっかりやっていると、人間というのは視野が狭くなってくるんです。というわけで「やらなければならないこと」というのがその次に出てくるのです。”やりたいこと”をやって基礎体力をつけて、”やらなければならないこと”をやって視野を広げる、この繰り返しで人間というものは成長してくんです。