三日月少年漂流記 (河出文庫 な 7-3 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403571

感想・レビュー・書評

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  • 漂流記と聞いて真っ先に十五少年漂流記を思い出したのは解説の野上氏と全く一緒。笑
    どこかわからないけれど、飛行船に乗ってどこかへ、漂流を始める三日月少年たち。そして、彼らの跡をつけて、いつもと違う、少し冒険(漂流?)する水蓮と銅貨2人の少年。
    この構図が、長野作品を見る私たちを見ているようで面白い。つまり長野ワールドが三日月少年たち側で、それを垣間見るのが私たち読者といったような…。

  • 久々に読み返し。大人になった今だと感じ方も変わるなあと思ったのですが、子供の頃の無邪気な好奇心をふと思い出してなんとも言えないノスタルジックな気持ちになってしまいました。
    シンプルなストーリーではあるんですけど、この方の文章は物語というよりも文章としての美しさに惹かれてしまいますよね。初めて読んだ時は普段目にしない漢字表記に妙にドキドキしたものです。
    最近の小学生も長野まゆみの本って読んだりするのでしょうか。

  • 自由奔放で好奇心旺盛な水蓮とくまのぬいぐるみをリュックに詰めてきちゃう銅貨。三日月少年っていう自動人形に電池を入れると彼らは意思をもってどこかへ行く。三日月少年たちがどこに行くのか何しに行くのかを二人で見に行く。冬の日の冒険。博物館とかプラネタリウムとか。登場人物は水蓮と銅貨だけなので二人の夢を読んでるみたいなかんじ。

    これも特にこれといった大事件やどんでん返しもなく、きれいで夢のあるお話。
    比較的情景が思い浮かべやすかった。

  • 天体議会とリンク。

  • 再読。少年たちのワクワクする秘密の冒険の一日。自分の心も一緒になって三日月少年を追ってしまう。
    著者の築く近未来のような懐かしいような独特の世界は、とても魅力的。

  • 独特な雰囲気が物語全般に漂っています。漢字や言葉に所々古いものが使われていて、絶妙な世界観を作り出してると思いました。
    個人的に主人公二人のコンビが好きです。じゃれ合い感がいい。特に睡蓮の賢いやんちゃっぷりには笑えました。あまり深く考えると疲れるので、物語がすすむまま、流されて読むのがおすすめです。

  • 『天体議会』の前日譚。
    博物館から三日月人形が盗まれたというニュースに街は大騒ぎ。
    だが水蓮は盗まれたのではなく、人形が自ら逃亡したのだと主張する。
    人形の動力源となるニッカド電池をこっそり人形に仕掛けて逃亡の手助けをした言う水連は、三日月人形たちの企みを見届けるために銅貨を”家出”に誘う。

    学校をサボり、他の三日月人形にも電池を仕掛け、彼らが旅立っていくのを見送るというストーリー。
    とある一日を淡々と描いていて、何かとんでもないことが起こるわけではないが、童話的な安心感がある。
    だいたい二人がじゃれあっている感じである。

    なんともない物語だけれど、長野まゆみの世界観と少年が主人公の話が好きな人には楽しめるのでは。

  • 自動人形「三日月少年」の盗難事件の真相は人形自身の意志による逃亡だった。
    「天体議会」の銅貨と水蓮が登場する。

  • 中学生か、もしくは小学生の頃に少年アリスを読んで以来の長野まゆみ

    ふと古書店で見つけて積んでおいたのを読んでみた
    あーそうそうこんな感じ
    なんとも不思議な世界
    古いような旧いような日本語が創造力を掻き立てる

    どんでん返しやミステリーはまったく存在しない
    ただただ長野ワールドにどっぷり浸かるだけ
    贅沢な時間の過ごし方

  • 銅貨と水蓮コンビ、好きです。
    長野先生の作品だけでなく、作中の食べ物や飲み物が美味しそうな作品は良作な気がします。
    オシャレなカフェでサンドイッチを食べながら読みたい作品。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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