三日月少年漂流記 (河出文庫 な 7-3 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
3.67
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本棚登録 : 940
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309403571

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    自動人形である三日月少年の跡を追う、水蓮と銅貨のふたりの少年の冒険でした。
    自動人形にも惹かれたのですが、水蓮と銅貨のご飯が美味しそう…という本編には関係ないところもとても惹かれました。
    列車や、プラネタリウムや海洋展覧館も懐古的で好きな世界です。
    逃亡した三日月少年たちは飛行船で三日月へ帰るのだろうか…メルヘン。

  • 幻想的だった…
    ガラス細工のような美しい文章で
    きらきらした綺麗なものだけを集めた宝石箱のよう。
    知らない言葉が出てくる度、どんなものだろうと想像する時間が楽しかった。そして水蓮と銅貨。なんて素敵な名前だろう、と思った。この2人がかわいい。ただ世界観に心酔しました。いつかまた再読したい一冊

  • 博物館から三日月少年が逃げ出した…そう話す水蓮と共に、銅貨はZ市の百貨店、プラネタリウム、展覧館をめぐりながら、真夜中の月光舎とそこから飛び立つという船を眺めます。彼らはどこへ行くのか? 水蓮は三日月に帰っていったと言いますが、銅貨にはこれが馬鹿げているようにも、案外本当かもしれないと思うのでした…。
    トラブルが起こるわけでもなく、綺麗に進んでいって綺麗に着地(この場合離陸?)したのが本作です。瓦斯燈の灯りを点けたり消したりする描写や、美味しそうな食事のシーンなど、やはり長野さんらしい、細部と単語のイメージがとにかく好きです。解説の野上さんが言う「三日月少年の漂流先」も考えると、なるほど確かに本作はプロローグ感があります。読書中だけでなく読書後も膨らむイマージュ、やはり好い!

  • 銅貨と水蓮といえば
    う~~んそれにしてもテディベアにドロップを少年に組み合わせるの、マジで長野まゆみ世界観だな……と思うよね……

  • 2021/10/29

  • 三日月少年漂流記なんてタイトルだから、一般的にいう、漂流記を物語にしてるのかと思いきや…。長野さんの話は、文体や言葉が綺麗で好き。文章から想像される世界観はレトロなようでもモダンな感じ。綺麗な世界。あくまで、個人の感想である。

  • 三日月少年の秘密と混同
    これも銅貨・水蓮がでてくる

  • 何度も何度も読み返す。
    キラキラとした言葉を読むと、少し気恥ずかしくなるが、現実から離れて夢のような世界に没頭できる。

  • うーん、文章もきれいだし描いている場面なんかもとてもきれいだし、ストーリーもそんなに悪くないんだけどなあ。この人の作品はそのきれいさだけが目だってしまって、いつも読み終わったあとにグッとくるような印象がないんだよな。この辺が僕の言うところの、女性における少年的せつなさの欠如なのだろうか?

    再読 19970315

  • 久々の、長野まゆみ先生の初期作品。
    水蓮と銅貨の登場するお話の中では構成が平易で読みやすく、二人の家出少年が自動人形を追いかける様子に没頭できます。独特の幻想的な文体に支えられた世界観が美しい。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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