天体議会―プラネット・ブルー (河出文庫 な 7-9 BUNGEI Collection)
- 河出書房新社 (1994年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309404240
感想・レビュー・書評
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登場人物の名前がまた、長野ワールド全開って感じ。あと、銅貨とお兄さんのこととか、銅貨の家族のこととかももっと知りたいなあと思った。続編があるのかな?だとしたら読みたい。
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ノスタルジーなのにどこか近未来的。
現実からかけ離れた設定だけど、世界観がきっちり確立されていて逆に現実的な印象。
銅貨と水蓮の仲直りのシーンは完璧だった。
水蓮が架空の約束をでっちあげて銅貨を連れ出し、原因となった兄のことについてはまったく触れずに銅貨の嫉妬心を溶かす。
私もくだらない嫉妬心とかこういうふうに溶かしてほしいって思ったけど、これは文章だから受け入れられるだけで、実際に言われると胡散臭いかもしれない。
これが読書の醍醐味か、ってかんじのシーン。
話の後半で、銅貨が兄を大事に思っていることをさらっと口に出せるようになっていたのがまた良かった。 -
長野ワールド全開で独特のキラキラした世界観にうっとり。鮮やかな色彩の描写や透明感が心地よかった。長野まゆみ作品に出てくる「ソーダ水」の清涼感ってはんぱない。脳内で勝手に手塚治虫の「メトロポリス」のような近未来的な世界観で映像化して楽しみました。これアニメで見てみたいなー。
一旦その世界に入りこんでしまえばどっぷり浸れるのですが、一度意識を外へそらしてしまうと文章がすべるすべる。何度も同じ部分を読んでも頭に入ってこなくて、薄い割には結構読むのに時間がかかりました。でもその分じっくり読んで、じっくり浸れました。
この世界の女性はまさに「生む機械」ってわけか。 -
長野まゆみといえばこれ。夢ある幻想的な作品。
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人口の減少により、実の親以外に代理母と生活する家族が普通に存在する世界が舞台。
銅貨、銅貨の兄の藍生、銅貨の友人の水蓮が主な登場人物。
主人公の銅貨も全員血の繋がらない家族の中で暮らす少年だ。
銅貨と藍生の確執、銅貨と水蓮の友情といった部分を独特の言葉で描きながら、少年が成長していく様子を綴っている。
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長野節炸裂というか、かなり特異な世界観な上に不思議な単語にルビ満載なので、合う人合わない人がはっきり分かれる作品だと思います。
私は綺麗な表現だな~と感じる方なので、長野さんの文章はとても好みなんですが。
『新世界』辺りの話に感じる毒気はほぼなく、ほんわかしたファンタジー色が強いように感じました。異世界の童話といった印象です。 -
星座好きにファンタジー好きには持ってこい!
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先生の、まるで宝石のように輝く文章表現が素敵です。
少年たちの世界観が好きです。 -
星とか、鉱石とか。宝石箱みたいなファンタジー。
イメージが湧かないと少々苦しい。わたしには眩しすぎたかな…
天体議会の召集方法がアナログでかわいらしい。飴の交換はこっちが照れてしまうようないじらしさ。
万華鏡のくだりがロマンチックでとても好きです。なにが見えるんだろう。 -
天体議会読了。なるほど…なんというか、ファンタジーな空気を味わうのと、隠喩は気合で読み取れ!!みたいな話でした。長野さんは兄って存在に思い入れがあるんだろうなあ。三作品読んで基本の登場人物構成が同じ。そして兄の気持ちは本当にはわからないという。うむ。