- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309407654
作品紹介・あらすじ
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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当時、自分と重ねて読んでいた。描写をイメージさせられた記憶がある。怖さを感じたが、それでも楽しませてもらった。
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兄弟がいないので自分と比較はできないが、切っても切り離せない存在に対して抱いてしまったら圧倒的に生きにくくなる感情を抱いて、深めていくのが痛々しかった。
どちらの視点で見るかで同じ出来事も歪んで見えてしまうのがよくわかるし、どの方向から見ても主観が入るので客観視なんてないというのがよくわかった。
最後の最後に考えるのが結局それかと、なんだかやるせなくなった。 -
やられたら、やり返す!という復讐の無意味さを兄弟喧嘩という全世界共通な普遍的イベントに落とし込みながら嫌味ったらしく、バイオレンスに描いた内容は強烈!
256ページからのリスタートな展開には絶句。からの着地に感服。綺麗事じゃない世界観が好み。これを17歳でカマした羽田圭介ヤバいでしょ。傑作! -
テンポ良いのですぐ読める。
憎しみで体が満ちていく描写が良かった。
17歳でこれを書いた事に驚いた。
面白かった。 -
20240206
えげつない
粘膜人間とはまた違う兄弟喧嘩
両親の存在感 -
17歳でこれを書いたなんて、やっぱり天才は違うなと思った!
兄弟それぞれの視点で書かれ、一気に読み切ってしまいました。
気持ち悪さもあるけど、面白かったです。 -
最近読んだ羽田圭介の作品が面白かったのでデビュー策を手に取ってみました。
一言でまとめてしまえば、「陰湿な兄弟喧嘩の物語」です。その単純な舞台設定と、なんだか壮大な正義の戦いのように描いているけれど結局のところ「家庭」という枠組みの中の小さな物語でしかない、ということが、この作品の世界が身近に感じられる理由なのだろうと思います。
お互いに激しく嫌悪している兄弟ですが、物語の語り手でもある兄は、弟への憎悪だけでなく、弟が兄である自分自身へ向ける憎しみの理由を考えたり、弟のあり様を受け止めようとしたりするなどの成長を見せます。
そして、大団円……といかないところが、羽田圭介らしいところです。
決して美しい物語ではありませんが、それでも読後感は悪くありませんでした。 -
作者17歳の時のデビュー作。文藝賞受賞。
一気読みするほど面白かった。‥‥が、誰かに薦めたくはないかも‥‥