- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309407678
作品紹介・あらすじ
蜜の雨が降っている、雨は蜜の涙を流してる-ある作家が死んだことを新聞で知った真楠は、恋人にあてて手紙を書く。咲き乱れるブーゲンビリア、ベラクルスの熱風、グァバの匂い、ハチドリの愉悦の声。メキシコを舞台に、鮮烈な色・熱・香・音が甘やかに浮かび上がる恍惚と陶酔の世界。短篇「紅茶時代」を併録。第三四回文藝賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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【本の内容】
蜜の雨が降っている、雨は蜜の涙を流してる―ある作家が死んだことを新聞で知った真楠は、恋人にあてて手紙を書く。
咲き乱れるブーゲンビリア、ベラクルスの熱風、グァバの匂い、ハチドリの愉悦の声。
メキシコを舞台に、鮮烈な色・熱・香・音が甘やかに浮かび上がる恍惚と陶酔の世界。
短篇「紅茶時代」を併録。
第三四回文藝賞受賞作。
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[ 関連図書 ]
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これは……ひっさびさにつまらんなあ。
ハチドリ、ハイビスカス、ハチドリ、ハチドリ、ハチドリ、グアバ、グアバ。
実体を伴わない単語によるイメージばかり。
山田詠美女史との対談を読んで興味を持ったのだけれど、対談で述べられているほど二人の共通項は(読者の視点から見て)多くはない気がする。 -
これが星野智幸の原点。そう思うと感慨深い。
これは、夢だ。夢の論理によって書かれている。そして、書くことについて思考する。なぜ書くのか。書き手はいつもその理由を探す。 -
「まだ読んだこともない作家が死んだ」。メキシコの大学院に通う真楠は、新聞での訃報を読み、自分の恋人にあてた手紙として小説を書く。咲き乱れるブーゲンビリア、ベラクルスの熱風、グァバの匂い、ハチドリの愉悦…。原色のメキシコを舞台に、中上健次、ガルシア・マルケスへのオマージュのもとくりひろげられる陶酔世界。ラテンアメリカの濃厚な香りが漂う異色作。
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メキシコで金の魚細工を作る日本人青年の話ですが、あからさまに中上健次の『千年の愉楽』を意識した文体と内容です。自然と身体の相互作用の生々しい描写は、独創とは言えないにせよ、単なる模倣では出せない濃密さを漂わせています。(「SWIFTIANA」2006年2月1日の記事参照)